第2回 保育園のSNSの始め方とステップ──園の魅力発信! 保育士のアイ先生のSNSの教科書

第1回で「保育園がSNSを活用するべき理由」についてお話ししましたが、今回は実際に「SNSの始め方とステップ」を具体的に解説していきます。
職員全体に理解してもらう
まず、SNSのアカウントを作る前に、職員全体がSNS運用の意義を理解して協力的になることが一番大事だと考えています。なぜかというと、SNSで発信される映像や画像は、職員やお子さんの表情、そして園の雰囲気が「画面を通してダイレクトに伝わる」からです。
「顔出しが必須かどうか」という問題も出てくるかと思います。製作物や給食だけを投稿している保育園も素敵ですが、やはり「想い」を伝えるためには全員でなくても「人」が出演することが必要だと考えています。

縦型ショート動画は視聴者と「目を合わせること」ができる媒体だと言われています。動画の企画にもよりますが、視聴者に語りかける際に、「目」を合わせるような動画は効果的だと思います。
もちろん、職員やお子さんの肖像権に関する許可を取ることは必須です。許可が得られない場合には、スタンプを使ったりモザイク処理をするなど、編集時の配慮も重要です。
もし職員がSNSに対して消極的だったり、「やらされている」と感じながら出演した場合、その気持ちはコンテンツに表れてしまいます。自分が視聴者の立場でも、雰囲気の良くない動画や無理に作業的に作られた投稿はすぐにスワイプしてしまうでしょう。
逆に、職員全員が「このSNSを通して、園の魅力をもっと発信したい!」という思いを共有していれば、そのエネルギーは視聴者にも伝わります。
SNSはただの道具ではなく、園の雰囲気や保育士達の気持ちを映し出す「鏡」なのです。
運用体制と業務負担の切り分け
もう一つ、職員の理解を得るためには、SNS運用が保育士の通常業務に影響を与えないように、バランスを取る仕組みを整えることが重要です。
保育園の規模や、広報担当者がいるかどうかによって異なりますが、SNS担当者はなるべく「普段からSNSを利用している人」を選ぶことが大事です。SNSのトレンドは移り変わりが早く、普段から流行りをキャッチすることが苦ではない人を選出することも、成功のポイントです。
全員で順番に担当したり、手が空いた人が投稿を行う形でも良いですが、もしアカウント運用に力を入れる場合、どんな動画がバズったか、応募が増えたかなどの効果分析やフィードバックがマストになります。複数名の運用者がいても、アカウントの設計や責任者は1~2名に絞ることをお勧めします。
縦型ショート動画を活用する
縦型ショート動画は現在、すべてのSNSプラットフォームで活用できる強力なツールです。各プラットフォームで一貫したメッセージを短時間で伝えることができ、1本の動画を複数のプラットフォームで使い回すことができます。
マストで活用したいのはTikTokとInstagram(リール)ですが、加えてYouTube ShortsやLINE VOOMなどにも転用できます。すべてのプラットフォームで見かける状態にすることで、認知度や接触機会が増えます。
ただし、作業工数や予約投稿機能をうまく活用しながら効率よく進めていくことが大事です。
撮影機材について
今では、SNS運用代行会社でさえもスマホ1台で撮影・編集していることが多いです。むしろ、機材を揃えてしまうと扱いが難しく、慣れていない職員にとってはかえって負担が増えることがあります。
視聴者もスマホで動画を視聴するので、最新のスマホであれば撮影に十分なカメラ機能が備わっており、問題ありません。また、手軽にポケットから取り出して撮影できることが、良い瞬間を逃さないためのポイントにもなると思います。
次回は、「共感と繋がりを生む、保育コンテンツの作り方」についてお伝えしていきます。
(MiRAKUU vol.49掲載)
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- 保育士のアイ先生
保育士をしていた経験から作成した「保育士あるある」のショート動画の多くが再生数ミリオン超えを達成!
保育園の採用支援や保育士のキャリア相談にも携わりながら、保育業界を明るくするインフルエンサーを目指しています。
全4回のコラムを通して、一緒に園の魅力を最大限発信するコツをマスターしましょう♪