お掃除好き?きらい?~良いことしかない!? 掃除の向き合い方~
保育者の仕事は掃除に始まり掃除に終わりますね。毎日、保育者の皆さんが、清潔で安全な環境を整え子ども達を迎え入れている事と思います。私に関して身に覚えがある事なのですが、「掃除=雑用」と考えてしまうことはありませんか? 忙しい場合は尚更だと思います。新人は朝早く出勤をし掃除を済ませておく……という暗黙のルールがあった10年以上前のエピソードですが、前向きな気持ちでは掃除が出来ていなかった私です。今回は、生活の中では避けることのできない「掃除」を有意義な時間として捉えるヒントをお伝えします。
1人でする掃除・2人以上でする掃除
掃除を1人でする時、どのような思いで掃除をしますか? 時間内に効率的に掃除を終わらせたい!! 今日の流れを頭の中で考えながら…など、仕事の中での掃除は、「掃除とは別の事を考えながらの掃除」になることが多いですね。
1人で行う際、頭の中の独り言が始まりますが、「清潔な環境にする」という事に集中してみると色いろな発見があります。ある場所に子どもなりの宝物が隠されていたり、虫の巣を見つけたり子どもの世界を子ども目線で感じることが出来るかもしれません。
一方、2人以上で掃除する時は、お喋りをしながらという事が多いと思います。ある企業で伺ったお話ですが、毎朝特定のグループに分かれ10分間集中して清掃をするという事を行なっているそうですが、特定のグループで目標をもって清掃することで、何気ないおしゃべりの中から仕事のアイデアが出てきたり、チームワークが良くなったりと素敵な効果があったそうです。
この毎日続く時間に何か意味合いが見つけられる、掃除が楽しい時間になるかもしれませんね。
雑巾がけは良い運動!
雑巾がけは手間が掛かるからか、最近あまり見かけることがなくなりました。便利な道具で簡単に床掃除が出来ますので、子どもも家で雑巾がけをしている大人を見ることがないかもしれません。でも、子どもは、雑巾がけ大好きですよね!!(夢中で雑巾がけをしていると、進行方向が見えなくなり頭をぶつけることもありますので注意が必要です……)
・腰にかかる負荷の軽減
・肩回りの筋肉強化
・体幹の筋肉強化(お腹・背中)
など、良い事がたくさんあります。子どもに関しては、手・指の発達に関わってきます。手を大きく開く・握る事は、必要な動きを経験しないと身に付きません。
注意してほしい点は、大人も子どもも関節に負担をかけないこと。ゆっくり動くことで身体にやさしい動きになります。 雑巾がけをする際は、目線も低くなるので、「こんなところに埃が溜まっている!」といったような発見もあります。ぜひ沢山の気づきを楽しんでみてください。
お掃除は身体にも心にも
身の回りを清潔にすることは、身体と心の健康にも繋がっています。散らかっているスペースで生活していると頭の中も散らかっている状態だと言われています。こまめに整理整頓することで仕事を効率的に! というような事はよく聞きますが、これは、サラリーマンの言い分!! 子ども達は大胆に散らかすのがお仕事です。こまめに片づけていたら遊びが膨らみません。おもちゃ箱をひっくり返されると動揺する事もあるかもしれませんが、片付けのタイミングはここ! と決めて慌てずにできると良いですね。子ども達は、片付けや掃除すらも「あそび」として捉える力がありますので、片付けが終わったあとのさわやかな気分を一緒に楽しめますように。片付けが出来て「すごいね!」「えらいね!」ではなく、「きれいになって(私もあなたも)気持ちいいね!」というような声を掛けてあげられると、自分の為に片付けや掃除が出来るようになることと思います。
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保育者養成校教員 Yoga.ed トレーナー
Yoga Laboratory ~ 先生達のセルフケア研究会 ~ 代表
ホームページ: https://yoga-labo.tokyo/