2025.11.05
ふさこ先生の花育講座

「心を育てる情操教育、花育」 ──花育という新しい学び──ふさこ先生の花育講座

ふさこ先生の花育講座

はじめまして。花育講師のふさこ先生です。
このコラムでは、花や緑を通して子ども達の心や感性を育む“花育”の魅力をお伝えしていきます。

私は花屋の家庭に生まれ、幼少期から花のある暮らしの中で育ちました。
元保育士としての経験をもとに、花で心を育てる情操教育を行なっています。
現在は、様ざまな保育園や幼稚園で花育講師をさせていただいております。

花育とは?

「花育(はないく)」とは、花や植物に触れる体験を通して、心を育てる情操教育。
感受性・創造性・思いやり・社会性といった“心の発達”を支援する教育活動です。
子どもの情緒の安定や非認知能力を育む手段として注目されており、農林水産省も推進しています。

花育の役割

現代の子ども達は、不登校・いじめ・小学校の壁・少年犯罪など様ざまな問題を抱えています。
原因は様ざまですが、その大きな一因として豊かな心や思いやりの欠落、想像力の欠如が考えられます。
現代の忙しい毎日やデジタル環境により、幼少期に育むべき心や感覚的な体験、自然との触れ合いの減少が影響として表れているのです。
花育は、こうした環境の中で「感じる・考える・表現する」機会を意図的に設ける実践です。
自分で花を選び、優しく触り、香りを楽しみ、生きた立体のフラワーアートを作る。
生命の美しさを感じる時間です。
そして自分のアートに自信を持つ達成感。
美しいものを美しいと思える心、慈しむ心が育ちます。

保育との関わり

花を扱う活動には、自然観察・色彩理解・造形表現など、保育の基礎領域(環境・表現・人間関係)に深く関わる要素が含まれます。
自分で選び、作ることで主体性・創造性が育ち、他者へ贈ることで優しさを学びます。
また、「咲く~愛でる~枯れる」という命のサイクルに触れる中で、生命尊重や道徳的感情が芽生えてゆきます。

花育は、花や緑を題材にした情操教育・発達支援・自己形成支援の複合的なアプローチ。
保育現場に無理なく取り入れられる、“心を育てる時間”です。
これから、花育を通して子どもの心を成長させていきましょう。

次回は「花育で育つチカラ」についてです。お楽しみに!


ライタープロフィール:店橋ふさこ
  • ふさこ先生
  • フラワーハウスビオラ 花育講師

    栃木県内で9店舗を展開する花屋の娘として生まれ、幼少期より花の仕事に携わる。
    父は花屋経営者、母はフラワーデザイナー兼フラワー講師。

    保育現場では担任保育士、フリー、補助金関連事務など経験。
    国内最大手保育企業に勤務、本部運営費にも精通。
    その後、血筋・経験・資格を活かし花育活動を開始。
    保育業界歴は10年目。
    現在、東京・埼玉・神奈川の保育園や幼稚園で活動中。
    来年度は栃木・沖縄へ展開予定。

    【資格】
    保育士国家資格、フラワーアレンジメントデザイナー
    【メール】
    info@hanaiku-flower.com