エクレスすみれ保育園──自分でできることを信じて能動的に対応できる人になってほしい
エクレスすみれ保育園について教えてください。
エクレスすみれ保育園は平成24年4月に横浜保育室として駅前のビルにオープンしました。その後、待機児童解消加速化プランに則って考える中で、今の場所に移転し認可保育園となりました。
母体の学校法人の理念として「建学の精神」があり、教育方針として「楽しい教育」というテーマがあります。モンテッソーリ教育を取り入れ、自立することを中心に保育を考えています。
モンテッソーリ教育とはどのようなものですか?
たとえば、箱からティッシュを引っ張りだすことを覚えた赤ちゃんは、掴んで引っ張るということを夢中で行います。しかし、大人は後が大変だからやってほしくない。そこで、ティッシュに代わる、掴んで引っ張るという技術を思う存分使える環境を用意しましょうと。これがモンテッソーリ教育の考え方です。
モンテッソーリ教育では、すべての子どもは『自分で成長する力』を持っていると考えています。散歩に行く時、子どもが靴を履けないから、履くのが遅いからと毎回大人が靴を履かせてしまうと、3歳になっても『靴を履く』という経験を行なってこなかったので、靴を履けないということになってしまいます。そのように成長の芽を摘むことなく、成長する力を伸ばすために、子ども達にどのように接したらいいかを日々考え、保育を行なっています。
先生の教育にはどのように力を入れていますか?
新規職員には、入職前に5日間現場保育をしてもらいます。内容は色いろですが、必ず行っているのが公園見学です。入職したばかりだと、公園のどこに何があるかを知りません。しかし、何がどこにあるのかも危険個所もわからないというのは危ないですし、先生も不安なので、入職前に知ってもらうようにしています。歩きながら職員の交流もできますし、新人研修としておすすめです。
入職後は、保育業界では珍しいと思いますが、OJT(※)を行なっています。現場に即したチェックリストを作り、OJT をする側、受ける側双方が、知識や技術がきちんと伝わったか、受け取ったかの確認・評価ができるようにしています。
保育園業界では、見て覚えるという文化が強く、できないと「動けない人がいる」という評価をされてしまうことがままあるのではないでしょうか。しかし、それは知らないから動けないだけで、知っていれば動けるんです。それならば、知るためにはどうしたらいいかを考え、基本となるチェックリストを作りました。教える側も、何をどう教えたらいいかわからないというケースもあるので、リストを見れば何が必要かわかるようになっています。
「今の若い子達は……」といつの時代になっても言われますが、それは時代が変わっているからです。たとえば僕達40歳前後は様ざまな電子機器が台頭して消えてまた生まれて、という世代。今の若い子達は、生まれた時からPCや携帯、スマホが当たり前にある世代なんです。身の回りにあるものがこれだけ違うのだから、教育や価値観が違うのも当然です。自分の世代で当たり前のことも、違う世代ではそうではないかもしれない。そもそも、その当たり前は本当に当たり前なのか? そういうことを考えながら、園として「これが大切だ」というものを作り、伝えていかなくてはいけないと思っています。
そして、伝えるには、できるかぎり可視化し、具体性をもって提示するようにしています。「なんとなくわかるであろう」という意識で食い違いが起きることのないよう、とにかく見える化を心がけています。
ここで育った子ども達に将来どのようになってほしいですか?
自立した人です。自分でできることを信じて、能動的に対応できる人になってほしい。
0~3歳というのは、建物で言えば土台、基礎部分のまったく見えない部分です。しかし、たとえ上にどんなに良い建物を作っても、ここがしっかりしていないとちょっとしたきっかけで建物が崩れてしまう。だからこそ、自立と愛情という土台をしっかりと作れるよう接しています。それが結果的にその子がその子らしく輝ける将来に繋がっていると思います。
今後の展望を教えてください。
園が在り続けることを常に考えていきたいです。横浜市は待機児童の問題がニュースになっていますが、定員割れが始まっているところもあるんです。ここ都筑区もピークは過ぎているので、在り続けるにはいかにして選ばれる園にするかが問題になってきます。
すみれ保育園の特色は「恵まれた環境」。幼稚園が隣にあり園庭を使えるなどの物的環境と、子どもを急かさず待てるという人的環境です。これらを強みにした園を作っていくために、定員や予算、システムを考え組み立てていきたいと考えています。
どんなに良い教育方法を入れたとしても、それを実行する先生が笑顔でやっていなければ意味がありません。先生が120%力を発揮することができ、笑顔になれる仕組みを作ることで子どもも笑顔になると思っています。そういった良い循環を作っていくことが何よりも大切で、それが園長の役目だと考えています。
エクレスすみれ保育園といえば〇〇というと?
「温かい」ですね。園舎は一面が全て窓ガラスになっていて、自然な光が入り明るい温かさがあります。先生も大きな声を出さず、子ども達を急かさずに待ちますし、そういった意味でも「温かい」と思います。実際、第三者評価や先生、実習生の感想でも、すみれ保育園は「温かい」という声があがっています。
エクレスすみれ保育園
住所
〒224-0063
神奈川県横浜市都筑区長坂7-15
アクセス
横浜市営地下鉄グリーンライン センター南駅より徒歩17分
横浜市営地下鉄ブルーライン 仲町台駅より徒歩21分
開園時間
月~金 9:30~19:30、土 7:30~18:30
連絡先
TEL:045-941-8600 FAX:045-941-8601