2023.10.15
MiRAKUU対談

保育の未来を彩る~個性あふれる職員が語る福山市の熱意──広島県福山市保健福祉局

保育の未来を彩る~個性あふれる職員が語る福山市の熱意────広島県福山市保健福祉局/ネウボラ推進部保育施設担当部長 村上寿広さん、ネウボラ推進部保育施設課長 児玉明彦さん、ネウボラ推進部保育指導課長 村上洋子さん

保育施設と保育士のマッチングサービス

堀川:福山市が保育士確保に向けて取り組んでいる内容について教えてください。

児玉:今年度から、保育施設課内に保育士等の復職相談窓口を設置して、コーディネーターが保育士と保育施設をマッチングしています。

堀川:マッチングさせるコツってあるんですか?

児玉:子育て中の方や子育てが一段落ついた方がまた働きたいと来られることが多く、午前中だけや曜日限定など、時間の希望は様ざまです。そこを丁寧に施設のニーズと合わせた上でマッチングしています。また施設見学にもコーディネーターが同行します。お互いの状況を丁寧に聞き対応しているところが一番の秘訣だと思います。

堀川:なぜこういった取り組みを始めたのですか?

児玉:福山にも待機児童がいましたが、年々減って今年度ようやく0になりました。しかし、これはあくまでも国が定義する待機児童数で、実際は兄弟姉妹が別の施設だったり、自宅から遠い施設になったり、もしかすると預けることを諦めている方もいるのではと思っています。そういった方達に対応していくには、まず保育士確保が必要だということでこの取り組みを始めました。

堀川:この取り組みを始めてどんな反応がありましたか?

児玉:登録者からは、一番合いそうな保育施設を紹介してくれるのであちこちの施設で同じことを何度も言わなくて済む、コーディネーターや職員が丁寧に対応してくれて助かったという意見がありました。
先ほど時間を限定する求職者が多いと話しましたが、保育施設側にも午前中の2時間だけ人手が欲しいというような要望があるんですね。そういう細かい要望は保育施設としては他の求人媒体には出しにくいようなのですが、顔見知りの本市のコーディネーターには言いやすいそうです。
本市のコーディネーターは、各施設の状況を把握していますし、密に連携を取っているので、マッチングする割合は高いと思います。需要は十分にありますので、登録者をもっと増やして、保育士の確保ができればと思います。

村上(寿):保育施設も様ざまな媒体で工夫しながら求人情報を出していますが、行政が間に入ってくれるという安心感があるそうです。

対談風景

福山市のイチオシ子育てにやさしい「福山ネウボラ」

堀川:福山で働くメリットって何でしょう?

村上(寿):市外から来られた方には、住みやすい町だとよく言われます。ショッピングモールも多数あり、普段生活するにはとても便利です。30分も行けば海や山といった豊かな自然がある一方、大阪なら新幹線で1時間と都会に出るにも便利です。雨が少なくて気候が温暖、自然災害が少ないのも特徴ですね。

児玉:一時預かりや休日保育が充実していますので、とても子育てがしやすい町だと思います。また、身近なところで子育ての悩みを相談することができます。
子育て支援事業を各施設でやっていますが、特に特徴的なのは福山ネウボラですね。

堀川:福山ネウボラというのは具体的にどんなことをしているのですか?

村上(洋):ネウボラというのはフィンランド語で「アドバイスの場」を意味する総合的な子育て支援制度のことです。本市では、市の子育て支援施策全般を総称し「福山ネウボラ」としています。
福山ネウボラでは、総合相談窓口「あのね」を商業施設、公立保育施設、支所など市内13か所に設置しています。
平日だけではなく土日も利用できる施設もあります。「あのね」には看護職や保育士などの資格を持つネウボラ相談員がおり、子育てに関する様ざまな相談を受け、必要に応じ関係機関に連携を取るなど、妊娠期から子育て期まで、切れ目のない支援をしています。

ICT推進でより良い保育のまちへ

堀川:頼もしいですね。今後の展望を教えてください。

児玉:まずは保育士確保、コーディネーター業務を強化していきたいですね。それから、保護者からのニーズが高い要望を、どのように対応できるかを検討しています。1つは広域入所です。備後圏域の6市2町で市町境を超えて、柔軟に入所できるもので、これは既に話が進んでいます。ほかには病児病後児保育、医療的ケア児の対応ですね。これは病院や私立保育施設の協力が不可欠なので、関係機関の協力を得ながら体制を整えていきたいと考えています。

村上(寿):ICT化を進めていかないといけないと思っています。公立施設では一昨年から、登降園管理や連絡機能などをアプリで行うスマート保育を導入しています。保育士の負担軽減は、保育の質の向上や保護者への保育サービスの向上、さらには保育士確保にも繋がることなので、精力的に取り組んでいるところです。

村上(洋):スマート保育については、保護者から連絡が楽になったという声のほかにも、写真付きで子どもの様子がわかるようになり、家族の会話が増えたとか、単身赴任中の家族にも子どもの様子を共有できて嬉しいという声をいただいています。
保育施設からはシフト管理がとても楽になったという声のほか、業務の時短に繋がり、本来自分達がやりたい保育に集中できるといった声がありました。ICT導入と併せて自分達の職場を自分達で良くしていきたいという意識改革にも繋がっているようです。

堀川:最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

児玉:福山は公立や私立も含め色いろな特色を持った保育施設が多数あるので、働いてみたら面白いのではないのかなと思います。保育士の就労や子育てもバックアップいたします!

村上(洋):福山市の保育施設に共通しているのは、子ども一人ひとりを大切に保育していくという想いです。ICTをはじめ、働きやすさにこだわりを持って取り組んでいますので、ぜひ、福山市で保育士として一緒に働いてみませんか。連絡をお待ちしています。

村上(寿):2017年に福山ネウボラが始まり、どこの町にも負けない、子育てに強い、かつ、子育てにやさしい町になっていると思います。ぜひ、福山に来ていただき、福山で子育てをしていただけたら嬉しいです。その際はぜひコーディネーターを頼ってください!

(MiRAKUU vol.44掲載)

広島県福山市保健福祉局
  • (保健福祉局)ネウボラ推進部保育施設担当部長 村上寿広
  • (保健福祉局)ネウボラ推進部保育施設担当部長 村上寿広
    保育施設課と保育指導課の2課を統括。趣味は読書。
  • (保健福祉局)ネウボラ推進部保育施設課長 児玉明彦
  • (保健福祉局)ネウボラ推進部保育施設課長 児玉明彦
    私立保育施設の給付、子育て支援事業、入所認定、保育料・放課後児童クラブ利用料、施設整備などを担当。趣味はゴルフ。
  • (保健福祉局)ネウボラ推進部保育指導課長 村上洋子
  • (保健福祉局)ネウボラ推進部保育指導課長 村上洋子
    主に公立保育施設の運営。就学前施設の保育内容の向上をめざした研修会や安全対策講習会を開催。趣味は手芸。
    • 広島県福山市保健福祉局
福山市が就職応援金を給付します!(保育士等就職応援金給付事業)
■対象

2023年10月1日以降に福山市内の認可保育施設等で勤務(月80時間以上の勤務)を開始した人で、1年以上の勤務が見込まれる人

■金額

常勤職員 20万円
非常勤職員 10万円

※ 備後圏域(福山市を含む6市2町)外から福山市に転入して就職する場合は20万円加算