第3回 よもやま話①──保育経営ドクター「ニッシー先生」の経営処方箋

こんにちは。保育経営ドクター「ニッシー先生」です。
さて、第3回は「よもやま話」として世間の様ざまな事柄について気ままにお話してみたいと思います。
私のもとに保育園(幼稚園)の経営者の方々より日頃幅広いご相談が寄せられますが、今回はかなりセンシティブな内容です。
「親族問のトラブルについて」
お父様やお母様から法人を引き継いだものの、経営の実態に触れてみると悩ましい問題が噴出している、というのが主なテーマです。
例
Aさんは、もともと一般企業で働いていましたが、親の勧めで親が経営する法人(以下「法人」といいます)へ戻ることになりました。
ところが戻ってみると、次のような問題がありました。
- 園児数は定員250名のところ在園児は20数名という悲惨な状況であった
- 管轄行政へ相談したところ「地域のニーズは0歳~3歳に比重が置かれているが、貴園は4歳児以上しか受入れしないため仕方ない」とのニュアンスの回答だった
- 親からは「園庭として資産計上している土地は、園児も少なくなっているので宅地開発のために売却するように」と言われた
- Aさんは、乳児保育の預かりはリスクだと感じ、親の主張も仕方ないかもしれない、と思う一方、地域のニーズをくみ取れていない現状には申し訳なさを感じた
この相談を受け、私は「遊休(園庭)の売却」については反対しました。
「法人として土地を有効活用したいなら、売却~宅地開発、ではなく、『将来に亘る教育機関』や『地域に根差した教育機関』を設置したらどうか? 例えば『幼稚園』だけではなく『専門学校』『専門職大学』など、その分野に特化した教育機関を設置することで、遊休地だと思われていた土地が『18歳~の若者も通う教育の場』に変身できる」とアドバイスしました。
Aさんは「その案で行政に提案・相談したい」と言ってくれました。ところが行政へのプロポーザルも作製してプレゼンもできたところで、親の反対に遭いました。
「その土地は先祖代々から受け継いでいる土地だ。地元の発展のために宅地として専門業者に開発してもらうから、教育機関を設置するのは諦めるように」と言われてしまい、相談者は納得できなかったものの諦めざるを得なかったのです。
結果、その土地には10数戸の一戸建てが建築されて現在は宅地となっています。もしかしたら宅地販売の結果、新しい住民が増えて人口流入を促進できたのかもしれません。
Aさんはそのように思って自分を納得させました。
代々受け継がれてきた幼稚園などでは「親から受け継いだ法人」を継承して維持・発展できる場合もあれば、この親子のように「親子間での考え方の相違」により相談者が思いもよらぬ結末になることも多いのが実情です。
次回は「よもやま話②」として親族間トラブルの実際について別のお話をする予定です。
今回の内容が、経営者の皆さまのヒントになれば幸いです。
(MiRAKUU vol.53掲載)
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- 保育経営ドクター
複数の事業会社の経営に携わった後、経営コンサル会社で30社以上の再建に成功。その実績を活かし、現在は保育業界に特化した経営支援を行う。
「現場に寄り添う経営パートナー」として、多くの園長・施設長から信頼を集めている。



