はなたば保育園――先生が輝けば、子ども達も輝く。一人ひとりの花が咲く場所


はなたば保育園の概要を教えてください。
元々は2018年から認定保育園として運営していたのですが、2021年に認可保育園へ移行しました。
2023年に園名を「はなたば保育園」に変え、より一層、地域に根ざして子ども達の未来を創る保育園を目指すようになりました。
0歳から5歳までの子ども達を対象に、1クラス5人ずつ、全体で30人定員の小規模な園です。
はなたば保育園の特徴について教えてください。
30人定員の園に対して、職員が20人在籍しているのが特徴です。
保育士だけでなく、用務員さんや調理員さんも含めての人数ですが、日中はゆとりある職員配置になっています。そのため、子ども達一人ひとりと密に関わることができます。
たとえば、今日も0歳児さんが4人登園していますが、先生が3人ついています。さらに2階では研修中の職員が1人いて、他のクラスの1~5歳児さんは散歩に出かけているところです。
このように人手が多いので、一般的に言われる人手不足にはなりにくい環境だと思います。
また、子育て中の先生も多く、お子さんの体調不良や行事などでお休みする際も「全然休んでください」と声をかけられるような、柔軟な職場づくりを心がけています。


保育方針について教えてください。
理念として目指しているものは、「全ての子どもに愛情を注ぎ、子どもも大人も一緒に成長する保育園」です。
どの子どもも等しく周りの人たちから愛されるべきで、たくさんの愛に囲まれ健やかに育っていくべき存在だと考えています。全ての職員から無償の愛を受け、子ども達にとって過ごしやすい場所にしたいです。
そして、当園の保育方針は「ありがとう」と「ごめんね」が言える子、お友達と自分を大切にできる子、自分で考えられる子を育てることです。
「お友達を大事にしようね」というのは当たり前のことですが、それと同じくらい「自分自身を大事にすること」も大切だと考えています。
たとえば、「貸して」と言われてもまだ使いたいときは、「ちょっと待っててね」や「長い針が5になったら貸すね」と、自分の気持ちをきちんと伝えられるようになってほしい。そういう小さなやりとりを通して、自分と相手の両方を大切にできる関係を築いてほしいと思っています。
また、「ありがとう」や「ごめんね」は、どんな場面でも必要になる言葉です。だからこそ、まずは私たち大人がその姿を見せることを大事にしています。職員間でも「大人が率先して伝える姿を子どもに見せよう」と日頃から話し合っています。
職員が変わると子ども達にも変化はありますか?
はい、あります。園見学に来られる保護者の方から、「子ども達の挨拶が気持ちいい」と言われることが多いです。
私たちが保護者の方に「おはようございます」「こんにちは」と声をかけると、子ども達も自然に「おはようございます!」と返してくれたり、「赤ちゃんのお名前なんて言うの?」と話しかけたりします。お散歩のときも子ども達から進んで、地域の方に挨拶してくれます。
無理に「挨拶して」と促すのではなく、先生や保護者の姿を見て自然と身につけているのだと感じますね。


子ども達が「ありがとう」や「ごめんね」を身につけるために、どんな工夫をしていますか?
たとえば、年長さんの子ども同士のトラブルが起きても、すぐに先生が介入しないようにしています。少し距離をとって見守ることで、子ども達自身が「どうしてほしかったのか」「どう感じたのか」を言葉にし合う姿を大切にしています。
「こうしてほしかった」「こういうつもりじゃなかった」といったやりとりを見ていると、成長したなあと感じますね。
一方で、2~3歳児はまだ自分の気持ちは言えても、相手の気持ちを理解するのは難しい時期です。そういう時は先生が代弁してあげたり、「どうしてほしかったの?」「そうだよね、じゃあそれ言ってみようか」と声をかけたりしながら、子ども達をサポートします。
「僕はそれ使いたかった」「こっち貸してあげるから、そっち貸して」など、子ども達が自分の言葉で気持ちや意見を伝えられたときには積極的に「言えたね、よかったね」と認めてあげることを職員一同、大事にしています。
食育へのこだわりについて教えてください。
はなたば保育園の調理員さんはがとにかく食育は大好きで、「子ども達に色いろな経験をしてほしい」という想いをもって取り組んでいます。
たとえば、お米づくりをしたり、宮崎の実家から椎茸の原木を送ってもらったりして、子どもたち達にたくさんの食材を見せています。
園庭ではトマトやきゅうりを育てたり、子ども達と一緒にピザやチョコづくりをしたりもします。調理員さんが「やってみたい」と思ったことを、園全体で「じゃあやってみよう」と形にしています。
また、近くに「ブレーメン通り」という商店街があるので、子ども達が八百屋さんやスーパーに買い物に行くこともあります。自分達で食材を買って、触れて、調理して、食べる──そんな一連の体験を大切にしています。


