2022.03.07
保育園訪問【Web限定版】

キッズパートナー駒込園──今までの「当たり前」を全職員で客観的に検証し時代にマッチした保育を目指す

今までの「当たり前」を全職員で客観的に検証し時代にマッチした保育を目指す──キッズパートナー駒込園

ICTを積極的に活用されているとお聞きしました。詳細についてお聞かせください。

キッズパートナー駒込園 園長:野澤真紀さん

当グループではタブレットを1施設に10台前後支給しています。導入しているICT では登降園についても一括で管理と確認ができ、先生達と随時情報共有も行えるようになっています。当園では朝礼と昼礼を廃止し、誰がいつ情報を配信したか、誰がいつ確認をしたかがわかる園内連絡機能を活用し情報共有を行なっています。お知らせやクラスだよりについても紙では配布せず、システムを使用しています。こちらについてもどの保護者が読んでどの保護者が読んでいないか確認できるようになっているため非常に助かります。

また、導入したことで職員の働き方改革にも繋がっています。保育士はこれまで休憩がない、持ち帰り作業が多い、ということが当たり前の業界でしたが、そんなアナログな作業を解消し、なるべく子どもにかける時間を増やしてもらえたらと思っています。職員の気持ちがリフレッシュすることで集中力を高めることもでき、事故やけがの防止にも繋がると考えています。

システムを導入しようと思ったきっかけは何ですか?

キッズパートナー駒込園:ICT

機能自体がとても分かりすく携帯アプリとさほど変わらないため抵抗なく使用できました。紙で管理するとなると膨大な量の情報についても、システムだと一括で管理できます。昔は紙で配布する温かさというのもあったのかと思いますが今はそういう時代ではなく、保護者にとっても通勤電車の中でも入力できますので、だいぶ負荷軽減になったのではないかと思います。

負荷を軽減できる部分は軽減し、職員が本来力を入れるべき部分に集中できるように、保育業界の当たり前をもう一度見直して働き方を改革できたらと思っています。システムを使いこなすことによって最近ではノーコンタクトタイムも取り入れることができ、職員が子どもから離れて作業する時間の確保ができています。保育士は子どもが大好きであることはもちろんなのですが、それだけでは子どもの安全は確保できませんし職員自身の精神面も保つことはできませんので、継続してシステムを活用していきたいと思っています。

翻訳機も導入されているとのことですが、詳細についてお聞かせください。

当園では海外の保護者も日本語が堪能なため、ほとんど使用しておりませんが、地域によっては海外の保護者が多いエリアもあるため、グループ系列全園に”POCKETALK“が支給され、言語対応に困ることがないように体制を整えています。

Amazon Hub の設置について経緯をお聞かせください。

実は設立当初、近隣から歓迎されてできた園ではありませんでした。まずは近隣と良好な関係を築くためにも少しずつでも地域へ貢献していけたらという思いで、近隣の方にもご利用いただけるようにAmazon Hub を設置しました。また、園で園児達がどういうものを食べているのか保護者の方に知ってもらうという目的で、2022年3月に当園で利用している野菜農家さんの直売会を企画しています。ゆくゆくは近隣住民の方とコミュニケーションを取っていけるような場にもしていきたいと考えております。

保育の質を上げるために行なっていることはありますか?

キッズパートナー駒込園:職員

毎月園内研修を行なっていることと、キャリアアップの制度も積極的に取り入れています。また職員同士で協力し合い全員が受講しやすい風土を作ったり、職員間のコミュニケーションが円滑になるよう良い雰囲気づくりに努め、園長が常駐している事務室にも入りやすくしています。

他には、全職員参加の保育を意識しています。飼育物についても、今クワガタを飼育しているのですが、子ども達に死ぬ姿を見せないで逃がすのか、死を受け入れ最後まで飼育するのか、職員全員で議論して決めるようにしています。

現在、ウーパールーパーも飼育しており、名前は保護者公募を行い、「うーこま」と決定しました。子ども達も朝と帰りに観察するのを楽しみにしています。

食育の取組みについて教えてください。

コロナ禍であっても、できる限りのイベントを行なっています。現在は衛生面から子ども達が作ったものを子ども達自身で食べることができない状況なため、作ったものと同じものを給食で出すようにして、子ども達には作って食べる楽しみを味わえるような工夫をしています。また好き嫌いについても、嫌いなものを無理に食べさせることはせず食べるか食べないかは子ども自身に決めさせるようにしており、友だちが美味しそうに食べているから自分も食べてみようかな、となってくれるのを待つようにしています。

キッズパートナー駒込園独自のカリキュラムについて教えてください。

幼児クラスは体操、あとは全園児に英語教室があります。外部から専門の講師を招き、各年齢に合った内容のレッスンをしています。専門の講師に任せられることは任せ、保育士は、人として当たり前のことを子ども達に根気強く教えてほしいので、友だちとの関わり方、お散歩に行った際の交通マナーなど日常生活の色いろを伝えてもらうようにしています。

この園で育った子ども達には将来どのようになってほしいですか?

否定でも肯定でも構わないので、自分のことを自分自身で決めることのできる子になってもらえたらと思っています。

今後の目標について教えてください。

普通に行事が出来る事を切に願っています。昨年コロナ禍で開園したため、運動会、遠足、発表会などの行事が未だ行えていません。なので、子ども、保護者、職員のためにも、まずは普通に行事を行えることが直近の目標です。

キッズパートナー駒込園:子ども

また、近隣との関係を深めながら地域活性に寄与していきたいと考えています。当園は園庭が無いため、近隣(隣の中学校)からお声がけいただき体育館やグランドなどで遊ばせてもらったりしていますので、そういうご縁に応えていきたいです。

あとは、「子ども主体」をみんなが理解し、同じ方向を向くことも目標です。自分で決めていることなのか、単にわがままなのかを、子ども達自身にも理解させる機会をつくりたいと思っています。「当たり前」についても再度考えてみることが重要で、我われ保育者の「当たり前」は保護者にとっての「当たり前」ではないということをよく職員間で話します。なぜなら、これまでの保育現場の「当たり前」が、そのまま残っていると感じているからです。この部分についても再考していきたいと考えています。

キッズパートナー駒込園といえば〇〇。この〇〇に入る言葉は?

「無理強いしない」です。子ども達にはもちろんですが、職員にもそうしています。例えば、ピアノが苦手な職員には無理に弾かなくていいと伝えています。ピアノを弾くことが絶対ではないからだと考えるからです。あと、当園では園児の制作物についても無理強いしません。本来であれば、子どもがやりたくなった時に作りたいものを作ることが本当の制作だと思うので、作らせたいのであれば、作りたくなるような仕掛けを保育の中で考えるべきだからです。このあたりについては事前に保護者にもきちんと説明してご理解いただくように心掛けるようにしています。

キッズパートナー駒込園

キッズパートナー駒込園

住所

〒170-0003
東京都豊島区駒込4-4-9

アクセス

より徒歩6分

開園時間

15〜19:15

連絡先

TEL:03-5980-9130 FAX:03-3949-3731

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