2025.11.12
ふさこ先生の花育講座

花育で育つチカラ 創造性・主体性・思考力・表現力・巧緻性・協調性・道徳心──ふさこ先生の花育講座

ふさこ先生の花育講座

こんにちは、花育講師のふさこ先生です。
このコラムでは、花や緑を通して子ども達の心や感性を育む“花育”の魅力をお伝えしていきます。

花を通して「考える力」を育む

花育(はないく)は、花を選び、構成を考え、形にしていく過程そのものが学びです。
まずは自分が好きだと感じた花、両親の好きな色など、どれを使うかを自分で考え、たくさんの花から選びます。
それらをどう配置するかバランスを考える中で、子どもは思考力・判断力・創造力を働かせます。立体のアートです。
正解のない世界で試行錯誤を重ねる経験は、主体的に考える力を養う時間でもあります。

作品を通して「心を表す力」が育つ

花を扱うとき、子ども達は驚くほど集中します。
普段は苦手なハサミも積極的に使い、生けるときに何度倒れてもめげません。
工夫しながら作業します。この時、巧緻性が培われています。
そして自分の中の“好き”や“きれい”を探しながらアートを行い、花を通じて自己表現力を発揮しています。
完成した時に得られる達成感や安堵感は、情緒の安定をもたらし、自己肯定感の向上にも繋がります。
「できた」「うれしい」の積み重ねが、子ども達の自信を育てる瞬間です。

花を介して「人と関わる力」が育つ

花は生きているので、優しく丁寧に接する必要があります。
そのため、花育の時間には生き物を大切にする心、優しい心や慈しむ心が育ちます。それらが人格形成や道徳心へと繋がります。
そして作品が完成すると、出来上がりは個性があり、みんな違います。
お互いの違いや他者を認める経験は、思いやりや協調性を育て、クラス全体の空気まで穏やかに変えていきます。
そして友人、先生、保護者に自分の感性を見せる時、相手に贈り喜んでもらう時、子ども達は社会性・共感性を自然に学びます。

花育は見た目の美しさや香りを楽しむだけでなく、考えながら自分を表現できるところが魅力です。そして、それを愛する人に見せることで得られる幸福感があります。
保育園にお花を植えることや、咲いているお花を1輪包むだけでも「花育」です。
ぜひ、試してみてくださいね。

次回もお楽しみに!


ライタープロフィール:店橋ふさこ
  • ふさこ先生
  • フラワーハウスビオラ 花育講師

    栃木県内で9店舗を展開する花屋の娘として生まれ、幼少期より花の仕事に携わる。
    父は花屋経営者、母はフラワーデザイナー兼フラワー講師。

    保育現場では担任保育士、フリー、補助金関連事務など経験。
    国内最大手保育企業に勤務、本部運営費にも精通。
    その後、血筋・経験・資格を活かし花育活動を開始。
    保育業界歴は10年目。
    現在、東京・埼玉・神奈川の保育園や幼稚園で活動中。
    来年度は栃木・沖縄へ展開予定。

    【資格】
    保育士国家資格、フラワーアレンジメントデザイナー
    【メール】
    info@hanaiku-flower.com