2026.03.11
保育のニュース

こども家庭庁に届けよう! 保育従事者の意識調査 アンケート回答結果

こども家庭庁に届けよう! 保育従事者の意識調査 アンケート回答結果

現場の声を、こども家庭庁へ。

日本こども育成協議会が、保育現場で働く保育従事者を対象に実施した本アンケートは、「日々子ども達と向き合う現場の思いを、社会へ、そしてこども家庭庁へ届けること」を目的としています。
子ども達の命を守り、一人ひとりの成長に寄り添う保育という仕事。その尊さと同時に、目に見えにくい責任や負担もまた存在しています。

今回の調査から浮かび上がったのは、「誇り」と「限界」の両面でした。
多くの保育従事者が、子どもの成長に立ち会えることを最大のやりがいとして挙げ、保育を専門性の高い仕事だと認識しています。
一方で、給与水準や社会的評価、人手不足といった構造的課題に強い危機感を抱いている実態も明らかになりました。

やりがいがあるからこそ、より良い環境を求める声が上がる。
本アンケートは、現場の“悲鳴”ではなく、“本気の提言”と言える内容となっています。

1,743名の回答から見えてきた、保育現場のリアルをお伝えします。

アンケート結果

Q01 保育をする中で、やりがいを感じますか

1,743人中

Q01 保育をする中で、やりがいを感じますか/ほぼ毎日感じている 42.8%、週に何度かは感じている 35.3%、月に何度かは感じている 17.0%、あまり感じていない 4.2%、全く感じていない 0.6%

Q02 保育をする中で どのような時にやりがいを感じますか

回答数 上位9項目
複数回答可1,743人中

Q02 保育をする中で どのような時にやりがいを感じますか/[回答数 上位9項目] 子どもたちの成長を感じたとき 1,601、子どもたちや・保護者に感謝されたとき 1,269、職場で仕事ぶりを評価されたとき 792、自分自身に成長を感じたとき 610、チーム・職場全体で仕事に取り組んでいるとき 600、得意な分野で貢献・活躍できたとき 568、上司・部下・同僚・保護者などに頼られたとき 558、困難な仕事をやり遂げたとき 543、責任のある仕事を任された、昇進昇級したとき 314(1,743人中、複数回答可)

Q03 保育をする中で、園児に十分な保育が提供できていると思いますか

1,743人中

Q03 保育をする中で、園児に充分な保育が提供できていると思いますか/充分にできている 5.6%、どちらかと言えばできている 48.7%、どちらかと言えばできていない 38.1%、できていない 7.6%

Q04 充分な保育が提供できていないと思う理由を教えてください
(Q3で「できていない」「どちらかと言えばできていない」と回答された方)

回答数 上位7項目
複数回答可791人中

Q04 充分な保育が提供できていないと思う理由を教えてください/[回答数 上位7項目] 保育士の数が足りない 662、保育以外の業務が多い 457、自信のスキルや経験が足りない 238、職員間のコミュニケーションが足りない 231、教育指導・研修制度が足りない 167、安全・衛生対策が足りない 162、勉強会・会議などが多い 100

Q05 不適切保育について理解をしていますか

1,743人中

Q05 不適切保育について理解をしていますか/はい 99.4%、いいえ 0.6%

Q06 不適切保育にならないよう意識して保育をしていますか

1,730人中

Q06 不適切保育にならないよう意識して保育をしていますか/はい 99.6%、いいえ 0.4%%

Q07 どのようなことに気をつけているか教えてください
(Q6で「はい」と回答された方)

回答数 上位4項目
複数回答可1,730人中

Q07 どのようなことに気を付けているか教えてください/言葉かけ・話し方 1,591、子どもの人権・気持ちの尊重 1,429、自身の感情のコントロール 1,200、研修等を受講し、自己研鑽する 629
他回答
  • 職員間の連携
  • 風通しの良い職場
  • 子どもの最善の利益を考慮した保育を考え合える職場関係

Q08 不適切保育を見聞きした場合、どういった行動をとりますか

回答数 上位6項目
複数回答可1,743人中

Q08 不適切保育を見聞きした場合、どういった行動をとりますか/園長や役職者に伝える 1,337、その場で介入する 688、同僚に伝える 580、相談窓口に伝える 191、経営者に伝える 125、何もしない 58

Q09 保育の仕事は専門性の高い仕事だと思いますか

1,743人中

Q09 保育の仕事は専門性の高い仕事だと思いますか/そう思う 82.4%、ややそう思う 13.1%、あまり思わない 4.2%、思わない 0.2%

Q10 どのようなところに専門性の高さを感じますか
(Q9で「そう思う」「ややそう思う」と回答された方)

