きらり保育園――自分らしく働ける職場が、子どもの自分らしさも育てる。個性を活かし合う保育が息づく


社会福祉法人創人会 きらり保育園さんの概要を教えてください。
もともとは家庭保育室としてスタートし、その後さいたま市の認定ナーサリールームを経て、2012年に認可保育園になりました。そこから園が増え、現在は認可保育園が五つ、さらに児童発達支援・放課後デイサービスが1施設あります。
定員は基本60名ですが、きらりつばさ保育園だけは90名です。というのも、つばさ保育園がナーサリールーム時代にすでに60名ほど通っており、認可化する際に「新入園児がゼロでは認可できない」という条件があったため、定員を増やした背景があります。
浦和美園エリアは公立保育園が少なく、選択肢も多くないため、地域のニーズに応える形で法人として園を増やしてきました。
きらり保育園全体の特徴について教えてください。
どの園も共通して大事にしているのは、「子ども主体の保育」と「職員の得意を活かす保育」です。先生達の得意なことを聞いたり、アンケートを取ったりして把握し、それを発表会などにも活かしています。
また、「子ども達の主体性をどう保育に生かすか」「どうすれば子ども達の発信を引き出せるか」など、職員同士で話し合いながら日々保育を組み立てています。
さいたま市内の4園は藤森先生の“見守る保育”グループに所属しており、研修にも参加しています。
子ども達主体の保育は、“見守る保育”の考え方が中心なのですか?
そうですね。ただ“見守る保育=ただ見ているだけ”と誤解されることもあるので、そこは園内で丁寧に伝えています。
実際は「子ども達をよく観察し、必要な時に適切に関わる」という、非常に専門性の高い保育です。


具体的にどのような保育活動をしていますか?
異年齢の縦割りグループで活動することが多いです。子ども達同士が話し合ったり、自分達で決めたりする時間を重視しています。
行事についても可能な限り子ども達発信で進め、「どんな劇をしたい?」「セリフはどうする?」など、主体的に関わってもらうよう職員にお願いしています。
カリキュラムなどの取り組みはありますか。
英語は全園で取り入れています。その他、体操やリトミック、鼓笛などは園によって異なります。また、1つの園ではビジョントレーニングも導入していて、眼球の動きや体の使い方を整える取り組みを行なっています。
来年度は体操を一部見直し、理学療法士の先生による“遊びを通した体づくり”も検討しています。
建物の特徴はありますか。
どの園も0・1歳児は一緒に活動できる構造で、2歳児は単独、3・4・5歳児は一緒に過ごせるつくりになっています。上の年齢の子ども達の姿が見える環境にすることで、複数年齢のつながりを大切にしています。


