2016.10.20
園運営お役立ち情報

第16回 セルフ・キャリアドック制度

社会保険労務士川﨑先生の保育園で役立つ園運営お役立ち情報──第16回 セルフ・キャリアドック制度

社会保険労務士事務所リーフレイバーコンサルティング代表の川﨑潤一です。

今回はキャリア形成促進助成金 制度導入コースの中で、セルフ・キャリアドック制度についてお話をしていきたいと思います。

キャリア形成促進助成金 セルフ・キャリアドック制度

キャリアコンサルタントとの、定期的な面談を行う制度を導入した場合に、支給されます。

キャリアコンサルタントとは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行う専門家です。
簡単に言いますと、従業員と個人面談を行い、今後のキャリアアップを図るためにアドバイスする人といったところでしょうか。

助成金の対象となるためには、キャリアコンサルタントとの定期的な面談が必要となります。
定期的な面談とは、労働者の年齢、就業年齢、就業年数、役職等の節目ごとに行うことを言います。
どのような節目の際に面談を実施するのかについて、企業ごとに検討し決定します。

セルフ・キャリアドック制度を導入するメリット

セルフ・キャリアドックは、労働者に、キャリアコンサルティング(労働者が主体的にキャリア・プラン(働き方や職業能力開発の目標や計画)を考え、それらに即して働こうとする意欲を高めるための相談)を定期的に提供する仕組みです。
主なメリットは下記の通りです。

  1. 労働者の仕事に対する主体性を向上させることができる
  2. 新規採用職員などの定着の支援や、育児休業者などの復帰を円滑に行うことができる
  3. 助成金により、セルフ・キャリアドック制度の導入やキャリアコンサルティング実施に要する費用の負担を軽減することができる

支給までの流れ

  1. 制度導入・適用計画の作成と提出
  2. 制度の導入
  3. 制度の適用
  4. 支給申請書の提出
  5. 助成金の受給

支給金額

1社につき1回限りの支給になります。

セルフ・キャリアドック制度 中小企業:50万円
中小企業以外25万円

制度の最低適用人数

導入・適用計画届提出時における、企業全体の正社員でかつ雇用保険加入者の人数に応じて、最低適用人数が決まっています。

雇用する正社員でかつ雇用保険の加入者数 最低適用人数
50人以上 5人
40人以上50人未満 4人
30人以上40人未満 3人
20人以上30人未満 2人
20人未満 1人

助成金に係る主な留意事項

  • 事業主が制度を導入し、最低適用人数以上の雇用保険被保険者数に適用した場合に、対象となります。
  • 事業主が同一の制度導入助成を受給することができる回数は、1回となります。
  • 雇用保険適用事業所の事業主であることが必要です

正社員を1人でも雇っている企業であれば、対象となる可能性があります。
1回限りしか支給されませんが、導入しやすい助成金です。

次回は、従業員の定着に関する制度について解説いたします。

notice

助成金を貰うためには、様々な支給条件や申請書類の提出が求められます。自社で申請をされる際には、必ず最寄りのハローワークまたは労働局にて確認を行ってください。
助成金を利用したいが手続き等が面倒だと感じる企業は、社会保険労務士への業務委託をご検討ください。

川﨑 潤一
  • 川﨑 潤一
  • 川﨑 潤一

    社会保険労務士事務所リーフレイバーコンサルティング 代表
    株式会社ヒューマンブレークスルー認定ESコンサルタント、全国社会保険調査対策協議会会員

    財閥系子会社、医療事務・介護事業会社の人事として、採用・給与計算・労働保険手続きを担当し、2011年4月1日に社会保険労務士事務所リーフレイバーコンサルティングを開業。

    ハローワークにて「助成金支給申請アドバイザー」として、窓口で支給申請の受理手続き(約700件)、相談・アドバイス、不正受給防止のため事業所への実地調査を行った経験がある。
    その勤務経験から、企業に対して現状と今後の展望をヒアリングした上で、最適な助成金の提案・手続きを行っている。

    社会保険労務士として、労働社会保険手続き、助成金手続き、就業規則の作成・改定、給与計算、セミナー講師を行う。
    その一方で、人事マンの経験を活かし人事コンサルタントとして、採用コンサルティング、従業員満足度(ES)調査・向上コンサルティング、マネジメント能力向上研修(マネージャーMQ)、社会保険調査対策、人事制度構築といった人事コンサルティングにも力を入れている。

    ホームページ:http://www.leaf-sr.jp/