回答数 上位3項目 (AI分析による)
自由記述回答1,451人中
  1. 個別対応と発達支援の複雑さ
    • 一人ひとりへの対応:子どもの個性や発達段階に合わせたきめ細やかな関わりに、専門性を感じるという回答が目立ちました。
    • 主体性の尊重:子どもが主体的に伸びるよう援助することの難しさや、そのための援助技術に専門性が求められていると認識されています。
  2. 保護者との関係構築と支援の重要性
    • 信頼関係の構築:子どもだけでなく保護者との信頼関係を築き、子どもの最善の成長を一緒に援助できるように、家庭全体を視野に入れた専門的な対応に価値を見出しています。
    • 情報提供と相談対応:保護者への情報提供や、子育ての悩みを聞くなど、保護者支援の役割も専門性の重要な要素として認識されています。
  3. 業務の多面性と責任の重さ
    • 命を預かる責任:「人様のお子さんの命を預かる緊張感」といった極めて重い責任が、この仕事の専門性の根幹にあるという認識が見られました。
    • 幅広い知識と対人スキル:教育、保健、栄養など幅広い知識が不可欠なところや、保護者や同僚なども含めた対人スキルに高い水準が求められるなど、多岐にわたる知識と高いヒューマンスキルが必要とされています。

Q11 保育の仕事の専門性の高さは世の中に認知されていると感じますか

1,743人中

Q11 保育の仕事の専門性の高さは世の中に認知されていると感じますか/そう感じる 2.5%、ややそう感じる 13.9%、あまり感じない 60.2%、感じない 23.4%

Q11[保育の仕事の専門性の高さは世の中に認知されていると感じますか]の
Q12 回答の理由を教えてください

回答数 上位3項目 (AI分析による)
自由記述回答1,499人中
  1. 経済的評価の低さが、専門性の認知を妨げている
    • 「給料が低い」「給料の低さ」「給与が安い」といった直接的な表現が非常に高い頻度で出現しました。
    • 社会的な認知の低さは、抽象的な「理解不足」だけでなく、具体的な「経済的な冷遇」によって強く裏付けられていると認識されています。
  2. 仕事内容が「専門職」ではなく「簡単な作業」と誤解されている
    • 「誰でもできると思われている」というフレーズが頻繁に登場しており、保育士が持つ教育・心理・安全管理などの専門スキルが全く認識されていない状況が浮き彫りになりました。
    • 「子どもとただ遊んでいるだけ」「子守り」といった表現は、保育の仕事が、教育・養護・発達支援という側面を持つ専門性の高い業務ではなく、家庭内の園長の「雑務」として見られていることへの強い反発を示しています。
  3. 報酬と社会貢献度が見合っていないという認識
    • 高度な専門知識や体力・精神力を要する仕事であるにもかかわらず、その対価が見合っていないという諦めや怒りが示唆されます。
    • 一部の回答には「不適切保育」といったネガティブなキーワードも見られ、一部のネガティブな報道が、職種全体のイメージダウンに繋がり、専門性認知をさらに阻害しているという懸念もうかがえます。

Q13 「保育」という仕事の「尊さ」や「重要性」をどのような時に感じますか

回答数 上位4項目 (AI分析による)
自由記述回答1,411人中
  1. 子どもの「成長の瞬間」に立ち会う喜び
    • 「昨日できなかったことが、今日はできた」という成長の瞬間に立ち会えることが、大きなやりがいとなっています。
    • 環境設定によって子どもたちの目の輝きが違ったり、子ども同士の関わりが育っていくのを見守る時など、自律へ導く役割に尊さを感じています。
    • 0歳から関わった子どもたちが、立派に成長し胸を張って卒園していく姿を見た時に、仕事の価値を強く実感しています。
  2. 命を預かる「安全・責任」と「人間の基礎づくり」
    • 子どもたちの命を守り、人格形成の基礎を築くという重い責任感が上げられています。
    • 0~6歳の重要な時期に関わり、遊びを通して生活や人を大切にする心を育む、「人生の基盤づくり」に携わっているという強い使命感があります。
    • また「安心できる大人」として信頼関係を築くことが、社会の安定にも繋がるという認識があります。
  3. 保護者・地域との「共感と連携」を通じた貢献
    • 子どもを真ん中に置き、保護者や地域社会と連携して子育てを支える役割に重要性を感じています。
    • 保護者の悩みに専門的な視点から寄り添い、「共に子育てをしている」という感覚を持てた時。
    • 保育園が「社会的インフラ」として機能し、保護者が安心して働ける環境を整えることが、社会全体の持続性に貢献しているという、より大きな視点で考えた時。
  4. 多様性への対応と自己の専門性の追求
    • 障がいや家庭環境の違いも含め、全ての子どもたちを受け入れる姿勢が、将来のインクルーシブ(包摂的)な社会を形成する一歩だと捉えています。

