2018.10.15
保育園訪問【雑誌掲載版】

株式会社コビーアンドアソシエイツ(本部オフィス)──子どもの才能を伸ばし、必要な能力をつけるための環境を提供する

子どもの才能を伸ばし、必要な能力をつけるための環境を提供する──株式会社コビーアンドアソシエイツ(本部オフィス)

貴園について教えてください。

株式会社コビーアンドアソシエイツ 代表取締役:小林照男さん

コビーが目指しているのは、感動の輪を広げるということです。質の高い保育とは「感動がある保育」だと考えています。保育の質は保育者に依存するので、保育者自身の自己実現ができなければ良い保育はできません。子どもが何かをできるようになり喜びを感じる瞬間、自身の成長を感じて喜びを感じる瞬間、そんな感動の機会をたくさん作っていこうと。子ども達の感動はご家族にとっても感動となります。そして、その感動は保育者に跳ね返り、やりがいや仕事の喜びを感じることができるのです。
また、社会環境が変わっていく中では保育環境も変わっていかなくてはいけない。そして、保護者の多様なニーズに応えられているかという問題もあり、これらを改善していった結果、今のコビーがあります。

園共通の保育やプログラムはありますか。

異年齢児交流保育と年齢別保育の良い部分を組み合わせた独自のマトリクス保育を行なっています。異年齢児交流保育では、リーダーシップや相手の状況について理解する能力、コミュニケーション力や思いやりの心を育みます。年齢別保育では、発達段階ごとに必要なしつけや基本的な生活習慣を学びながら、創造性や芸術性、知的能力、運動能力などを開発します。
他に共通するのは「本物」にこだわるという部分です。たとえば、食器はガラスや陶器を使っています。乱暴に扱うと壊れてしまうということをきちんと子どもに伝えることで、大切に扱うようになるのです。とかく「子どもだから」という感覚になりがちなのですが、「子どもだからこそ」ごまかしてはいけないと考えています。

ICT 保育を導入しているそうですね。

ICT 保育

ICT 保育は2013年に3園で試験導入し、現在5園で実施しています。空を見て雲が動いているかどうか疑問に思った子ども達が、自らタブレットで空の動画を撮り、その映像をアプリを使って早送りして、雲が動いていることを体感する。そういったことを自然に子ども達が始めています。
私達が常に意識しなければいけないのは、未来を生きていく子ども達にとって必要な能力や体験は何なのかということ。その中の一つにICT があると思っています。ICT 機器ははさみと同じです。はさみは刃物だから危険ですが、正しいはさみの使い方を教えることで子ども達は使いこなせるようになります。ICT 機器も同じで、使い方を間違えれば非常に危険ですが、正しい使い方を知れば有効なアイテムなんです。ただの遊び道具ではなく、何か新しいものを創造したり、コミュニケーションの幅を広げたりする便利な道具であることを、体験を通じて知ってほしいのです。
ICT 保育を取り入れる際に注力したのは、今までの保育を削ってはいけないということです。
たとえばお絵描きをするのに小さい子がクレヨンを使うのは、筆圧をつける目的もあります。クレヨンの使い方を経験して習得し、鉛筆を使えるようになります。タブレットで絵は描けますが、このようなプロセスは経験できないので、代替してはいけないんです。ただ、画用紙に描いた絵を消すのは難しいため、なかなかクレヨンが進まないお子さんもいます。お絵描きアプリを使えば簡単に消せ、描いた順番を動画で再生し、皆で共有することもできます。そこでアプリを使ってのお絵描きもプラスすることで、間違っても大丈夫だと、思い切り描けるようになる子、お友達の考えも取り入れ表現の幅が広がる子もいました。
代替ではなく付加することで、より良い保育につなげることを目指しています。

毎年行われるCOBY SUMMER ADVENTURE(CSA)はどういうものなのですか?

COBY SUMMER ADVENTURE(CSA)
※こどもの王国「保育・教育方針」~8つの大切~

CSA は大自然の中で行うお泊り保育です。大自然の中で子ども達は当たり前のように魚を捕まえて焼いて食べたり、山の中を歩き回ったりするのですが、ただワイルドな体験をするだけでなく、実体験の中で問題解決の方法を学びます。主体的に自らの行動を考え、決められるような仕組みを考えています。
今年はe ラーニングを組み込みました。たとえば「この写真と同じ山を探せ」といったミッションがあって、タブレット上にいくつか並んでいる山の写真の中から実際に見たものを選ぶ。すると「男体山は標高何m の山で」という解説を見ることができるといったものです。大自然体験に加え、タブレットを持っているとそこに有効な情報が入っていて、それを通じてさらに冒険をし続けられるというカリキュラムになっています。e ラーニングを幼児教育の世界で使うのは、日本では非常にめずらしい取り組みだと思います。

CSA のムービーは完成度が高いですね!

CSA 2018予告編動画はこちらより
↑CSA 2018予告編動画はこちらより

これらは全て保育士が作っています。予告ムービーの他、活動のミッションを告げるムービー、活動報告ムービーもあります。子ども達はこれらの映像を見て興奮し、CSA から帰ってきて保護者の方に感動体験を話します。そして保護者の方から保育士に反応が、感動が返ってくるんです。中途半端に取り組んでいては、そうはなりません。真摯に全力で取り組んだからこその反応です。それだけのものを作るのはすごく大変ですが、結果的にこの仕事をやって良かったと思える瞬間でしょう。
ムービーは、カメラや撮影が好きな保育士が特技を活かしています。他にも大学時代よさこいを踊っていた保育士は園でよさこいを教えていますし、それぞれが得意なことを活かして働いているというのもやりがいの一つになっていると思います。
人を育てる仕事では、やりがいや実感を持つことで仕事を続けていける、成長していけるものだと思います。研修制度があるのは当たり前。私達は、仕事に対するやりがいやプライドを作れる環境や、保育士自らが自然と成長していける仕組みをどうやって用意するかを考えなければいけないと思います。

ここで育った子ども達に将来どうなってほしいですか?

子ども達が将来、色いろな力を発揮できるような、総合的な生きる力を持つ人になってほしいです。未来を切り開くのは自分自身ですから、その土台を私達がどれだけ作ってあげられるかを考えています。

コビープリスクールといえば○○というと?

「保育士」です。「感動」というのが大きなキーワードになるのですが、その感動を作るのは現場の保育士ですから。

株式会社コビーアンドアソシエイツ(本部オフィス)

コビープリスクール

住所

〒153-0051
東京都目黒区上目黒5-5-8

連絡先

TEL:03-6452-3891 FAX:03-3714-2570
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