第0回 今の子ども達を取り巻く運動環境について──さわだ先生の 毎日の保育にすぐ使える! 簡単&運動あそび講座

幼児期の運動は、ただの遊びではなく「未来に繋がる大切な経験」。
新連載では、運動指導のプロ・さわだ先生が、保育現場での運動の大切さや実践のヒントをお届けします。
初回は、さわだ先生の想いや、今の子ども達を取り巻く運動環境についてうかがいました!
さわだ先生が行なっている活動を教えてください。
主に幼稚園・保育園に体操指導者を派遣しています。正課での授業の他、課外に園のスペースをお借りして体操・サッカー・チアダンスのスクール活動も行なっています。
子ども達に運動を教える上で一番大切にしていることは何ですか?
楽しんでもらいたいというのが一番です。まずは楽しんで参加して、その上で少しチャレンジしてもらいたいです。できる・できないはさておき、自分でやってみる。やってみたらまた新しい世界が開けるので、諦めないで挑戦してもらいたいです。
その積み重ねが、運動に限らず色いろなことにチャレンジできる土台になり、色いろなことが楽しくなってくると思うのです。
子どもの運動という点での課題はありますか?
運動自体が習い事として広く定着しすぎてしまったというのもあり、運動する人としない人の二極化が進んできたと思います。習い事として運動をしている子どもはものすごくできるけれど、習っていない子どもは体を動かす機会自体が少なくなってきているという状況です。
また、保育を取り巻く環境の変化も原因の1つです。園庭のない保育園も増えていて、そういう園は公園に行くと思いますが、公共の公園のため広く使えない、固定遊具でしか遊べないなどの問題があります。園庭があっても、十分に上手く使えているかというと、そうとも限らない。
家庭でも忙しくて時間がなかったり、子どもが少なく遊び相手が限定されてしまったり、公園がボール遊び禁止だったり、そういった環境の変化があって二極化が進んでいると強く感じます。
このような課題を踏まえ、マルチな運動遊びを通して子ども達に運動の経験をもっとさせてあげたいですね。社会でも体力の低下が叫ばれているので、体力テストなども上手く活用しながら、子ども達の現在地を捉え、運動や体操といった分野を考えていければと思います。
読者の方にメッセージをお願いします。
運動や体操を日常の保育と切り離さないでいただきたいと思います。日常の保育の中にこそ運動の要素があるんです。歩くことを基本に、しゃがむ、這う、座る、立つ、全てが運動に繋がっています。
運動しなきゃと構えることなく、まずは日常の保育の中で、先生達が主になって子ども達と一緒に楽しんでほしいと思います。
次号から本格スタートする、毎日の保育にすぐ使える、さわだ先生の簡単&運動あそび講座をお楽しみに!

(MiRAKUU vol.50掲載)