2019.10.15
保育園訪問【雑誌掲載版】

株式会社マミーズファミリー──自分を大切にし、周りを大切にし 日本一ハッピーな保育を

自分を大切にし、周りを大切にし 日本一ハッピーな保育を──株式会社マミーズファミリー

マミーズファミリーについて教えてください。

代表取締役:増田かおりさん

マミーズファミリーは、1時間から理由を問わず預かる託児ルームとして開設し、創立25周年を迎えました。最初は美容院の3階を間借りしてのスタートでしたが、今では南は宮崎、東は千葉・埼玉まで、1対1のベビーシッターから120人の認可保育所と、保育事業全てを行なっています。

企業理念は「私たちは人が好きです。私たちは人との関わりを原点とし、認め愛、育ち愛、伝え愛ひとりひとりの人間性を高め、必要とされる人、会社である。」なのですが、今一番伝えたいのが「関わりを原点とし」の部分です。これは、ダニエル・キム博士の組織論における成功循環モデルで、関わり──信用・尊重──からスタートすると、プラス思考になり、自発的に行動するようになり、結果上手くいくというスタイルです。逆に、あるべき結果からスタートすると、上からの一方的な指示命令になり、関係は悪くなり、結局結果が悪くなるのです。
実は、結果からスタートしていた時期があり、保育理念に沿うためにはどんな思考を持ち行動をすべきか? という研修をしていました。けれど、自分も周りも辛く、これは違うなと。そもそも私達の保育の考え方が「子どもに寄り添う」「主体的に」なのに、それを行う保育士を管理型経営でコントロールしようとするというのはおかしいですよね。それで、響働経営というスタイルに舵を切ったのです。

「響」働とは、具体的にどういうことをしているのですか?

本当は協働なのですが、それをさらに発展させ、一人ひとりがワクワクしながら保育をして、一人から二人、二人からみんなに響き合い繋がっていくということで響働。一人ひとりの素晴らしさを尊重し、心が響き合う保育所でありたいのです。
人というのは「見つける」という信号が入っていないと気づけないものです。特に保育士さん達は真面目なので、自分が「やりたい!」ということを信号として入れておかないと、人のためばかりになりどんどん自分をすり減らしてしまう。だから、まずは自分を大切にする。保育の仕事をする前に、まず自分がやりたいこと、在りたい様を確認しようと考えました。マミーズファミリーでは、会社の事業計画などが書かれた「未来手帳」を全員が持っています。それには「夢のマスターリスト」というページがあり、自分のワクワクすること、やってみたいことを何でも書きます。そして、それを叶えていく。夢が叶うことで幸せになり、自分だけではなく周りをも幸せにしていくことができるのです。
あるスタッフの勤続20年のお祝いをした時、ここで働いて夢を実現することができ、いつも子ども達に囲まれて本当に幸せですという手紙をもらいました。こんなに長くマミーズファミリーで働いてくれた人が、心から幸せだと言ってくれることは、経営者として感無量です。

保育で力を入れていることは何ですか?

園での様ざまな体験を通して子どもの感性を育みます★

乳児保育では育児担当制を取り入れています。食事・睡眠・排泄・着脱などの基本的生活習慣に関することは決まった人がすると、愛着関係が結ばれるというメソッドがあります。愛着関係、信頼関係があると、子どもも見通しがたって、自立しやすい。一人ひとりを大切にし、「僕って生まれきて良かったんだ」「私って大事にされているんだ」を育てています。
それから、感性を育てるという観点から、園にテレビ・ビデオを置いていません。壁面構成も一切していません。その代わり、絵やお花を飾ったり、わらべ歌を歌ったり、絵本や紙芝居をしています。遊びでは、環境設定保育といって、子どもがすぐ遊べるように、既存の遊びのコーナー、構造遊びのコーナー、ごっこ遊びのコーナーなどを年齢に合わせて用意しています。ほとんどが木製家具と木製玩具で、木のぬくもりがある中で保育をしています。
食育では、食べる意欲を育てるようにしています。たとえば、食器は砥部焼(とべやき)で、取手の付いていないものを使っています。取手があるコップだと振り回したりして遊んでしまうのですが、取手がついていないと自然と両手で湯のみを持ち、両手で食事をするのです。大人がガミガミ言わなくても、子どもが自分で「食べたい!」と思う環境を用意することで、子どもの食べる意欲を刺激するのです。

先生の質の向上のために行なっていることはありますか?

入社時は、安心して仕事ができるようにするために時間をかけてオリエンテーションをしています。その後、困った時に相談したり、動画レッスンを一緒にしたりするバディと呼ばれる少し上の先輩が付き、3か月間で自分でできるようになる体制を整えています。
また、Off-JT(※) の一つとして、動画を用意しています。オムツの替え方、食事の仕方などの動画があり、子どもと良い関係をつくる「保育のきほん」のヒントがあります。慣れないうちは現場で動画を見ながらできますし、家でも復習ができます。他の保育園で経験したとしても、育児担当制の昼間のお母さんということが伝わるように、入社時は見てもらうようにしています。

※Off-JT(Off theJob Training) 実際の仕事から離れたところでの育成。
マミーズファミリー

保育の質を上げるためにはキャリアパスプランを用意しています。成長対話という面談が年2回あり、本人のどうなりたい、どうしたいという希望を基に、対応した研修を選べます。他に、斎藤公子保育を行なっている保育園や、育児担当制を取り入れている保育園に定期的に視察研修に行かせてもらっています。この視察研修は、保育士が一番成長する機会になっています。

ここで育った子ども達に将来どうなってほしいですか?

自己肯定感にあふれ、生きる力の強い子どもになってほしいです。自分で判断し自分で考え主体的に行動する意欲のある子。自分がやりたいことを努力して成す、人と協力しながら成すなど、その源は人に言われてではなく内側から沸き起こる意欲だと思います。私達はそれを育てたいのです。

今後の展望を教えてください。

日本一お母さんを元気にして、お子さんを日本一かわいがり、日本一ハッピーな保育をするというビジョンがあります。保育所を何か所にしよう、売り上げをいくらにしようという業績軸ではなく、関わった人達が幸せだなあと思う幸せ軸で成長したいです。

マミーズファミリーといえば○○というと?

「昼間のお母さん」。育児担当制で、乳児の担当の保育士は赤ちゃんを育てるお母さんで、調理師のスタッフはご飯を作ってくれるお母さん。遊んでくれるお母さん、見守ってくれるお母さんetc ……。お母さん達の家族がマミーズファミリーなのです。

株式会社マミーズファミリー

株式会社マミーズファミリー

住所

〒160-0022
東京都新宿区新宿1-3-8

連絡先

TEL:03-6273-0734 フリーダイヤル:0120-194-041
ホームページ