2025.12.31
保育園訪問【Web限定版】

愛光大和田保育園――あたたかさと愛を“園全体で”紡ぐ

園サムネイル

園長プロフィール

愛光大和田保育園さんの概要を教えてください。

神戸の私立聖書学舎(現関西聖書神学校)を卒業しました初代理事長石川順助が、戦後の混乱の中の子ども達の姿に心を痛め、キリスト教の宣教により「これからは子ども達である。子ども達に幸せを」と昭和24年立川の地に愛光保育園を開園しました。以来愛光学舎は立川の地より八王子へと大きく成長してきました。

1969年6月 愛光大和田保育園(0~5歳児) 認可 79名
2010年4月 分園 アネックス(1~5歳児) 認可 44名
2017年4月 分園 ステーション(1~5歳児) 認可 25名
2019年4月 分園 ちいさなおうち(0~2歳児) 認可 44名
※本園定員変更(3~5歳児)57名

園の特徴を教えてください。

徒歩15分圏内に本園と3つの分園(ちいさなおうち、アネックス、ステーション)があり、1つの保育園として運営しています。施設ごとの定員が少人数のため子ども達一人ひとりと丁寧に関わる保育ができるのが大きな特徴です。朝礼や職員会議はすべてZoomで4拠点を結び、同じ情報・同じ温度感で保育を進めています。

保育理念「子どものしあわせ」。愛光学舎の保育園は開園当初より56年間、毎年クリスマス祝会で5歳児クラスが「降誕劇」を演じることが恒例になっています。神学校で学ばれた初代理事長の子ども達への「愛」ある保育を何よりも大切にされたその想いの継承でもあります。

また、3~5歳児クラスは長年、異年齢(縦割り)保育を継続しています。外部講師による習い事のような活動は設けず、遊び中心の保育が特徴です。
小学校に上がれば、座って学ぶ時間が増えていきます。だからこそ幼児期には、今しかできない遊びや経験をとことん味わってほしい。“遊びから主体性を育てる”いう姿勢を大切にしています。

食育への取り組みについて教えてください。

当園には給食専用のInstagramアカウントがあり、食材にも工程にも制限を設けない“本気の給食”が特徴です。
理事長から「予算は気にせず、子ども達に良いものを」と言われているため、使用する食材数も多く、下処理だけでも栄養士さんは大変だと思います。

当園は調理に携わる職員7名全員が栄養士です。献立作成から調理、食育まで一貫して行なっています。子ども達の反応をそのまま献立に反映できるのは、この体制ならではです。
パンも市販から地元パン屋、そして現在は 完全手作りパンへと移行しました。

鮭の解体を子ども達の前で行なったり、お米の栽培・梅シロップ・味噌作りなどの食育も日常的に実施しています。“毎日が食育”という感覚です。
職員も子ども達と同じ温かい給食を食べています。誰が見ても美味しそう、誰が食べても美味しいと思えるよう、見た目や切り方まで丁寧に工夫しています。

八王子という地域ならではの良さを教えてください。

愛光大和田保育園がある八王子市大和田町は、穏やかな住宅街と豊かな自然が程よく調和した子ども達がのびのびと過ごせる環境に恵まれています。
園の周辺には緑あふれる公園や河川敷があり、四季の変化を感じながら戸外でのびのびと遊ぶことができます。

また、八王子を代表する高尾山もあり、毎年5歳児クラスは遠足に出かけています。大和田町は地域のつながりが大切にされているエリアで、子育て中のご家庭にとって安心感のあるあたたかな雰囲気が特徴です。

地域の方々の見守りの中で、子どもたちは豊かな経験を積みながら日々成長しています。行事には地域の方が多く足を運んでくださいます。近所のおじいちゃん・おばあちゃんが「園長先生、元気?」と声をかけてくださることも多く、地域に支えられている実感があります。

また、園の安全のために地域の方が働きかけ、横断歩道が設置されたという経緯もあります。地域が子ども達を守ってくれる、そんな心強さを感じています。

建物や内装でのこだわりはありますか?

