ナーサリースクールT&Y南台──生活習慣を整えることが食育の第一歩
食育へのこだわりについて教えてください。
食はただ食べることではなく、一日の流れだと思っています。食には生活習慣が大きく関わっているので、生活習慣を整えることが食育の第一歩だと考えています。夜しっかり寝ることができなかったら、朝はお腹がすきませんよね。子ども達が早寝早起きをして、思いっきり体を動かして、「おなかすいた~! はやくごはん食べたい!」という気持ちになって、食事をすることが一番だと思っています。
子ども達の食への意欲を引き出すために、さやいんげんの皮むきや生の材料を見せるなどの工夫をしています。子ども達は自分達が関わったものはより意欲的に食べてくれます。
また、0歳児から5歳児まで、先生もみんな一緒に給食を食べる日があります。去年は3回ほど行いました。
異なる年齢の子ども達が一緒に食べることで、お互いの刺激になり、嫌いなものでも頑張って食べよう、たくさん食べようという気持ちを引き出せます。
保育園の内装・設備でのこだわりを教えてください。
オープンフロアにすることで、ひとつの空間で3、4、5歳児を保育できるようにしています。異なる年齢間の繋がりを重視し、一緒に育っていくことが目的です。
しかし小さい子ども達は、あまり大きい部屋にいると落ち着かなくなってしまうので、仕切りを活用しています。必要があれば絵本を読む場所、制作をする場所、お着替えをする場所など用途に合わせて遊びのコーナーを作っています。
一方でそれぞれの年齢で成長は異なるため、年齢別の保育も大切にしたいという思いもあります。3、4、5歳児がそれぞれ別に過ごす時間を持ちつつも、一緒に活動し成長していく保育を心がけています。
保育士の質の向上のために取り組んでいることはありますか?
毎年、保育士で保育の質を高めるためにテーマを決めているのですが、ここ2年は保護者の方とのコミュニケーションをテーマにしています。
子ども達の成長を共有という意味で、保護者の方とのコミュニケーションを大切にするために、保育士同士がしっかりコミュニケーションをとることも必要です。毎日保護者の方全員に、どんな小さな出来事であっても子ども達の1日の様子をお話するようにしています。単に起こった出来事だけでなく、そこへの経緯や思いも伝えるよう心がけていますね。
子ども達についてだけではなく保護者の方のちょっとした変化にも気が付き話題のなかに取り込むことで、保護者の方と交流するきっかけになっています。
保育士に求めることを教えてください。
保育士自身が豊かな人間性を持つことですね。豊かな人間性を持つ子ども達を育てることを保育園の方針にも掲げています。ゆったりと、のびのびできる環境を子ども達に与えることが、豊かな人間性を育てることに繋がるのではないかと考えています。まずは保育士が豊かな人間性を備えることで、子ども達にもそれが伝わり、保護者の方の信頼にもなります。そのために保育士が自ら様々な研修に行くことや、絵画や音楽に触れて吸収する機会を大切にしています。
子ども達への接し方で気を付けていることを教えてください。
子ども達が愛されていることを実感し、生きている価値を理解できるような接し方ですね。要するに子どもの人権を否定しないということですよね。一人一人の言葉や動作を踏みにじらないようにしたいです。
自慢になってしまいますが、ナーサリースクールT&Yの子ども達は変に大人びていないんです。例えば劇を見て「あんなの嘘だよ~」なんて少し大人びた目で見てしまう子もいますよね。でも、うちの子ども達は先生たちの寸劇やパネルシアターを見ても、小さなことでも素直に世界に入り込み、感性を表現してくれるんですよ。
先生達が子ども達の個性や子どもらしさを認め、大切にして保育している証拠だと思います。
給食の献立、産地などの工夫はありますか?
旬をそのまま献立に活かすということですね。
ただ子ども達が食べやすいだけの食事ではなく、子ども達が様々な形で食に触れることができるように、熊本県の「呉汁(ごじる)」や青森県の「けの汁」など、日本各地の郷土料理を献立に組み込んでいます。
子ども達が好きな献立はありますか?
わかめときゅうりの酢の物やきんぴら、うどんなどの和食が意外と人気ですね。もちろんカレーなどの王道メニューも人気ですが(笑)
子ども達の好き嫌いを 減らすための工夫はありますか?
香草類の野菜は子ども達が苦手なことが多いので、本来のレシピとは他の葉物との割合を変えて工夫しています。苦手なものも、少しでも口に入れてほしいので、切り方を変え、他の食材と混ぜるなどの工夫をしています。
こういった小さな工夫をするために、栄養士が各クラスで一緒に給食を食べる機会を設けて、子ども達と交流するなかで気が付いたことを反映するようにしています。
保育園で栽培しているものはありますか?
トマト、ナス、オクラ、ピーマン、ゴーヤなどですね。
収穫した野菜は給食で食べます。今年はイチゴがたくさん採れたので保護者の方にも食べてもらいました。
独自のカリキュラムがあれば教えてください。
年長になると月に1回、空手の時間があります。空手は子ども達の忍耐力を養うために始めました。今の子ども達は、落ち着いていられなかったり、目を見て話を聞けないことが多いので、精神を鍛えるという面で空手は子ども達の成長に繋がるといいなと思います。子ども達も乗り気で頑張ってくれています。
ここで育った子ども達に将来どんな大人になって欲しいですか?
自分で考えて行動できる子を育てたいと考えているので、人に流されることなく正しいことを正しいと自分で考えて行動できる人になってほしいです。まっすぐ進んでいける強さを持った大人になってほしいですね。
ナーサリースクールT&Yといえば?
「絆」ですね。
職員同士、保護者の方、子ども達とのコミュニケーションを大切にしています。
「きみと、ずっと、なかま、きずな」を掲げています。
大人が「絆」を見せることで、子ども達もクラスに関係なく一つの仲間になって何か成し遂げる達成感を味わってほしいです。卒園したあとも繋がる「絆」を持っていてほしいですね。
ナーサリースクールT&Y南台
住所
〒252-0314
神奈川県相模原市南区南台1丁目4-20
最寄駅
小田急小田原線 小田急相模原駅より徒歩約11分
開園時間
7:00~18:00
連絡先
TEL:042-851-5828 FAX:042-851-5829