カリキュラムについて教えてください。
英語と体操の時間を設けています。英語は毎週火曜日に外部講師を招いて、1歳から5歳まで各クラス20〜30分ずつ行なっています。
体操も外部講師の指導で、跳び箱・鉄棒・トランポリン・平均台を組み合わせたサーキット遊びなど、年齢に合わせた内容を取り入れています。先生達が工夫しながら、楽しみながら取り組めるよう考えてくれています。
この地域ならではの魅力について教えてください。
園のすぐ近くに「ブレーメン通り」という大きな商店街があるんです。子ども達のお散歩の際には、マルエツさんや八百屋の大野屋さんなどでお買い物体験をさせてもらっています。
そこでは野菜や果物、お菓子を買い、地域の方々との関わりを大切にしています。
毎年10月末はハロウィンの練り歩きも行い、コーヒー屋さんやお花屋さんを訪ねて「ハッピーハロウィン!トリック・オア・トリート!」と子どもたちが元気に挨拶しながら、お菓子をいただきました。
地域の方のご協力なしでは、保育園は成り立たないと思っていますので、普段から仲良くさせていただき、子ども達の成長を一緒に見守っていただけるようにしています。


職員が働きやすい環境づくりのために、取り組んでいることを教えてください。
まずは全ての先生達に長く働いていただきたいと考えています。保育園は、先生も子ども達もどちらも欠かせない存在ですし、どちらが欠けてしまうと運営は成り立ちません。
今は保育士不足と言われている時代ですので、給与以外の面でもサポートをしています。たとえば、休みを取りやすくしたり、夏休み・冬休み・お子様のイベント休暇などを設けたりしています。
また、書籍代の補助や資格取得の支援も行なっており、ベビーマッサージやキャリアアップ研修などを受ける先生もいます。会社全体として保育の現場を大事にする方針なので、職員の声を経営陣と共有し、会社で福利厚生や待遇面を毎年改善しています。
さらに、先生達が「こんなおもちゃを子ども達に使わせてあげたい」と提案してくれた場合は、園の方で購入をサポートしたり、「マナーを学びたい」「もっと勉強したい」と言う先生には、自分で好きな本を購入して学んでもらうようにしています。
先生達が明るい気持ちで子ども達と向き合えるように、そして僕自身は「子ども達を見る保育士さん達を見て」働きやすい環境を整えていきたいと思っています。
職員同士の人間関係を良くするために工夫していることはありますか?
今はハラスメントに対してとても敏感な時代なので、そこは特に気を付けています。たとえば「髪切ったね」「染めたね」などの声かけもNGになっていると聞きます。はなたば保育園は3階建ての園なので、フロアごとで完結しやすく、関わりが限定されてしまうのが課題でもあります。
そこで、僕や主任の先生が意識的に各フロアに顔を出してコミュニケーションを取るようにしています。「話したいけど時間がない」「相談したいけど言いづらい」といったことがないように、男性の僕でも女性の主任でも、どちらにでも話しやすい雰囲気づくりを心がけています。
また、僕自身がいじられることで場が和むならそれでいいと思っています(笑)。「またそんなことしてるの?」とか「それ何ですか?」なんて僕がツッコミを言われながら笑いが起きると、職場の空気も柔らかくなるんですよ。他にも午睡中にお菓子を買ってきて、「いつもありがとう」と配って、ちょっとしたリフレッシュの時間も大事にしています。
飲み会も行事後などに年2〜3回ほど行いますが、もちろん自由参加です。僕がいない方が話しやすいこともあるでしょうし(笑)、そういう場は園が費用を出して「また頑張ろう」と前向きになってもらえれば十分だと思っています。


園で育った子ども達に、将来どのように成長してほしいですか?
園の目標に掲げている「友達や自分を大事にする子」「自分で考えて行動する子」。このうちどれか一つでも、心に残して大事にしてもらえたら嬉しいです。
小学校・中学校と成長していく中で、その想いをずっと持ち続けてもらえたらと思います。園名の「はなたば」には、一人ひとりが自分らしい花を咲かせてほしいという願いを込めました。色も形も大きさも違う個性が集まって、花束になる。そんな風に、それぞれのカラーを大切にしながら大きくなっていってほしいです。
今後の展望を教えてください。
子ども達の「やりたい」、先生達の「やってみたい」「挑戦したい」という気持ちを大事にしています。「無理」ではなく、「どうすればできるか」を一緒に考えていきたい。
それが叶って「やってよかった」「楽しかった」「またやりたい」という気持ちが増えれば、先生達自身の成長にもつながると思っています。先生達が前向きに保育に取り組むことで、自然と子ども達にも良い影響が生まれます。
僕はどんな提案でもまず「いいね、やろう!」と受け止めて、前向きに取り組んでいきたいと思っています。
また、今通ってくださっている保護者の方々の満足度を上げながら、「ここに通いたい」と思ってもらえる園づくりにも力を入れていきたいです。少子化の時代だからこそ、選ばれる園であり続ける努力が必要だと感じています。


最後に、はなたば保育園の一番の魅力を教えてください。
やはり「先生の多さ」ですね。今は不適切保育などが話題になることもありますが、先生達は決してそうしたくて保育士になったわけではありません。
残業や持ち帰り仕事などの負担が重なってしまうことが原因で、余裕をなくしてしまうこともあると思います。だからこそ、職員を多く配置して、一人の負担を減らすことが大切だと考えています。
みんなで協力して書類や制作を分担し、子ども達としっかり関わる時間を確保する。大切な命を預かる場所だからこそ、先生達が笑顔で保育に向き合える園でありたいです。究極的には、「自分の子を預けたい」と思える保育園にしていきたいと思っています。
はなたば保育園

住所
〒211-0025
神奈川県川崎市中原区木月3-20-43
アクセス
東急東横線元住吉駅から徒歩4分
開園時間
平日 7:00~20:00
土曜 7:00~20:00
連絡先
TEL:044-750-9777
MAIL:info@kids-youth.co.jp



