明日葉保育園 保塚園──オンライン国際交流プログラムで子ども達へ様々な気付き、学びの機会を提供していきたい
明日葉保育園 保塚園さんについて教えてください。
明日葉保育園保塚園は2020年に開園し、2年目の園になります。
定員は0歳が6名、1歳が10名、2歳~5歳までが11名ずつの60名となっております。
園の特徴を教えてください。
園舎は、オーナーの希望により木造で建てられています。三角お屋根が特徴で、園庭もあります。駅のすぐ近くで人通りも多いので、温かみを出すために花壇を置き、季節ごとに花を変えて植えています。新園開設の際に行った住民説明会で、ここに保育園ができることを地元住民の方たちに賛同いただいた園なので、地域に恩返しをしたいなと思っています。
内装はカーテンをクラス毎にカラーで分けていて、手洗い場も同じようにクラスカラーにしています。また、木造なので木の温もりを感じることができるようにこだわっています。
また、弊社は給食会社を運営していることから食育に力を入れており、野菜のオリジナルキャラクターを使った「みらいエナジー」という食育企画に力を入れています。
おままごと遊びも、フライパンやボール、お玉や泡だて器など、包丁以外はなるべく本物の食具を使うようにしています。遊びの中で本物を使うことで、いざクッキングを行う時に、食具への抵抗がなく、楽しんで取組めるという目的があります。
毎朝、調理室と連携して各クラスに野菜の切れ端などを配り、子ども達に「この野菜は何だろうね?」と問いかけるようにしています。実際に触ったり匂いを嗅いでみたりして、野菜をより身近に感じてもらえるような工夫をしています。
また、体操やリトミックは専属の講師を招き、楽しみながら体幹を鍛え、音感やリズム感を養っていくようなカリキュラムを導入しています。
そして今年度からは、海外の保育園とオンラインで交流する「あしたばドア」を柱にしていこうと考えております。
今年度、柱になさろうとしている「あしたばドア」について教えてください。
保育指針にもある「異文化を知る」ということを、オンラインでの国際交流を通じて実現するプログラムです。
海外の保育園児とにらめっこゲームで一緒に遊んだり、SDGsの要素を取り入れたクイズに挑戦したりして、楽しく参加できるようなプログラムにしています。
今後は、海外の子ども達が食べているものをプログラム終了後に提供し、「これはさっきあの子たちが食べてた食事だね、こんな味がするんだね!」といった体験から、食育に繋げていけたらとも考えています。
この取り組みをされてから子ども達に変化はありましたか?
最初は反応が薄い子もいましたが、今ではみんなとても楽しみにしています。あしたばドアの日に発熱してお休みした子がいたのですが、休みを嫌がるほどでした。
また、あしたばドアを保護者様にも動画配信したところ、より一層関心が高まりました。海外の子ども達と交流しているお子さんの姿を映像で見て、「実際に海外の子と交流できるのはいいですね! 子ども達の好奇心も刺激されました」などと言っていただき、すごく反響がありました。
食にこだわっているとのことですが、給食についてもこだわりはありますか。
給食では、発酵食品で腸内環境を整える、栄養の吸収を高める、食べ合わせを取り入れる、咀嚼力や嚥下力を高めるといったことを意識しています。また、出汁をしっかり取って薄味でも本当に美味しいものを作るように工夫しています。
また、保育活動からも子ども達の疑問や興味を食育に繋げていくことを意識しています。ある時、年長さんに大豆嫌いな子がいて、「豆腐は嫌い?」と聞くと、「ううん、豆腐は好きだよ」と答えたので、「実は豆腐って大豆からできているんだよ」と教えてあげたら、「え~! そうなの~?」と驚いていて、じゃあ、豆腐を作ってみようかと提案しました。大豆を買いに行くところから豆腐づくりを体験し、できあがった豆腐を食べた子ども達はすごく喜んでいました。このように子ども達の好奇心を繋げていく活動が当園の保育の特徴です。
保育士さんが働きやすい環境を作るために何か取り組まれていることはありますか?
保育観を統一しました。子ども達に「指示しない、禁止しない、子ども主体」という方針をみんなで意識しています。
例えば、子どもが喧嘩をした時。よくある光景ですと、ある子が使っていたものを違う子が取ってしまった時に、「これはこの子が使っていたやつでしょ」と、大人が仲裁してしまいがちですが、当園ではなるべく子ども達で解決させるようにしています。もちろん手が出るような喧嘩ならば仲裁に入りますが、基本的にはしっかりと見守ります。これが全く違う保育観を持った方だと、「なぜ注意しないの?」となり、社員間がギスギスしたりすることにもなりかねませんので保育観の統一にはこだわりました。
また、保育士に向けた研修にも力を入れています。保育ドキュメンテーション(※)を作成する際に、保育士が子どもの遊びをしっかりと見るように、「そもそもワーク」というものを会議の中で取り入れています。「そもそもワーク」とは、例えば「そもそもなぜレゴブロックで遊ばせるのか」ということを2チームに分かれて考えてみるというものです。このワークを行うことで、レゴブロックってこういう効果があるよね、想像力も膨らむよね、といったさまざまな意見を引き出していきます。すると保育士は、子どもがレゴブロックで遊んでいる姿をしっかりと観察するようになります。このような活動から、子どもの遊びを見る視点のレベルも上げていけたらと考えています。
今年度は、さらに保育士の質を上げていきたいと思っているため、キャリアップやマネージメント、障がい児研修など、社員にはさまざまな研修を受講してもらいたいと考えています。
ここで育った子ども達には将来どのようになってほしいですか?
子ども主体を保育指針として掲げているため、自分の意見をはっきり正確に言える子、そして相手の意見をしっかりと受け止めることができる子になってほしいと考えています。
今後、AI の発展などにより英語は不要になるかもしれませんが、自国の言葉でしっかりと正確な伝え方ができることは成長過程で必ず求められることだと考えています。
相手の考え方についても、「そういう考えもあるんだ!」と受け止めることができる子になってほしいと思います。
今後の展望について教えてください。
コロナで色いろなことができなくなるなど、先行き不透明な時代になりました。私たちも保育のICT 化など、新しい流れについていけるように進化し続け、子ども達に還元しなければなりません。先のことも見据え、新しいことにどんどん挑戦していけたらと考えます。
コロナ禍で、年長組が来年度入学する小学校の校舎や授業を見学することがかなわない状況となっていますが、先日小学校の先生とお話した時に、「あしたばドア」のようにオンラインで園と小学校をつなぐ環境が整えられれば、小学校を見学することも可能ですね、という話になりました。さまざまな新しい技術を取り入れ、少しずつ先へ進めていく取組みができればと思っています。
最後に、明日葉保育園 保塚園といえば〇〇。この〇〇に入る言葉は?
「子ども主体」の保育園です。他の社員にも聞いてみたのですが、みんな同じように「子ども主体」と答えていて、保育観が統一されていることに嬉しくなりました。
明日葉保育園 保塚園
住所
〒121-0072
東京都足立区保塚町8-26
アクセス
首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス 六町駅より徒歩7分
開園時間
月~土 7:00~20:30
連絡先
TEL:03-5809-6952 FAX:03-5809-6953