2025.07.15
英語が聞けちゃう、話せちゃう"フォニックス講座!"

第6回 フォニックス教育のメリットとデメリット──なぎさ先生の 楽しみながら英語が聞けちゃう、話せちゃう“フォニックス講座!”

第5回 保護者にどう伝える?──なぎさ先生の 楽しみながら英語が聞けちゃう、話せちゃう“フォニックス講座!”

新しい年度がスタートしましたね。今年度もどうそよろしくお願いいたします!
さて、フォニックスを教えていると、よくこんな質問をいただきます。

「フォニックスを学ぶことに、どんな意昧があるの?」
「子ども達に教えると、どんな良いことがあるの?」

そこで今回は、フォニックスを学ぶことで得られる、メリットと、気をつけたい点(デメリット)について、改めてまとめてみました。

フォニックスって何?

フォニックスクラス

フォニックス(Phonics)とは、英語の「文字」と「音」の繋がりを学ぶ学習法です。イギリスをはじめとする英語圏では、まずアルファベットの「音」から学ぶスタイルが一般的です。

私達の教室でも取り入れているSynthetic Phonics(合成フォニックス)は、音を1つずつ覚えて、それを繋げて単語を読む「ブレンディング」と呼ばれる方法で、実際にイギリスでは国のカリキュラムにも組み込まれています。
たとえば、「猫」を意味する“cat”という単語は、「クッ」「ア」「卜」(/k/ /æ/ /t/)という音を順番に繋げて、「キャット」と読むことができます。

フォニックスを学ぶメリット

フォニックスを学ぶメリットはいくつかあります。

  1. 英語の読み書きの力が育つ
    文字と音のルールを身につけることで、知らない単語でも自分の力で読めるようになるのが、フォニックスの大きな魅力です。
  2. 英語への苦手意識がなくなる
    「なんとなく読めた!」「発音できた!」「通じた!」という成功体験が、子ども達の自信に繋がり、英語を好きになるきっかけになります。
  3. 発音やリスニング力もアップ
    音をよく聞き、正しく口を動かすトレーニングが自然にできるので、耳も口もどんどん英語モードに!
  4. 語彙がどんどん広がる
    読める単語が増えると、絵本や英語の歌・動画もより楽しめるようになり、語彙のインプットが自然と増えます。
  5. 英語を英語のまま理解できる
    「appleはりんご」ではなく、“appleってこう読むんだ”という音からスタートするので、英語を英語のまま理解する力が育ちます。

クラスでの実体験より

今年の1月、私達が運営するフォニックスクラスに、日本から引っ越してきたばかりの4歳のA君が入ってきました。
最初は英語がわからず、恥ずかしそうにしていましたが、毎回のフォニックスソングやアルファベットのゲーム、クラフトを通じて少しずつ変化が! 今では、「ぼく、読める!」と自信を持って発言しています。保護者の方からは、「最近では、見かける英単語を自分で読もうとしています。フォニックスに出会えて本当によかったです」と、嬉しいお声もいただきました。
やっぱり、フォニックスの一番の魅力は、「英語って楽しい!」そして、「自分で学ぼうとする力が育つ」ことだと、私自身改めて実感しています😊

フォニックスの注意点・デメリットも知っておこう

もちろん、フォニックスにも注意しておきたいポイントがあります。

  1. すべての単語がルール通りではない
    英語は、たくさんのルールがある一方で、例外もとても多い言語です。そのため、フォニックスを学んだからといって、すべての単語が完璧に読めるようになるわけではありません。“one”や“two”のように、音と文字が一致しない単語もあります。
    そのため、視覚的な記憶や丸暗記も併用することが大切です。
  2. 子どもの性格や興昧によっては合わない場合も
    音のルールにあまり興昧を示さない子もいます。楽しい遊びの中で取り入れるなど、無理のない進め方がポイントです。

さいごに

Enjoy Phonics!♪

フォニックスは、英語を学ぶことの第一歩を“楽しい!”に変えてくれるとってもすてきな学習法だと思います。
ぜひみなさんにも、保育や英語活動の中でフォニックスを取り入れてみていただけたら嬉しいです♪

(MiRAKUU vol.51掲載)

なぎさ先生
  • 5歳よりシンガポール在住。
    イギリスのリーズ大学卒。
    シンガポールのUWC校にてIBディプロマ取得。
    フォニックス講師資格保持者。
    自身が英語の発音に苦労したことから、発音に興味を持ち、フォニックスアイランズの教材開発にたずさわる。長年シンガポールのインターナショナル幼稚園にてフォニックスの指導に関わる。日本でフォニックスを広めるべく奮闘中。一男一女の母。

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