第13回 つらい腰痛、どうにかなりませんか? 腰痛への間違った認識
保育士さんには腰痛が多いという話をよく耳にします。しかし、日本では中学生で七割も腰痛を感じていて、整骨院、整体院に通っている子も多くなっているのをご存知でしょうか。実は、腰痛は存在しないという概念が、最新の医療の世界では通説になろうとしています。腰痛・肩こりなどの慢性疾患は、本当は無いのです。では、なぜ腰痛になるのか?
それは痛みを認知するイメージが痛みを作ってしまうからです。腰痛を作り上げるイメージの癖と捉えて良いでしょう。では、治すにはどうしたら良いのかというと、行うことは様ざまで、痛みはもちろん時間、健康、愛情、仕事、お金などの問題の解決法を今までと違うパターンに変えていけば良いのです。これを認知行動療法と言います。
自分でできる対策としては
(1)座りすぎないこと
(2)15分間隔でジャンプ
(3)かんたんな体操を行うこと
です。作業効率は増し、睡眠障害も少なくなり、次に椅子から立って動くときにもスムースに体と、脳を動かすことができるようになります。
私が創り上げた言葉で「発達認知行動療法」。認知行動療法に対して、発達があるということです。つまり、できないことを認め、違うことをできるようにすることで、できることを増やす。そうすると、今までできなかったことに対してのイメージが変わり、結果、発達するのです。この療法を使っているのが、未来歯科での親子での歯並びのトレーニングで、装置の選び方にもあります。
北欧では昇降机を使って、この動きを作る教育を行なっています。この効果により腰痛がほとんどなくなってしまいました。教育そのものに病気にならない工夫を取り入れ、平均80歳で27本以上の自分の健康な歯を有し、歯科医師はほとんど歯を削る道具も持たないという北欧では、日本とは全く異なる成長と自立の保育が行われているのです。親や保育士が子どものためと思い自分でできることすら子どもにさせない、手伝うのではなく親や保育士がやってしまう。これでは教えるどころか、その行為そのものが子どもの成長を止めることにしかなりません。これこそが今の大人と子どもの問題を大きくしている原因になっています。
腰痛にならない、ぎっくり腰にならない、椎間狭窄症(ついかんきょうさくしょう)にならない子ども達をつくるのは、親と保育士さんの正しい知識です。日本では、まだまだ食事の野菜の比率が6割以上になっていません。子ども達は食べるという習慣を失ってきています。特に医療従事者、産婦人科関係者、教育関係者の子ども達は、人間を成長させる知識を持たないため、多くの問題を子ども達に抱えさせます。親が座り病、慢性疾患も多く、歯科医師、医師の多くは、座り病になっています。口腔管理ができていないため、口腔は不清潔な状態というよりも発達していない状態です。治療やサプリメントで治す、薬で治すという医療がほとんどになってきています。この結果、年に数十は病名が増えるという医療の細分化が起きてしまったのです。
その中で、再生医療によって、最も大事なのが呼吸の確保ということがようやく問われるようになりました。この呼吸がしっかりできていれば、再生医療は成功するのです。腰痛においても、呼吸との関連で喉の状態は、腰痛、内臓下垂症と大きく関係してきます。
腰痛という問題を軽視せずに、口腔の状態、呼吸、嚥下のトレーニングと、座り病対策はしっかりと行なってください。
もともと、日本人の椅子に対しての概念はなく、欧米人の姿勢の教育をそのまま真似ています。しかし日本人は、欧米人と歩く姿勢も座る姿勢も全く異なり、筋肉の発達も違うため、椅子に座ると座り病になる確率は欧米人の数倍もあるのです。一日2時間も座っていると、寝たきりになるという世界通念があるのに、日本では1日9時間座っている人が多いということから考えると最悪のパターンを招く状態です。
日本人は本来、蹲踞(そんきょ)、跪坐(きざ)、正座という坐骨が当たることのない座り方が主流で、しかも短時間しか座らない勤勉な民族でした。坐骨を使ったことがないので、椅子のような硬いところに座ると坐骨神経層の発達が違うため、体をぐにゃっと曲げてしまい、背もたれに凭(もた)れてしまう。体グニャというタイプなので腰痛になる人の多さは世界一です。
妊婦さんの座り方は、座り方の基準なのでぜひ参考にしてください。
歩く時も、日本人は腰を落とし膝を曲げて歩くので、手を後ろに組み、足だけ前に出そうとします。この姿勢なら後ろに歩くのが正常です。老人の杖をつく場所も西洋人のように前にはつきません。日本人は歩く時の足の筋肉の使い方が西洋人とは逆のため、同じように座ると呼吸も内臓の位置も悪くなってしまいます。西洋の文化を真似してそのまま取り入れてしまったせいでこのような問題が起きるのです。
腰痛に対して正しい医療のイメージトレーニングは認知行動療法で、様ざまな方法が行われています。現状を認め、自身で把握する。腰痛はないことを脳の側坐核(そくざかく)にインプットする。扁桃体で作られた腰痛という痛みの情報を側坐核でなくしてしまうという方法で、痛みの科学とまで言われます。腰痛に対しての理解は、物理的でないので今まで取り込みにくかったのですが、最近では各社のテレビ番組でも取りあげられるようになり、知っている方も増えているようです。正しい知識を持つことが重要です。
(MiRAKUU vol.28掲載)
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- 新橋 未来歯科 院長
姿勢咬合セミナー主幹(27年以上続く姿勢と噛み合わせの歯科医師向けのセミナー)
Ken'sホワイトニングセミナー主幹1984年静岡県菊川市にかわべ歯科を開業。2011年新橋に未来歯科開業。
従来の疾患中心型治療ではなく、「細菌単位でのお口の中のリスクを知り、その結果に基づき改善していく」「食事内容の分析・アドバイス」「姿勢指導や、呼吸などのアドバイスによる体質改善」「患者様の未来の目標設定」をコンセプトにした「予防」診療を行う。
歯科医・歯科衛生士向けの各種セミナー、DMMでのオンラインサロン等も精力的に行なっている。
ホームページ:http://www.miraishika.net/
未来歯科アカデミー:https://miraishika.com/academy/
未来歯科アカデミーでは実際に未来歯科に来ていただくほか、リアルタイムでの質問も受けています。