武蔵村山正徳会 つむぎ保育園──自然な環境が思いやりを育てる
つむぎ保育園は、四年前に建物を一から作られたのですよね。建物を作るにあたって、こだわりはありましたか?
基本的に、子どもっぽくしたくないと考えて作りました.
外観は、お城や遊園地のような建物ではなく、普通の家の延長線上を意識しました。派手さはなく、普通の家のように明るい感じにしようと思い、木をふんだんに使って温かさを出しましたね。床板には「あかざくら」という桜の木を使っています。
部屋に関しては、衣食住を分けています。
例えば活動する場所、食べる場所、寝る場所はみなさんのお宅でも違うと思います。
食べる場所はランチルーム、お昼寝は二階のホール、活動は広い部屋で、といったように使い分けています。
階段の滑り止め部分は、赤と緑で色を分けています。緑で上り、赤で降りる、といったように。
そして非常の場合は、3歳が赤で降りる、4歳は緑で降りる、5歳は真ん中で降りる、というようにも使い分けています。
給食でのこだわりは何かありますか?
基本的に国産のものを使っています。
昨年から月に一度、郷土料理を出し始めました。武蔵村山でしたら、村山うどんとか。
秋田や青森など、色いろな地方の郷土料理を月一回いれるようにしています。住む場所によって、その土地ならではの料理があるんだよ、と教えています。
他には、夏にはきゅうり、トマト、なす、ピーマンなどの野菜を作っていますね。
そこで育てたものは給食に少し利用しています。
カリキュラムは体育、英語、茶道があるようですが、なぜこの3つなのですか?
何か子ども達に教えたいと思い、3歳4歳は卒園するまでに縄跳びが全員できるように、そして逆上がりができるようになれば、と思い体育を取り入れました。
5歳の運動会では組体操をやります。簡単なものなのですが、土台の子、上に乗る子、お互いが協力しないとできないことなので体力もつき、協力し合うことも学べます。
英語は月に二回、先生を呼んでいます。
先生は英語で会話していますが、子ども達は動きながら楽しんでいます。
12月にある発表会では英語の歌を披露したりもするんですよ。
茶道は、日本古来の立ち振る舞いが自然にでき、お箸をちゃんと持て、人に対する思いやりも学べるかなと思い始めました。18畳の畳の部屋で月に一回、先生を呼んで5歳児が学んでいます。
小学校に通うにあたって数十分しっかりしていなければならないこともあるので、それが自然に身につけばいいな、と思っています。
体育も英語も茶道も無理強いはせず、何年か経った後に「そういえばこういうことを保育園でやったな」「もう一回やってみようかな」と、そんなきっかけになってくれればいいかなと思っています。
普段の生活の中で気を付けていること、何か学んで欲しいことはありますか?
普段の生活で、挨拶できたり思いやりがあったり、そういうことが身についてくれれば、と思ってます。
日々の積み重ねですね。オムツをはいていたけれど、友達がトイレで用を足すようになると、自分もやってみよう、じゃあ今度はこれをやってみよう、というように段階を踏んでやっていくのが一番いいかな、と思ってます。
つむぎ保育園といえば「これ」だと思うものは?
特長が無いところが特長かもしれないですね(笑) 何?と聞かれて何も出てこないところがいいかな、と。
まだ4年目なので、それを今つくってる状態です。今後みんなで特長を作っていこうよ、って。
見学に来た親御さん達が保育園を見学にいらした際、「つむぎ保育園は、これをやっているので来てください」とは言わないですね。
「家の近くの保育園を何か所か見学してみて、一番良いと思うところがいいですよ」と答えています。
米軍基地が近いですから、肌の色や国籍が違う子もいますが、子ども達に偏見のようなものはないですね。
人種だけではなく、世代間の繋がりもあり、お年寄りの方がお誕生会などにいらしたりします。お年寄りを見て、髪が白くなり、しわもでき、動きもゆっくりになるんだ、ということを分かって、自分達もこういう風にしてあげなければいけないのかな、と小さい時から感じられればいいかな、と。
武蔵村山正徳会 つむぎ保育園
住所
〒208-0023
東京都武蔵村山市伊奈平5-66
最寄駅
西武拝島線武蔵砂川駅または西武立川駅よりバス
開園時間
月~土 7:00~19:00
連絡先
TEL:042-560-0088 FAX:042-560-0880