保育士兼ヨガ講師 小山尚美さん
ヨガのお仕事はどのようにされているのですか?
日本キッズヨガ協会やイベントでキッズヨガや親子ヨガをしています。今勤めている保育園は乳児クラスのみなのでやっていませんが、前にいた保育園で4歳5歳クラスの担任をした時は、クラスでもヨガをやっていました。また、保育士さん向けに、ヨガを通して自分の体と心のセルフケアをするという、ほいくヨガをやっています。
保育士とヨガ講師、どちらが先だったのですか?
保育士が先で、今10年目です。ヨガはずっと趣味でやっていたのですが、ある時キッズヨガの先生になろうという広告を見つけ、「子どもとヨガをやったら楽しそうじゃない!?」という軽い感じで始めたんです(笑)。それがキッズヨガ協会のティーチャーズトレーニング。このキッズヨガ理論は、日本幼児体育学会会長である早稲田大学の前橋教授が監修したものなので、幼児体育の理論や指導の方法がすごく保育に役立って、そのまま学びを深めていき今に至ります。
保育士とヨガ講師、両立させる秘訣は何でしょう?
両方やっていて大変ですねとよく言われるのですが、保育もヨガも生活の一部になってしまっていて、大変という感じがあんまりないんです。強いて言えば、ヨガを毎日やっているので、1日の疲れをリセットできているのかなと思います。
あとは、MiRAKUUに載るようなカリスマ保育士、意識が高い人と会って、想いを共有したり刺激を受けたりするのが発散になっていると思います。保育業界では、その園のルールや人間関係が全てになりがちです。でも、私はもっと視野を広げた方が良いと思っています。保育は答えがないぶん、色いろな人と意見を交換し、想いを共有して、色いろなやり方を学ぶべきでしょう。その方が自分の人間力も高まるし、保育にも活きるし、子どもへの関わり方や保護者様への伝え方にも繋がっていくはずです。そのために、なるべくカリスマ保育士さん達に会うようにしています。
今後の展望を教えてください。
大きな展望としては、保育理論にヨガを取り入れてもらえるようにしたいな、と。ヨガは心にも体にも良い効果がありますが、一番有効なのが呼吸です。上質な呼吸をすることで自律神経も整うし、脳にも体にも良い影響があるし、子どもにとっては発達にも良い効果があります。それを保護者の次に身近な大人である保育士が知ることで、一生の運動量や成長が決まると言われる3歳~11歳の間に、子ども達に良い経験をさせることができるのではないかと思うからです。
個人としては、ほいくヨガに力を入れていきたいです。私がほいくヨガで伝えたいのは、保育士さん達にセルフケアとセルフアウェアネス(自己認識)の方法を知ってもらうということ。保育業界は、人間関係や給与面などまだまだ問題がありますし、保育所保育指針が変わり、保育の質についても色いろ言われています。そんな中で、保育士さんが自分自身を知るということが保育の質を高めることに繋がっていくと考えており、私はヨガというツールでそのお手伝いをしたいのです。
常に保育現場に関わって、大人にも子どもにも必要なものは何かということを吸収してみなさんにお伝えしたいと思っているので、保育士とヨガ講師、この二足のわらじはずっと続けていきたいなと思っています。
(MiRAKUU vol.29掲載)