第4回 花育と五感──幼少期に五感を育てる重要性

こんにちは、花育講師のふさこ先生です。
このコラムでは、花や緑を通して子ども達の心や感性を育む“花育”の魅力をお伝えしていきます。
五感が刺激される体験としての花育

花育は、五感を使う活動です。視覚・触覚・嗅覚に働きかける効果があり、子どもが日常では得にくい“生きた感覚体験”を得られる活動でもあります。
生きた花の色を見て、質感に触れ、香りを感じる。これらの刺激は、脳の発達にも大きく関係しています。幼少期に重要なシナプスと関係があり、感情・集中力・記憶力が子ども達の10年後や20年後に影響を及ぼします。
特に現代はデジタル環境が増え、自然体験や感覚体験が不足しやすいと言われています。
香りにおいても、柔軟剤や人工的な強い香りなども増えていますね。
花育は、花という「本物」に出会うことで、子ども達が「感じる」機会を取り戻す役割を果たしています。
五感から生まれる情緒の安定と意欲
花に触れる時、子ども達は表情が柔らかくなり、落ち着いた姿を見せます。
これは花の持つ繊細さや香りが、安心感や慈しむ心をもたらすためです。
花は、丁寧に優しく扱わなければ、すぐに弱ってしまう存在。
子ども達は純粋なので「優しくね、生きているからね」と伝えると、まるで赤ちゃんに触るように接してくれます。その時、優しさや他者を思いやる気持ちが育ちます。
また、感覚刺激を通して情緒が整うと、どんな活動にも前向きに取り組む姿勢が生まれていき、ポジティブな思考づくりの土台ともなるのです。
センサリープレイ×アート

近年注目されているセンサリープレイ(感覚遊び)。
実は花育は五感を使った元祖センサリープレイでもあります。
それぞれの花びらや葉の質感、茎の硬さ、水の冷たさなど、多様な自然の刺激が子どもの感覚統合を促します。
子ども達にとって、本物の生命力あふれる花や緑に触れることは、貴重な経験です。
そして生命の美しさを感じながら、立体のアート制作を楽しみます。
花育をセンサリープレイの1つと捉えることで、感覚・学び・発達との関連性が深まり、保育園やご家庭でも取り入れやすくなると思います。
来月からは、いよいよ保育園でもできる簡単花育のご紹介編です!
ぜひご覧くださいね。
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フラワーハウスビオラ 花育講師
栃木県内で9店舗を展開する花屋の娘として生まれ、幼少期より花の仕事に携わる。
父は花屋経営者、母はフラワーデザイナー兼フラワー講師。保育現場では担任保育士、フリー、補助金関連事務など経験。
国内最大手保育企業に勤務、本部運営費にも精通。
その後、血筋・経験・資格を活かし花育活動を開始。
保育業界歴は10年目。
現在、東京・埼玉・神奈川の保育園や幼稚園で活動中。
来年度は栃木・沖縄へ展開予定。【資格】
保育士国家資格、フラワーアレンジメントデザイナー
【メール】
info@hanaiku-flower.com



