2019.01.15
保育園訪問【雑誌掲載版】

三愛幼稚園──人間として思いやりのある心を持った人に育ってほしい

人間として思いやりのある心を持った人に育ってほしい──三愛幼稚園

三愛幼稚園について教えてください。

副園長:佐藤麻子さん

三愛幼稚園は昭和54年に創立しましたが、そこが外環道の用地だったため、平成11年に移転してきました。移転したとはいえ、親になりお子さんをここに通わせてくれている卒園生や、この幼稚園の先生になっている卒園生がおり、長く地域に愛されている園だと思います。
園の特長は、子どもがのびのびと活動できる広い園庭と緑豊かな環境です。その中で花が咲くのを見たり、なった実を食べて季節の変化を肌で感じたり、動物と触れ合うことで優しい気持ちを育てていったりして、子ども達がこの時期にしか育めない情緒を育てていきたいと思っています。
音楽や図画工作など、特定のカリキュラムに特化はしていません。一通りのことを身に着けていって、小学校へ進学させてあげたい。そして、一通りのことをする中で、その子が光るものを見つけ、保護者と協力して伸ばしてあげたいと考えています。

園庭で動物を飼われているそうですが。

三愛幼稚園

今は、ポニー、犬、ウサギ、カメ、コイ、クジャク、小鳥などを飼っています。代々色いろな動物を飼っていて、ヤギやワラビーがいた時もありました。ポニーは温厚なので幼児にはぴったりで、長年飼っています。
子ども達は、動物を見るとキラキラするんですよ。入園したばかりの年少さんは、大泣きで幼稚園に来る子もいます。そういう子に人参を持たせて、ポニーの所に行って「これあげてごらん」と言うと、ぴたっと泣き止んで「お馬さん食べたねぇ」とニコニコするんです。それで気持ちが切り替わって、幼稚園が楽しくなって、毎日ポニーの様子を見に行くようになるんですよ。
実は、園庭に馬の通路があるんです。子どもが遊びながら、馬の様子を色いろな所から見られるんです。ポニーも名前を呼ぶとやってきますよ。ずっと小屋に繋がれっぱなしではかわいそうですし、子ども達にとっても常に身近に動物がいるという環境は良いと考えて作りました。
前理事長が動物好きで、動物と関わるということにすごく意味を感じている人だったんですね。優しい心を育てるというのもそうですが、都会に育っているからこそ自然を感じてほしいと思っています。
今の子って、ちょっと虫がいるだけで大騒ぎなんです。部屋にハエが一匹入ってきただけでも怖がったり、動物の糞を見て臭い臭いと言ったり。でも、虫がいるのも、動物の糞が臭いのも自然なことですよね。馬糞を肥料として畑にまくと、いい野菜ができます。単に糞が臭いというだけではなく、そんな自然の循環を見て感じてほしいと思っています。

建物の特長を教えてください。

約2,800坪の敷地に広がる園庭や園内はまるでテーマパークのようです!

「健全でたくましい子を育てる」という教育目標があるので、体を動かせる環境を整えており、広い園庭の他にも大きなプールや、雨の日でも子ども達が自由に駆け回って遊べるように広いホールがあります。教室も、学校教育法では一部屋55平米以上と決められていますが、子ども達がのびのびと活動できるようにすべての部屋を70平米以上にしてあります。
また、あえて子どもがある程度の不便を感じる造りにしています。階段を下りれない子や、這いつくばるようにして上る子が増えてきているんです。そういった、階段を上り下りするというような日常動作を自然とできるようになるような空間作りをしています。
幼稚園のシンボルとして塔があるのですが、これは自分が住んでいる土地を見てほしいという気持ちから建てられました。自分の家を探し、市川の広さを感じ、遠くは富士山まで望む。子どもが大きくなってから「あの塔の幼稚園に行った」と思い出したり、話したりしてくれたら嬉しいですね。

ここで育った子ども達に将来どのようになってほしいですか?

立派な社会人として頑張ってほしいということと、人間として思いやりのある心をしっかり持った人であってほしいですね。この幼稚園の中では、楽しいこともいっぱいあるけれど、頑張らなくてはいけないこともたくさんあります。色いろな行事の中で様ざまな経験をして乗り越えていって、小学校へ行っても、大人になってからも、自信を持っていってほしいと思います。卒園児が小学6年生になると、同窓会で幼稚園に集まるのですが、何かしら目標を持って頑張っている子がすごく多いんです。私達の気持ちが教育を通して伝わっているのだと感じ、嬉しく思います。

今後の展望を教えてください。

時代は変わっていますし、保育について色いろなことを言われていますが、変わらないものはあると思います。英語などの、お勉強的なことのニーズは確かにあります。しかし、何が一番大事かというと、子ども達が自発的に遊んだり、自発的に生きていくことだと思うんです。言われたことができるのではなく、自分で考えてできるということがすごく大事な時代になっていくので、そういった変わらない部分を大事にして子ども達を育てていきたい。待機児童解消にしても、親の都合が第一で子どもの環境をないがしろにしている部分があるように思います。だからこそ、子どもにとって何が一番大事なのか、この時期に大切なものは何なのかということを、私達は常に考え、保護者に伝えていきながら守っていきたいと思っています。この環境を有効に使っていきたいです。

三愛幼稚園といえば〇〇というと?

元気と笑顔ですね。園庭解放などで子ども達がこの幼稚園に来た時、わっと笑顔になるんですよ。やっぱりこの自然があって、遊ぶところがいっぱいあると、「楽しそう!」と思うんでしょうね。その笑顔を見て、保護者の方もこの幼稚園を選んでくださっているんです。

三愛幼稚園

三愛幼稚園

住所

〒272-0833
千葉県市川市東国分1-20-12

アクセス

JR総武線 市川駅北口3番バス停より国分経由バス乗車 国分バス停下車徒歩5分

開園時間

月~金 8:30~14:10、土 8:30~11:40

連絡先

TEL:047-373-7272 FAX:047-373-7111
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