ゆらりん港南保育園──社会見学を通じ、肌で感じ体験することで、子ども達の理解が深まる
カリキュラムに対するこだわりを教えてください。
ゆらりん港南では、なにより社会と密着した保育園を目指しています。
港区で子育て支援の色々な特別事業の提案がありその支援も受けながら、地域密着型保育を掲げ保育園で長時間過ごす子ども達に社会、外との沢山の交流体験をさせてあげたいと願い、地域のお年寄りや、入園前の子ども達や保護者の皆さま、地域の子ども達と交流が持てるイベントや遊び場を企画し日々の保育に活かしています。
また、体感する保育も目指しています。独自なものとして毎月社会見学があります。
立地上、都市型の保育園であるため年1回の遠足では子ども達が社会に触れる機会が不十分になってしまいます。そのため、お散歩や外遊びとは別に4、5歳児を対象に、園の外に出かけ、社会と触れるようにしています。
これまで水道局、図書館、銭湯などの公共施設、近隣の企業施設など地域にある様々な場所を訪ねました。子ども達は社会見学を通じて、地域社会で起きていることを肌で感じ自分の目でみることで、言葉だけで知っていたものを体験する事が出来ます。
例えば、子ども達は自分が毎日使っている水や水道局という言葉を知っていても、水道局で誰がどのように働いているのか、どのようにきれいな水が作られるのかは知りません。それを実際に見せてあげることで子ども達の理解が深まります。実際に見聞きした事は子ども達の記憶に焼き付いています。もちろん子ども一人ひとり感じる事は違い表現方法も違います。だからこそ子ども達の視点で感じ、学んだ事を一人一人が自ら自由に言葉で表すことや、他のお友達の感じたことを聞いたりすることで自然に深く様々なことを感じ、自分のものにして体感していけると思います。
最も印象的だった社会見学について教えてください。
昨年は食肉センターの見学に挑戦しました。食肉センターでは生きた牛がどのように加工され、スーパーに並ぶのかを見学し、大人が見ると厳しい光景だと感じるような場面も多くありましたが、保育士の予想とは異なり、子ども達はそれをすんなり受け入れたのです。きっと大人とは違う視点で感じた事を素直に受け入れ、図鑑や本だけではない体験が子ども達にとっては良かったんだと思います。だから給食では一生懸命食べようという気持ちになってくれました。
また、銭湯の見学では、番台さんの存在や地域のお年寄りの方が銭湯に入る光景を見ることで、子ども達がそこに人々の日常があり地域が成り立っていることを知るきっかけになりました。
やはり子ども達が自ら体得し、会話が生まれ、考え方や認識が変わるというのが大きいですね。今の子ども達は多くの情報が簡単に手に入るため、知識をたくさん持っていますが、その知識を言葉だけで終わらせるのではなく、実際に体験し、意見を交わす保育園はなかなかないと思います。
保育園の内装や外装へのこだわりはありますか?
都市型の保育園ということで、お庭がなく限られたスペースで長時間過ごす場所となる園内では、子ども達が限られた空間の中でも(閉塞感がないよう)、開放感のある設備になっています。
また子ども達の安全面を考え、例えば一般的に保育園で起こりやすい事故として、戸の閉め忘れによる子ども達の思わぬケガを想定し、ゆらりん港南保育園では万が一戸を閉め忘れても、自動で閉まるよう設計されています。
手洗い場所でも蛇口や細かい所に清潔を保つための配慮がしてあります。
子ども達への配慮で一番気を付けていることを教えてください。
子ども達への配慮としては、ビル内保育園の特色を生かしたメリハリのある保育を心がけ実施しています。
例えば【クラスごとの部屋】という考えではなく、保育カリキュラム内容に沿ってのお部屋の交換や移動をする保育や、広いテラスを一つの保育室とし、お散歩や外遊び以外でも外の季節を感じながらの保育ができるよう配慮しています。
保育士の質を向上するために工夫していることを教えてください。
保育士教育の中では質、技術の向上が急務ですが、保育士を孤独にさせないことが大切だと考えます。チームで動いているようでも孤立してしまい、悩んでしまうこともあります。言葉が見つからずに伝えられない、悩みや解決法の脱出口を自分で見つけられない事などが沢山あると思います。
質の向上には技術だけではなく意識をまず変えることだと思い、一番の手立てとしてチームで動くことを大切にしています。
具体的には、1週間の指導保育があります。
この保育では1人の保育士に保育プランを任せます。もちろん先輩主任が相談には乗りますが、具体的な手助けはせず、1人の保育士が自分でプランを練ります。
初めはプレッシャーが大きいですが、その過程で挑戦する先生の強み弱みを皆で理解し、今後その保育士をいかに成長させ活かすかというテーマを掲げ、皆で一人の先生の事を一生懸命考えていきます。指導保育を進めていく中では先輩がしっかりフォローしますし、チームで動くようにしています。
指導保育士達にも、指導中はただ指摘をするのではなく、今後その保育士をどのように成長させていくか、いけるかをテーマとして与えています。
1週間を終えると、客観的な意見を伝え今後のチーム内でのフォローアップ計画をたてます。
この過程では指導保育に挑戦した保育士は受け取ることの意味を学び、指導保育士達はフォローすることの意味を学び、お互いを信頼しチーム力が高まります。
保育士の採用基準で大切にしていることはありますか?
学歴や年齢は関係ないと思います。保育に対して、自分の価値観を持っているかどうかです。毎日子ども達と仲良く過ごしたい、楽しい保育をしたい、子ども達の成長を支えていきたいなど、どんな規模でもいいので将来の自分のなりたい姿が明確にある人がいいですね。
ゆらりん港南保育園で育った子ども達に将来どんな大人になってほしいですか?
しなやかな子ですね。様々なことを受け止めて自分の力にできるようになってほしいです。自分に起こったことや環境を自分で一度取り込み、発信できる子になってほしいですね。
ゆらりん港南保育園では保育士に対しても、知識をシャワーのように浴びせるのではなく、子ども達がそれを受け止め、自分で考えて発信することが大切だとしています。
ゆらりん港南保育園といえば?
進化ですね。常に進んでいく、チャレンジが出来る、株式の保育の醍醐味だと思います。
歴史がないことを嘆くのではなく、変化を続ける社会のなかで、いち早く子ども達にとって一番いいものを選別して、考え進化しています。
ゆらりん港南保育園
住所
〒108-0075
東京都港区港南1-6-27 芝浦クリスタル品川港南2F
最寄駅
JR品川駅、京浜急行品川駅より徒歩5分
開園時間
7:15~18:15(20:15までの延長保育あり)
連絡先
TEL:03-6712-1188 FAX:03-6712-1189