2025.11.19
ふさこ先生の花育講座

第3回 花育の効果──非認知能力と情緒の安定を支える「心の教育」

ふさこ先生の花育講座

こんにちは、花育講師のふさこ先生です。
このコラムでは、花や緑を通して子ども達の心や感性を育む“花育”の魅力をお伝えしていきます。

見えない力を育てる非認知的学び

花を扱う子

花育(はないく)は、単純な暗記や知識では測れない部分を育てる教育です。
花を観察し、組み合わせを考える過程で、子ども達は自然に思考力・創造力・判断力を使っています。
こうした体験の積み重ねは、「非認知能力」を育む基盤です。
「正解がひとつではない世界」で考え、自ら選択する力や創造する力を養うことが、これからの教育で求められる大切な姿です。

花がもたらす情緒の安定

花を扱う時間は、子ども達の心を落ち着かせる効果があります。
香りや質感といった自然の刺激は、脳の感情を司る部分に働きかけ、安心感や集中力を引き出します。
また、花の変化を見守る中で「咲く」「枯れる」という生命の循環を感じ取り、感受性や道徳的感情が育まれます。
失敗しても「次はこうしてみよう」と前向きに考えられる子が多いのは、花育が子どもの情緒的回復力(レジリエンス)を支えているからです。

保育現場で生きる“教育としての花育”

花を扱う子

花育は、遊びの延長ではなく、保育・教育の一領域としての実践です。
観察・構成・表現といった活動は、環境・表現・人間関係の基礎領域と深く関係しています。
フラワーアートの制作を通して他者と関わり、完成を共有する経験は、社会性や自己肯定感の向上に繋がります。
自分が選んだ花・作った作品を誇りに想い、同時に友人の作品との違いを見つけます。
そして、それをお互いに褒め合い、違いを理解し合う瞬間が生まれます。

花を通じて子どもが自分を理解し、他者を尊重する。
その過程に、花育の本質的な効果──“心が育つ教育”としての意義があります。

次回もお楽しみに!


ライタープロフィール:店橋ふさこ
  • ふさこ先生
  • フラワーハウスビオラ 花育講師

    栃木県内で9店舗を展開する花屋の娘として生まれ、幼少期より花の仕事に携わる。
    父は花屋経営者、母はフラワーデザイナー兼フラワー講師。

    保育現場では担任保育士、フリー、補助金関連事務など経験。
    国内最大手保育企業に勤務、本部運営費にも精通。
    その後、血筋・経験・資格を活かし花育活動を開始。
    保育業界歴は10年目。
    現在、東京・埼玉・神奈川の保育園や幼稚園で活動中。
    来年度は栃木・沖縄へ展開予定。

    【資格】
    保育士国家資格、フラワーアレンジメントデザイナー
    【メール】
    info@hanaiku-flower.com