分園ちいさなおうちのホールには初代理事長宅より寄贈されたパイプオルガンがありクリスマスの時期になると優しい音色を奏でています。
建て替え時には、“あたたかさを感じる園”をテーマに内装を検討し、あえてエントランスや壁紙をピンク系の暖色に統一しました。
また男性保育士の存在を大切にしているため、男性更衣室・男性ロッカーを完備しています。

保育士が働きやすい環境づくりとして工夫されている点を教えてください。

先生達が本来の保育に集中できるよう業務負担軽減に取り組み、保育システムを導入。早い段階からICT化を進めてきました。出欠管理や連絡はすべてアプリで行い、手作業が必要な場面を極力なくしています。

コロナ禍のタイミングで園行事の見直しを行いました。大人が見て感動するような見栄えの良さを意識したものだけではなく、子ども達が自ら考え工夫しながら作り上げるプロセスを大切にしています。以前は衣装や制作に力を入れる行事も多かったのですが、「子どもが主体的に考えて自ら作り上げる行事」に変えていく必要があると感じました。制作にやりがいを持っていた先生も多かったため、トレンドや資料を提示しながら、丁寧に時間をかけて移行しました。

例えば、運動会は10月から5月に変更し、練習に時間をかけない“親子で遊ぶスポーツフェスティバル”に。入場行進もなく、町内会のような雰囲気で、親子が半日一緒に楽しめるイベントにしています。参加対象も3歳児以上で行う形に切り替えました。

「働きやすい福祉の職場宣言」にも昨年度から参加し、100%取得を目指して改善を続けています。育休は昨年4名、今年は2名が取得。有給は初日から付与され、時間単位でも取得可能です。平日に旅行へ行ったり、午後だけ休んでコンサートへ行く先生もいます。

夏休みは6〜9月の間に平日8日間(有給とは別枠)。海外旅行や帰省に使う先生も多いです。法人独自の看護休暇(中学3年生まで対象)・介護休暇(高校1年生以上対象)も有給扱いで取得でき、家族の受診や看病、行事参加にも利用されています。

福利厚生では、法人が加入する「ライフアップ立川」の制度で、宿泊補助券、映画・レジャー施設の割引、結婚式や入学式のお祝い金なども利用できます。インフルエンザ予防接種も全職員無料で受けられます。

職員のスキルアップのために取り組んでいることはありますか?

自治体研修やキャリアアップ研修に加え、OJTの仕組みを大きく見直しました。以前は1年目研修を終えると4月から“ひとり立ち”という形でしたが、今年からは新人のペースに合わせて進行度を調整する方式に変更しました。担当リーダーが1年間寄り添い、日誌やカリキュラム、遅番に入るタイミングまで個々に合わせています。
リーダー会議で新人の状況を共有し、園全体で支える体制にしたことも大きな変化です。

立川の園との交換研修も行なっています。保育士・栄養士ともに互いの園へ行くことで、新しい気づきが生まれています。
昨年からは看護師を中心とした「安全管理委員会」を立ち上げ、ヒヤリハットの共有、安全チェックリストの確認、園内巡視を実施。職員会議で全体共有する流れにしています。
全職員が上級救命講習を取得し、3年ごとに更新しています。
最近は八王子市が取り組む「包括的性教育」の研修にも参加し、園内での実施に向けて準備を進めています。

職員間の人間関係を良くするために、どのような取り組みをされていますか?

