Picoナーサリ玉川上水公園──動画やオンライン保育を活用し子どもと家庭をサポートする
Picoナーサリ玉川上水公園さんについて教えてください。
Picoナーサリ玉川上水公園は0~5歳児をお預かりする定員46名の中規模保育園です。特長は、玉川上水緑道という都立公園内の保育園というところです。園も公園も4月にスタートの予定だったのですが、公園の工事が遅れてしまって、保育園だけ先にスタートすることになりました。
公園内保育園ということで、建物の特長はありますか?
玉川上水公園では、公園がうまく一望できるような設計にしてあります。反対に、公園からのビューも素敵に見えるよう考えてあります。隣に公園はありますが、自園の園庭も作ってあります。園庭は屋根付きになっていて、公園で遊べない雨の日でも砂場や遊具で遊ぶことができます。屋根は透明なので、空が見えるんですよ。園庭からはすぐ公園に出られる動線を作ってあります。公園に直結しているというのがこの園の特長ですし、実際に子ども達の健やかな成長にも良いと思うので、公園を上手に利用していきたいですね。
また、公園の横に微妙なスペースが残っていたので、そこを買い取って農園を作っている最中です。そこで色いろな植物を育てたり、採れた野菜を子ども達と一緒に調理しようと考えています。
建物としては、全部の保育園を同じ設計士が設計しているので、雰囲気は似た感じになっています。他園にもありますが、玉川上水公園にはフランス製の青いステンドグラスの窓があります。高額なのですが、子ども達の本物を見る目を養いたいので。キラキラしてとてもきれいで、この園の象徴みたいな感じになりますね。
そして、和田堀公園や新高円寺にもありますが、玉川上水公園にも地域の方が午前中に利用できるカフェを併設してあります。公園に遊びに来た地域の子育て世代の方が、ちょっと立ち寄ってお茶を飲めるようなスペースです。そういった地域貢献も行なっていきたいと考えています。
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の間、何か取り組みはされていましたか?
登園している子が少ないので、数人の保育士が保育園に出勤し、他の保育士は在宅勤務です。在宅勤務で何をしているかというと、一つは研修です。オンライン研修を導入し、全部オンラインで学べる環境を整えました。今回長期の在宅勤務で、オンラインで会議をしたり、研修を受けたり、保育所保育指針を読み直したり、自分の保育を見直したりして、今までとりあえず動くというところから、知識を植え付けながらどうしたら良いのかという理論がだいぶ入っていったと思います。普段は保育に追われてなかなかできない「保育と向き合う」ことがじっくりとでき、先生達にはすごく学びの多い2か月だったのではないでしょうか。
もう一つの取り組みは、子ども達への動画配信です。先生達が手遊びやリズム遊び、劇、実験などを行う動画を毎日配信しました。動画は、あまり長いと子どもが飽きるので、5~10分でまとめています。年長さんは、オンライン保育もしています。ミーティングアプリを使用し、先生が2人ぐらいで、子ども達が多数というかたちです。出席を取って、みんなで歌を歌ったり、クイズを行なったり、一緒に折り紙を折ったりしていますね。
保護者の方も24時間毎日親子だけで過ごすというのは大変ですし、在宅で仕事をする方もいらっしゃいますから、本当にありがたいという声をいただきました。
今までこのようなオンラインでの取り組みをしていたのですか?
いいえ、全く行なっていなかったので本当に試行錯誤ですね。ただ、小学生向けのアフタースクールも運営しているので、保育園で行う前にそちらで先行して行なっていて、子ども相手のオンラインのノウハウができていたんですね。たとえば、みんなが声を出せる状況だと、子ども達は一斉にしゃべって声が聞こえなくなってしまうので、基本はミュートにして発言する時だけ解除したりだとか。それもあって、わりとスムーズにできるようになったのかなというのはあります。それでも最初はオンラインに抵抗があったようですが、オンライン飲み会なども流行りましたし、今は先生達も使いこなしています。
新型コロナが終息しても、動画配信やオンライン保育は続けていく予定ですか?
園児が大勢戻ってきたら忙しくなるので、先生達がどこまで並行してできるかというのはわかりません。ただ、少なくとも緊急事態宣言が解除されても、すぐに元に戻るということはないと思うので、自粛して登園しない園児がいるということを考えたら、オンラインの配信は定期的にしていこうとは思っています。
また、Pico TV by Kazenomori というYouTobe チャンネルに、先生達の手遊びリレーや各園の紹介、バーチャル見学会などを載せています。そこでの配信を増やしていきたいですね。
もう、採用面接はオンラインで行なっているんです。Pico TV by Kazenomori のバーチャル見学を先に行い、それをご覧いただいた上でオンライン面接を行なっています。
今Pico TV by Kazenomori で公開しているバーチャル見学会は採用者向けで、保護者向けにはもうちょっとリアリティのある見学動画にしたほうが良いと思っているので、VR に詳しい知り合いに相談して360度カメラを買い、まずは試してみようとしているところです。
こんな状況になってしまったので、今までのやり方がもう通用しないなと感じ、色いろな方法を模索しています。
今後の予定、展望を教えてください。
YouTobe チャンネルPico TV by Kazenomoriで、保育士同士の対談や、保育士の本音を伝えるような企画も面白いかなと思っています。ミーティングツールなどで、オンラインで対談ができる時代になったので、ゆくゆくは違う園の保育士さん同士対談もできたらいいですね。色いろなことを試していきたいと思っています。
Picoナーサリでは職員の数を国の基準の1.5~2倍にしています。今、3密を避けるなど、分散して保育をしていかなくてはならない状況になっていますが、職員の人数が多いので、うまく子ども達を分けながら対応することができるんです。そういった意味で、危険をうまく回避しながら保育ができる環境を整えていければと思っています。
※今回は新型コロナウイルスの影響を鑑みてオンラインにて取材させていただきました。
Picoナーサリ玉川上水公園
住所
〒168-0082
東京都杉並区久我山1-6-12
アクセス
京王井の頭線 久我山駅より徒歩7分
開園時間
月~土 7:30~18:30、延長18:30~19:30
連絡先
TEL:03-3333-1808 FAX:03-3333-1809