明日からの食事を見直したくなる目からウロコの食事対談:柏原幸代 × 近正宏光
女性が綺麗になれる食事のとり方を教えて下さい
近正:いま炭水化物抜きダイエットが流行っていますが、あれは痩せるのでしょうか?
柏原:痩せる人は痩せます。ただ、とても危険です。痩せるのがゴールならば、結果は出ます。ただ痩せ続けられるか、その後健康であるかというとNOです。
世間では炭水化物というと、米も小麦も蕎麦も一緒ですが、それぞれ食材として持っている力が違います。
例えば、米は体 を温める食材なので冷えにくい。米をしっかり食べていて冷え性の人はあまりいません。
逆に小麦は体を冷やしやすい食材です。朝食は圧倒的にパン食の方が多いのですが、冷えを感じやすい人の朝ごはんはパン食よりもごはん食がおススメです。ごはん食は、乾燥肌を潤い肌にする力もあるんですよ。
人間の体は食物だけで出来ているので、食べたものが自分になるんだという意識が大切です。栄養素やカロリーを気にするより、食べ物の質が大事です。
私は「食べ物の生命力」が大切だと考えています。「元気な食べ物」を食べないと、「元気な体」はできないと思ってください。自然の力で作られ加工の少ないものは生命力が強く、工業的に作られて加工の過程が多いものは力が弱い、とイメージしてよいでしょう。
食べ物はもともと命あるものです。いただく前に、その食べ物が生きていた時にいい環境で育ち、元気だったのかということ が、食べた人の元気や美しさにも直結します。
工場で作られた工業製品ばかりを食べている人は、イキイキと美しくはなりにくいと思います。
近正:なるほど。では食べる順番、野菜から食べて、炭水化物系は最初に食べないというのはどうでしょう?
柏原:三角食べを基本に考えましょう。食べ始めは準備運動として、みそ汁の具や野菜の付け合せなどから食べ始め、後はごはんとおかずを同時進行という昔ながらの食べ方がいい。
今は順番食べが流行り、ばっかり食べをする傾向ですが、複数のおかずに箸を動かしながら食べる。常にご飯とおかずという形で組み合わせ、口中調味をして食べ進めるのが和食の基本です。
近正:口中調味が出来るのは、日本人のいい食文化ですよね。味のないご飯といくつかのおかずを交互に食べる、これがとても重要ですね。
柏原:食事は基本1日3回ですが、その食事を美味しく幸せな笑顔で食べていると表情も豊かになります。忙しいと言いながら、適当に口に入れて食べるだけの人は表情が硬くなります。
美しさは内面から出てくるので、活きいきと人柄が良いという方が綺麗な人だと思います。
お米を食べることのメリット食材選びで知っておいて欲しいこと
近正:米の価値が日本で下がっているので、米を嗜好品化*できたらと思うのです。なるべくたくさんの米を試して好みの米を見つけて欲しいと思います。
新潟魚沼産の米が一番高いですが、同じ魚沼産でも真剣に作る人もいれば、農薬を使っている人など色いろいる。
だから場所も大事だけれど、誰がどのように作ったかということを知ってもらいたい。その上で買ってもらいたいと思います。美味しい米を食べてもらえれば、それだけでおかずも美味しくなると思うのです。
柏原:米を食べない分、おかずを食べていて、ひどい場合はおかずだけだったりする。おかずは加工品の量が多いので、おかずが倍になれば加工品の量も倍になる。米を食べることで、おかず比率が下がり余計なものが入るリスクが違ってくる。
米はほとんど加工のない自然食品です。収穫し脱穀して精製したらOKで、水を入れて炊いたら食べられます。
しかし菓子パンや麺類は工場で作られるものがほとんどです。だから、菓子パンや麺類を食べている人は、加工品比率がとても高い。菓子パンや麺類で添加物が入らないものは滅多になく、米食にするだけで余計なものが体内に入ることが激減します。
近正:こういう情報を販売者がディスクローズ(明らかに)しなければなりません。
例えば米売り場で、なぜこの米はこの価格なのか、他とどう違うのか、という情報がないのです。
消費者が選ぶ尺度がないのです。一部の人しか知らないことを、読者の方には、分かった上で食品を選んでいただけたらと思います。
柏原:食べ物に関していえば、基本的に便利なものや安いものには理由がある。便利さ、安さのリスクが伴っていることを知った上で、上手に使い分ければ良いと思います。
*嗜好品化:栄養をとるためでなく、その人の好みによって味わい楽しむ飲食物。茶・コーヒー・タバコ・酒など。
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一般社団法人日本健康食育協会 代表理事 柏原 幸代
日本健康食育協会代表理事 管理栄養士。
子どもから高齢者、アスリートや女優まで2万人以上の食サポートの経験から、目からウロコと評判のメソッドを確立。
「お腹からやせる食べかた」(講談社)を6 月に出版。一般社団法人 日本健康食育協会
〒160-0006
東京都新宿区舟町8-2 石橋興業舟町ビル3階
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越後ファーム株式会社 代表取締役 近正 宏光
1971 年新潟県生まれ。
2006 年に農業生産法人・越後ファームを立ち上げ、新潟県東蒲原郡阿賀町を拠点に米作を開始。
日本橋三越本店にて米穀販売店「越後ファーム 田んぼネットワーク」を構え、農業の「6次産業化」の実践者として注目を集めている。越後ファーム株式会社 東京事務所(販売)
〒160-0023
東京都新宿区西新宿1-23-3