乳児のお昼寝で注意すべきこと&心肺蘇生法(認定試験問題より)
今年4月18日の厚生労働省の発表によると、全国の保育施設で2015年の1年間に14件の死亡事故がありました。睡眠中の事故は10件にのぼり、うち6件が「うつぶせ寝」の状態だったそうです。
原因不明・調査中が8件、乳幼児突然死症候群(SIDS)と病死が各2件、窒息と溺死が各1件……とありますが、原因不明の中にもSIDSによるものが含まれるかもしれません。
日本病児保育協会では、web講座の中や公式サイトでもSIDSについて取り上げており、第6回認定試験の試験課題としても出題しました。
あってはならない保育中の死亡事故を防げるのは、正しい知識とスキルを持った保育者だけです。今回は、実際の試験課題をご紹介しつつSIDSへの学びを深めていただければと思います。
設定1
今日あなたは、勤務する病児保育室で、10か月の男の子コタロウちゃんの担当です。お昼寝の時間です。
【 設問1 】
お昼寝の時間中に、あなたが行うべき事は何ですか。そのための手法にもふれて回答用紙に記入してください。
【 設問2 】
【設問1】で記入した内容を読み上げてください。
設定2
お預かりのお子さんはみなよく眠っていたので、10分ほど別の部屋で作業をして戻ると、コタロウちゃんがうつ伏せになっていることに気が付きました。仰向けに直そうとしたとき、顔色は紫色で、冷たい感触が手に伝わってきました。
【 設問3 】
部屋にはあなただけです。他の人の助けを借りられないものとして、これからマネキンをコタロウちゃんに見立て、この状況に適切に対応していただきます。手順について、回答用紙に記入してください。
【 設問4 】
【設問3】で記入した手順を実施してください。マネキンをコタロウちゃんに見立て、何の動作をするのかを口頭で説明(実況)しながら、試験官に見えるように実際にその動作を行ってください。
動作が終わりましたら、「終わりました」と告げてください。
いかがでしょうか。あなたはどのように対応しますか。自信を持って対応できますか。
模範解答と解説は、日本病児保育協会の公式サイトにてご覧いただけます。
「病児保育」とは、普段保育所に通うお子さんが体調を崩し、熱を出したりした時の保育のことです。
病児保育室での保育だけでなく、保育園でお子さんが急に体調を崩してから親御さんがお迎えに来るまでの間の保育も、立派な病児保育です。
「病児保育」は保育の知識に加えて、正しい感染症、感染予防、看護などのスキルと知識が必要となります。
全ての保育所への看護師の配置が現実的でない今、保育士には病児保育への対応力も求められています。
この連載が少しでも皆さんの現場のお役に立てたら、幸いです。