保育士 ムーアみつきさん
保育士になろうと思ったきっかけを教えてください。
私は0歳から保育園に通っていたのですが、この保育園と先生が大好きで、また戻ってきたいと思ったのがきっかけです。子どもには戻れないので、保育士になって園に戻ってこようと思ったんですね。4歳ぐらいにはもう保育士になると決めて、ずっと夢を追い続けています。
なぜオーストラリアに渡ったのですか?
オーストラリアには4年前に来ましたが、その前にニュージーランドに2年間いました。日本で保育士をしているうちに海外の保育にも興味を持つようになり、中でもニュージーランドのテファリキという独特な教育方針が気になって、ワーキングホリデーを利用してニュージーランドに行ったのが発端です。
ニュージーランドでは保育士の資格がなくてもアシスタント保育士として働くことができるため、1年半ほど色いろな保育園で働きました。しかし担任として働くのは難しく、給料も低いため、生活は楽ではありませんでした。その後、オーストラリアで日本の資格を切り替えて保育士ができるとわかったので、オーストラリアに来ました。
日本と海外の保育園の違いはありますか?
海外の保育で大きく違うと思うのは“自分の心・体を感じる・知る”という部分です。海外では基本的に自由保育で、自分がしたいことを選んでする環境があります。その中で子ども達は自分自身を感じ、知る機会を得ているのだと保育をしていて強く感じます。そして、同僚達は自分の意見、思いをしっかり言葉にし、共有でき、自分を大事にしながら保育(仕事)をしています。“自分の心・体を感じる・知る”というのは子どもの頃に培うとても大事な力だと改めて思っています。
今後の展望を教えてください。
自身の経験から、オーストラリアの保育学校を紹介する仕事を始めました。オーストラリアの保育園でボランティアをして、そのままこちらで就職しても良いし、日本にオーストラリアの保育を持って帰ってもらっても良いです。ぜひ海外に興味がある保育士さんからご連絡いただければと思います。
また、私は日本で認可保育園を作りたいと思っていたので、将来はオーストラリアでファミリーデイケアをやりたいと思っています。実は一度チャレンジしたのですが、外国人だと色いろな条件をクリアするのが難しく、断念したんです。それから2年経ちましたし、私の状況も変わってきたので、長い目で見ていつか実現させたいというのが目標です。
読者の方にメッセージをお願いします。
日本の保育はとても素晴らしいです! 古くから受け継がれてきた伝統や文化を大事にしながら、新しいこともオープンに取り入れ、挑戦することも忘れないでください。
また、一人で抱え込まないこと。海外に出て一番感じたのはチームワークの大切さ。人それぞれ得意不得意があります。苦手なことは得意な人に任せてみる。悩んだ時は相談する。同僚を信頼し、お互い頼り、助け合いながら保育をしていってほしいと思います!
保育と子どもは本当に面白い! 子ども達の成長を支える保育士はとてもやりがいがあります! 子ども達のかけがえのない一瞬一瞬を大切に、日々保育士として誇りを持って、楽しんでほしいと思います。
(MiRAKUU vol.47掲載)