小学館アカデミーりょくえんとし保育園──「ラーニングセンター」という、遊びのエリアを設け「コミュニケーションあふれる保育園」を目指す
小学館アカデミーりょくえんとし保育園について教えてください。
小学館アカデミー保育園では、保育において「待つ・見守る」ということを大切にしています。大人って、子どもが試行錯誤しているのを見るとついつい手を差し伸べたくなってしまいますよね。でも、そうすることは子ども達の貴重な体験の機会を奪ってしまうことにもなると思うんです。今、世の中がどんどんデジタル化・ロボット化してきていますが、やっぱりアナログで自分の頭と身体を使って、ものごとを最初から最後までやりぬいた経験が人生において大切だと考え、日々保育をしています。
また、りょくえんとし保育園は自然に囲まれていて、緑あふれる申し分ない環境にあります。この地域はご高齢の方がとってもお元気。月1回、高齢者の皆さまの集まりにお邪魔して、歌を歌ったり、体操をお見せしたり、手遊びをしたりと一緒に楽しい時間を過ごしています。地域の方からは、お散歩の時にあったかいお声をかけていただくことも多くアットホームな関係を築いています。地域の皆さまとの関係も含めて、このあったかい環境そのものが「りょくえんとし保育園」だと思っています。
特色あるカリキュラムは何ですか?
「ラーニングセンター」という、子ども達が遊び込めるエリアを園内の一角に設置しています。保育士がグループになって、子ども達の興味・関心や、今の課題・目標を話し合い「遊びのテーマ」を設定しています。テーマは年4回くらい変えていて、今のテーマは「おままごと」です。
「おままごと」の設定には、遊びの中での食事のやりとりを通して、好き嫌いがなくなってくれたらいいな、という願いを込めています。その他にも、幼児なら「ピーマン5個ください」「1個食べちゃったから残りはいくつかな?」などのやりとりの中で数にふれたり、乳児なら「色合わせ・型合わせ」からお片付けの遊びに発展させたりと、たくさんの仕掛けを設定しています。
動物園に遠足に行く時期には「動物」をテーマにしていました。動物のリアルなフィギュアを生活しているエリア(陸・海など)で分けて配置したり、親子をセットにしたり、肉食・草食など食べ物で分
けたりと、色いろな配列で興味を引き出します。子ども達は動物を手に取って遊び、写真の位置に戻して片付けます。そうすることで、動物について様ざまなアプローチで学ぶことができます。
食育にはどのように力を入れていますか?
食育は「子ども達とクッキングをする」ということに留まらず、食べ物を育てたり、行事食の由来を知ったり、お腹がいっぱい空くようにお散歩したりと、そういうことを全部含めて食育だと考えています。
月1回の園内での食育活動では、栄養士さんが料理の作り方や、行事食の由来を話してくれます。冬だと七草粥や恵方巻ですね。年少さんは自分でおにぎりを握ったり、年長さんになるとホットプレートで焼きそばやホットケーキを作ったりします。
園にある小さな菜園では、夏にピーマンやナス、オクラなどを育てますし、地域の方にお借りした畑では、大根や芋の種まきから収穫までを経験できます。また、きのこが嫌いな子が多かったので、きのこの栽培キットを買って、園内で育てました。自分で育てたものだからちょっと食べてみようかな、というところから始めて、好き嫌いができるだけなくなると良いなと思っています。
「いただきます」という言葉はただの挨拶ではありません。食べ物が、太陽や土、雨など自然の働きのおかげで育ち、たくさんの人々の手を経て、自分の口の中に入る。この流れを実際に土や植物に触れて感じ、体験して、納得できた上で「感謝の気持ちを伝える言葉」として発してもらえるよう、子どもに伝えていきたいです。
働きやすい職場にしたり、保育士の質の向上のために取り組んでいることはありますか?
「コミュニケーションの確保」ですね。コミュニケーションをとることで、楽しく働けますし、チームワークも生まれます。もちろん、人間関係においても大切なことですが、保育をする上での「安全危機管理」のためにも欠かせないことです。
危険なことは、物理的なヒヤリハットだけでなく、目に見えない精神的なものもあります。保育士と子どもの関係、保護者と保育士の関係、保育士同士の報連相……。コミュニケーションを密にとることで、相手のちょっとした変化にも気づけますし、互いに協力し合うこともできます。普段の日常会話や雑談以外に、積極的にミーティングや園内研修を行い、交流の場を作っています。
日常の会話や雑談の中から「よし、また頑張ろう!」という気持ちが起きることは多いものです。また、その中に保育のヒントがたくさんあるのも事実です。
ここの保育園で育った子ども達に将来どうなってほしいですか?
思いやりのある大人になってほしいと思います。人は、生き物とのつながりの中でしか生きられない。だから、「相手のことを考える体験」を重ねるということがすごく大切だと思っています。
そして、上手くいかないことにぶち当たって落ち込んでも、自分で這い上がれる大人になってほしいなと思います。大人になると上手くいかないことって必ず出てくる。でも、失敗したらそれで終わりなんだとか、負け組なんだとか、そういう変なレッテルを自分に貼らないで、失敗してもいいから、またそこから頑張ろうと思えるたくましい大人になってほしいです。
小学館アカデミーりょくえんとし保育園といえば○○というと?
「コミュニケーションあふれる保育園」ですね。人生って問題集みたいなもので、簡単には答えが手に入らない問題の連続だと思うんです。だからこそお互いにコミュニケーションが必要で、ヒントを探すためにそれぞれが協力し合う関係が生まれるのではないでしょうか。
職員同士が話しやすいムードを作ることがすごく大切だと思うし、職員同士の良い関係がベースとなり、保育士と子どものコミュニケーション、さらに子ども同士のコミュニケーションが活発になって、より良い環境場所が作れると思っています。
小学館アカデミーりょくえんとし保育園
住所
〒245-0002
神奈川県横浜市泉区緑園2-2-3
公共交通機関
相鉄いずみ野線 緑園都市駅より徒歩2分
開園時間
月~金 7:00~20:00、土 7:00~18:00
連絡先
TEL:045-812-7112 FAX:045-812-7113