2024.01.15
保育園訪問【雑誌掲載版】

グローバルキッズ六番町園──価値観の強要をせず自主性を育む。そうした基盤があってこそ「見守る保育」ができる

グローバルキッズ六番町園──価値観の強要をせず自主性を育む。そうした基盤があってこそ「見守る保育」ができる

グローバルキッズ六番町園さんについて教えてください。

グローバルキッズ六番町園 園長:加藤 恭平さん

今年で7年目になる認可保育園です。四谷の六番町は土地に誇りを持ってらっしゃる方が多いこともあり、六番町のカラーを大切にして外観等をデザインしています。
通われているお子さんは、保護者の方がこの地を選んで来られたという方が多く、私達保育園と共に六番町で育ち、地元の方の想いを知っていっています。

正直なところ六番町園は園庭が小さく、50人全員が外に出て走り回れるような大きさではないのですが、周りには公園や神社仏閣がたくさんあるので豊かに散歩ができます。歴史的産物も多く、足を使って行く甲斐のある地域です。目的が立てやすいし、行った先での楽しみがあります。地域をめぐることがそのまま保育の充実へと繋がっていくようなイメージです。
こういった地域なので、この土地に誇りを持つ地元の方々の気持ちが次第にわかってきました。

園の特長を教えてください。

「見守る保育」が一番の特長です。六番町園は、グローバルキッズが「見守る保育」を導入した最初の園なのです。
「子どもはもともと持っているものがあり、環境を通してそれを引き出していく」という有能論からスタートして、子ども達が持っているものをどう引き出していこうかと考え、その要素の1つとして0、1歳から乳児集団での保育をしています。
実際、3月生まれの1歳児と4月生まれの0歳児でどれだけ違うのだろうという部分がありますよね。発達が近い子達が一緒に過ごすことには大きなメリットがあって、0~1歳の赤ちゃんでも子ども達なりに気を遣い合ったり、近くの子がやっているのを真似したりして成長していくのです。
とはいえ、まだ寝がえりしかできない子と走り回れる子が一緒にいると危ないこともあるので、それぞれ子どもに合わせた環境を補助しています。

行動は基本的に自主選択制! 今日はどんな活動をしよう?

一斉に行うカリキュラム等はないのでしょうか?

現在は、月に1度地域の方に絵本の読み聞かせをお願いしています。また、先日、木工の会社の方に来ていただいて木のペンダント作りをしたのですが、それが人気だったので継続的にやっていこうと計画しています。
他にも、「何かを教えたい・伝えたい」と思った職員が中心となって、時間を夕方に取ることもあります。今は運動会が近づいてきたので、僕が跳び箱を教えています。運動会が終わったら、調理の先生が縄跳びを教えたいと言っています。

「見守る保育」を行うにあたって先生達の教育はどのようにしていますか?

当園では給食は食べる量を自分で決める選択制になっていますが、日によっては自分で決めた量でも食べきれない時もありますよね。その時に、「A先生は食べ切ることを大切にしてるからちょっと言いにくいけど、B先生は許してくれる」と考えてB先生に言いに行けるというのが、本当の意味での選択制だと思っています。子どもが自分で主体的に大人の価値観を選択するということです。

他園の話ですが、糊を2本の指で塗るか1本の指で塗るかで先生同士が大喧嘩をしたという話を聞きました。双方の理由が「先輩はこうだった」「ずっとこうだったから」だったそうです。自分はどうしたいのか? どう保育に繋がるのか? それがない状態で保育が行われている、価値観の強要が行われているんですね。
多様性があるものを育んでいくならば、価値観を強制してはいけないと思います。そうした基盤があってこそ「見守る保育」ができる。そのために、まず自分がどんな人なのかを表明してほしいと思っています。それを受けて初めてフォローができる。指導というよりも、まずは楽しくのびのびと仕事ができる環境を用意しようと考えています。

保育所保育指針は10年ごとに改訂されていますが、大本は変わっていませんよね。ただその中に書かれている内容の意味や自由度を見い出せず「保育はこうだ」という中で育ってきている人もいます。その人達に「もっと自由にやっていい」と言っても、どうしていいかわからないんだと思います。そういう人が動けるようになるには、一番長く勤めていて発言力がある人が自由にやれるようになる必要があるので、その人に対するケアを重点的に行います。
方法としては、例えば遊ぶように学べるような園内研修であったり、また、色いろな保育園を見に行ってもらうというのも有効です。自由にできる現場を目の当たりにして、持って帰ってきてもらう。本人の納得感が大事だと思います。そのために色いろなアプローチをしなくてはならないなと思います。

この園で育った子ども達に将来どうなってほしいですか?

「見守る保育」で育った子が小学生になって、先生に「廊下は走るな」と言われたそうです。その子は「なぜ廊下を走ったらいけないんですか?」「そのルールは守るけど、俺達が作ったルールを先生は守れますか?」などと言ったそうです。
先生からしたら生意気で扱いづらいでしょうが、大事な育ちだと思うんですね。当園の子達も、みんなすごく意見を言います。この間も「夏野菜はこれを植えよう」と言ったら、「それは嫌だ! こっちがいい」って(笑)。

どこまで行っても意見を持つことや人間関係はついて回りますし、調整したり、折り合いをつけたり、逆に発展させたりする「人間力」が必要になってきます。そういうものを育んでいった子が大人になった時、出るべき場所に出ていくのだろうなと感じます。

日本の座学を中心とした教育の限界はもう来ていて、子ども達の方が先を行っている部分がいっぱいあるのではないでしょうか。教育側が変わらなくてはいけないと感じます。

今後の展望を教えてください。

まずはイケメン俳優さんに保育をしに来ていただきたいです(笑)。というのも、六番町近辺はテレビや音楽のスタジオも多く、芸能界隈に豊かな土地柄なんです。そういう意味で、発信がしやすい場所だと思っています。
グローバルキッズは今約180園ありますが、その中で自分達の保育を発信していく。自分達、会社はこういう保育を、こういう文化をやっているんだという意味でのパイロット園になっていきたい、発信できる園になっていきたいと考えています。

(MiRAKUU vol.45掲載)

グローバルキッズ六番町園

グローバルキッズ六番町園

住所

〒102-0085
東京都千代田区六番町5-16

アクセス

JR四谷駅より徒歩5分
有楽町線麹町駅より徒歩6分

開園時間

開所時間 7:30~20:30
標準保育(平日):7:30~18:30
延長保育(平日):18:31~20:30

連絡先

TEL:03-3230-7161
FAX:03-6261-7840

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