Q14 世の中に伝えたい、保育の仕事の「現状」はどのようなことですか

回答数 上位3項目 (AI分析による)
自由記述回答1,494人中
  1. 業務不可の最大の原因は「書類・記録」と「見えない仕事」
    • 最も高い頻度で出現したキーワードは「書類・記録」であり、不必要な事務作業の多さが現場の疲弊の最大の原因であることを示しています。
    • 「子どもと向き合う以外の見えない仕事(行事準備、保護者対応など)」の重要性を知ってほしいという強い訴えがあります。
  2. 「人手不足」と「配置基準」が安全と労働環境を脅かしている
    • 「人手不足・人員不足」の出現が226回と非常に高く、現場が常にギリギリの体制で運営されていることが分かります。
    • 「配置基準」(76回)への言及は、「現在の基準では子どもの安全や質が担保できない」という危機感の表れです。少なすぎる人員で命を預かることの精神的な緊張感と負担が極めて高いことが分かります。
  3. 根本原因としての「給与・賃金」の低さ
    • 給与の低さは、離職率を高め、結果として「人手不足」を深刻化させる根本的な要因として認識されています。
    • 「命を預かる仕事」という重大な責任と、「見合わない給与」という現状のギャップが、保育従事者の士気を低下させ、専門性の認知を妨げているという構造が読み取れます。
  • その他の重要な傾向
    • 「休憩」の欠如(92回)は、職員の過酷な労働実態が示唆されます。
    • 「不適切保育」への言及(50回)は、現場の厳しい労働環境やストレスが背景にあること、そしてそれがニュースなどで取り上げられることで、保育士全体のイメージを悪化させていることへの懸念。

Q15 世の中に伝えたい保育の「魅力」はどのようなことですか

回答数 上位3項目 (AI分析による)
自由記述回答1,421人中
  1. 「子どもの成長」:成長の目撃者
    • 最も多く出現したキーワードは、「子どもの成長」に関連するフレーズでした。保育士は、人間の基礎となる乳幼児期の発達段階に最も近くで寄り添い、昨日できなかったことが今日できるようになる「成長の目撃者」であることに、最大のやりがいを感じています。これは、職務の困難さや低評価とは切り離された、仕事の本質的な魅力です。
  2. 「笑顔」と「可愛い」:情緒的な繋がり
    • 子どもたちの純粋な笑顔や愛らしい存在そのものが、日々の業務を続けるための大きな動力源となっています。これは、仕事の成果としての成長だけでなく、子どもとの日常的な関わりの中にある幸福感を示しています。
  3. 「やりがい」「使命感」:自己実現
    • 保育従事者は、自らの仕事に高い内発的な価値を見出しており、この仕事が自身の人生やキャリアにおいて「意味のあるもの」だと強く感じています。

Q16 こども家庭庁に一言、伝えたいことがあれば記載ください

回答数 上位3項目 (AI分析による)
自由記述回答1,171人中
  1. 最優先の要求:「給与・賃金の早急な引き上げ」
    • 「給料をあげてください」、「給料が少ない」など、直接的な賃上げ要求が目立ちます。
    • 現場の保育従事者は、給与の低さが人手不足の根本原因であり、仕事の専門性や責任に見合っていないという認識を強く持っています。他のいかなる改善策よりも、まず経済的な評価の是正を最優先事項と捉えています。
  2. 労働環境の革新:「人手不足と配置基準の見直し」
    • 人手不足は単なる業務量の問題ではなく、「早番が帰った後、お迎えまでの時間帯は子どもと職員の数がまるで見合っていない危険な状態」といった具体的な記述が示すように、子どもの安全を確保できないレベルに達しているという危機感が根底にあります。
    • 現在の配置基準では、一人ひとりに寄り添う質の高い保育は不可能であるという切実な訴えです。
  3. 現場の負荷:「見えない業務」と「職場環境」
    • 書類業務の多さや、時間外労働が常態化している実態に加え、職場内のハラスメントが存在していることも、現場の精神的な負担を高め、離職の原因となっていることが示唆されます。
その他のメッセージ
人員を充足せず「こども誰でも通園制度」を行うと、普段の保育ができなくなり、通常で通っている子ども達の不利益になります。
何か事件があった時はニュースになり、また保育士がと言われるが、普段の子どもと保育士の日常などの魅力を伝えてほしいです。
とにかく現場を見に来てほしい。
声を聞いてほしい。
いつもありがとうございます。

公益社団法人 日本こども育成協議会とは
  • 日本こども育成協議会は、2006年4月に主に東京都認証保育所を運営する事業者により立ち上げられた保育所事業者団体(法人登録は2009年4月)です。発足以来、「全ての子どもが愛情に満ちて育てられ、心身ともに豊かに育つ社会の実現に寄与する」ことを目的として活動を続けています。

    「保育従事者の意識調査」
    調査期間:2025年11月20日(木)~2026年1月11日(日)
    調査方法:Googleフォーム
    回答数:1,743
    【ご報告】「保育従事者の意識調査」回答結果について