2025.10.15
カリスマ保育士宣言!

幼稚園教諭・保育教材作家 近久 あゆみさん(おだんご先生)

カリスマ保育士宣言!Vol.29──幼稚園教諭・保育教材作家 近久

幼稚園教諭を目指したきっかけを教えてください。

6人兄弟で育ち、下の子の面倒を見る中で、子どもがいるのが当たり前の環境でした。小さい頃から「子どもって可愛い」「お世話が楽しい」という気持ちがありました。職業として意識したのは中学3年生の職場体験です。「これを仕事にできる」と思い、幼稚園教諭を目指しました。

「保育ドリプラ」にも参加されたのですね

はい。今年のプレゼンターとして9月に登壇しました。テーマは「保育を頑張る先生達に心と時間のゆとりを」です。教材を手段に、先生達が「これがあれば大丈夫」と安心感を持ち、一人ひとりの子どもに丁寧に関われる仕組みを作りたいと思っています。

保育ドリプラに挑戦した理由を教えてください。

SNSで発信を続ける中で「悩んでいます」という保育士さんからのDMがたくさん届きました。勤務時間外や休日に情報を調べ、自費で教材を購入する熱心な先生が多くいる現実を知り、「このままでいいのか?」と感じるようになりました。保育教材を園に導入できれば、そうした先生達の負担を減らし、環境を整える一歩になると考え、チャレンジを決めました。

SNSでも発信されているのですね。

自作の保育教材を発信しています。作っているのは、行事や保育のねらいに合わせて使える紙芝居です。読むだけで保育の土台ができ、子ども達が安心しワクワクできる内容を意識しています。教材の紹介のほか、遊びや製作のアイデアも発信しています。

始めたきっかけを教えてください。

1人目の育休中、復帰への不安を和らげるために、行事や出し物用の紙芝居やネタを作り貯めました。それが大きな安心材料となり、「この経験を他の先生にも届けたい」と2人目の育休中に本格的に発信を始めました。

今後の展望はありますか?

目標は教材を園に導入することです。単なる便利グッズではなく、新人教育や園全体のマネジメントにも役立てたいと思っています。保育は「見て覚える」という文化が根強く、人間関係がぎくしゃくすることもあります。教材を通して新人が成功体験を積み、周りに承認されることで「保育って楽しい」という気持ちが生まれる循環を作りたいです。
将来的には、私の教材が全国の園で使われ、小学校の教科書のように「どの園でも最低限の保育の質が担保できる」存在になれたらと考えています。

保育士を目指す方へメッセージをお願いします。

保育はとても素敵で尊い仕事ですが、理想と現実のギャップに悩むこともあります。それは、子どもの命を守る責任や専門性の高さが求められるからです。
だからこそ「子どもが好き」「保育って楽しい」という最初の気持ちを大切にしてください。その想いがあれば壁も乗り越えられます。目指している方も現場で頑張っている方も、最初の気持ちを忘れず保育に取り組んでください。私もそのサポートを続けます。

(MiRAKUU vol.52掲載)

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