離職理由で多いのは人間関係ですから、採用段階から丁寧に取り組むことを大切にしています。
まず、選考前に約2時間の園説明・園見学を行います。園長だけではなく複数の先生が関わり、応募者の雰囲気を多角的に見ます。LINE WORKSで見学予定を共有し、朝礼でもアナウンスして、園全体で迎える体制にしています。

見学は平日の午前中に限定しています。忙しい時間帯のリアルな保育を見てもらうことで、「このチームで働くイメージ」がきちんと持てるようにするためです。
新入職員との会話のきっかけづくりとなるよう、プロフィールカードを作成し更衣室に掲示しています。

また、リーダーの先生達と作った園の行動指針があります。「ありがとうを言葉にしていますか」「忙しい時こそ相手にやさしくできていますか?誰もが大切なひとりの人です。」「保護者が見て安心できる保育をしていますか?」など、不適切保育を防ぐ視点も含め、保育観を共有するためのものです。採用時にも必ず説明し、朝礼では1項目ずつ確認。トイレにも貼り、保護者にも見える形にしています。

園で育った子ども達にどのようになってほしいですか?

私たちはたくさんの愛情注いでお子様の成長を支えています。この先様々な困難にぶつかった際にも、この園で培った経験が、私達大人に愛された経験が心の根っこ、支えとなるように、誰もが大切な「ひとりの人」であるということを子ども達一人ひとりに伝えるため、子ども達の思いに寄り添う保育を大切にしています。

「こういう大人になってほしい」という職業的な願望よりも、愛されて育った感覚をしっかり持って卒園していってほしいです。保育理念の「子どものしあわせ」という言葉を、子ども達・保護者・職員、みんなで共有していきたいと考えています。

今後の展望について教えてください。

今年、東京都の「人材保育コンサルティング」の取り組みに応募し、無料で受けられる機会を得ました。園の良さをどう外へアピールし、採用に繋げていくかという視点で、前半期にかけて取り組みました。

その中で改めて感じたのは、保育やその方法は、時代に合わせて常にブラッシュアップしていく必要があるということです。一斉保育が主流だった時代から、今は子どもの主体性を大切にする保育へと移行しています。大切に残すべきものは守りながら、変化する社会背景に合った保育を選び取り、園全体で実践していく。そのために、私自身も含めて、先生達と一緒に“変化に対応できる力”を養い続けたいと考えています。

もう1つ大切にしたいのが、働く職員が「ここで働けてよかった」と誇りを持てる園にすることです。理想を言えば、外から見た時に「愛光大和田保育園で働いているなんて素敵ですね」と思ってもらえるような、そんな職場にしていきたい。まだ発展途上ではありますが、そういう園を目指しています。

面接の際にもお伝えしていますが、2時間かけて丁寧に説明すると、どうしても良い部分が多く見えてしまいます。しかし、実際に働いてみて「想像と違った」「もっとこうしたら働きやすいのに」と感じることは必ずあると思います。その時に諦めるのではなく、声にして一緒に園を良くしていく仲間になってほしいと、いつもお話ししています。

愛光大和田保育園の一番の魅力は?

一番の魅力は、園全体の和やかで温かい雰囲気です。これは言葉では伝わりにくく、実際に来ていただいて初めて感じられるものだと思います。就職や面接に関係なく、地域の方にも「いつでも見に来てください」とお伝えしています。まずは来て、見て、感じてほしい。それが園の自慢できるところです。

また、当園は1年を通して保育参加をいつでも、何度でも可能にしています。毎日どこかのクラスに保護者の方が参加しているほどです。予約は給食の関係で必要ですが、給食を食べない場合は「今日見に行っていいですか?」と当日の連絡でも対応できます。おじいちゃん・おばあちゃんでも歓迎ですし、地域の方にも同じように「どうぞいつでも」と開いています。
こうした“開かれた保育”の姿勢も、園が大切にしている魅力のひとつです。

社会福祉法人 愛光学舎 愛光大和田保育園


愛光大和田保育園

住所

〒192-0045
東京都八王子市大和田町5-9-4

開所時間

7時30分〜18時30分

保育時間

【保育基準時間】
通常利用時間(11時間利用):7時30分~18時30分
【保育短時間】
通常利用時間(8時間利用):8時00分~16時00分
延長保育:7時30分~8時00分/16時00分~18時30分

連絡先

TEL:042-645-8828
FAX:042-643-0766