園は全て埼玉県内にあるんですよね。その地域ならではの良さを教えてください。
はい、すべて埼玉県です。特に浦和美園に四つの園があり、もう一つが吉川市・吉川美南にあります
浦和美園も吉川美南も新しい街で、町並みがきれいです。子育て世帯も多く、住みやすさがあります。
また、苦情が非常に少なく、保育運営のしやすさを感じています。私自身も浦和美園出身で、昔は何もなかった地域が大きく変わってきたことを実感しています。
地域との交流はありますか?
はい。地元の老人ホームには年3~4回ほど呼んでいただき、子ども達が伺っています。
また、埼玉スタジアムとのつながりが強く、職員が試合日程を共有してくれたり、毎年1回「メインピッチで遊べる日」を設けてもらったりと、貴重な経験をしています。選手が使う控え室に座らせてもらうこともあります。
そのほか、近隣のお店で年長児が買い物体験をしたり、ハロウィンの際にお菓子を預かってもらったり、小学校との交流(町探検や体験授業)も盛んです。地域全体で子ども達を育てていただいている実感があります。
保育士さん達が働きやすいように取り組んでいることはありますか?
一般的なことではありますが、ICT化を進めています。そして今年から「推し活休暇」を導入しました。推しのために使っていい、特別有給休暇です。
私自身はあまりピンとこなかったのですが(笑)、労務士さんから“今はこういう制度も良いですよ”と提案を受けて導入したところ、とても喜ばれました。保育士さん達はアイドルや舞台などの“推し活”をしている方が多いので、想像以上の反応でしたね。
また、永年勤続5年の職員には3万円分の旅行券をプレゼントし、10年では旅行券+特別有給として利用できる制度もあります。ただ「一年以内に使わないと所得扱いになりますよ」と冗談交じりに伝えています(笑)。
さらに、職員の声をよく聞くようにしていて、「こういう働き方はどう?」という意見もできる限り取り入れています。早番固定・遅番固定・中番だけなど、固定シフトで働ける正職員の採用も可能にしています。最近はこの働き方を希望する人が増えています。
そしてもう1つの特徴として、私自身がセクシャルマイノリティであることから、就業規則にもその視点を反映しています。パートナーシップ制度を利用した場合も“結婚”と同様に扱い、特別有給やお祝い金を受け取れるようにしています。また、通称名の使用も可能にし、誰もが安心して働ける職場づくりを意識しています。
保育士さん達の専門性向上のため、自治体研修やキャリアアップ研修以外に独自の取り組みはありますか?
危機管理の研修として、アイギスの脇先生と契約し、年に1回法人全体で研修を行っています。
また、各園のリーダー保育士が園内研修を企画し、自分達で実施する仕組みも設けています。昨年度は私が一度レクチャーし、今年度はリーダー自身の力で進めてもらっています。
今年は「5歳児担当者研修」として、5歳児クラスを担任する先生達でZoomをつなぎ、課題の共有や“今こんなことを大事にしているよ”といった情報交換もしています。現場同士で悩みを共有できる場があることで、保育の質の底上げに繋がっていると感じています。


人間関係を良くするために取り組んでいることはありますか?
少し特徴的な取り組みかもしれませんが、さいたま市内の4園では「選択理論心理士」の先生に来ていただき、3・4・5歳児の遊びの様子を見てもらった後、午後に職員向けの研修を行なっています。
内容は、自分の“心理的欲求”や“ストレスの解消法”などを理解するためのものです。
さらに、その先生が性格検査(PCM)のトレーナーでもあるため、リーダー以上には性格検査を受けてもらっています。自分の性格を知ることで「合う・合わない」の傾向も分かり、コミュニケーションの取り方がぐっと楽になります。
たとえば、心情・思いやり型の“オレンジ”の先生と、意見・価値観がはっきりしている“紫色”の先生では伝わり方が異なる、というようなことですね。
検査結果は事務所にも掲示し、“誰がどんなタイプなのか”を見える化をしています。最近元気がない先生がいたら「ストレスが溜まっているかな?」と気づき、タイプ別のストレス対処を踏まえて声をかけることもできます。人間関係の土台づくりに大きく役立っています。
その結果をもとに配置を変えることもあるのですか?
はい、若干はあります。「この子とこの子は相性が良さそう」「このタイプの先生が関わる方がスムーズ」など、子ども達への配慮と職員のバランスを考えながら調整することがあります。
性格の“色”によって強みや課題が分かるので、職員のケアにも使っています。
きらり保育園で育った子ども達に、将来どんな姿になってほしいと考えていますか?
どんな分野でも良いので、“自分の好き”を見つけて輝いてほしいと思っています。
人のために動くことが好きな子もいれば、自分のやりたいことを追求したい子もいます。
最終的には「生まれてきてよかった」「人生が楽しかった」と思えるような未来を歩んでほしいですね。


今後の展望はありますか?
個人としての大きな夢になりますが、私はもともと社会的養護の施設にいたので、いつか子ども達のためのファミリーホームをつくりたいと思っています。
また、障害のある子ども達が自立していくための受け皿も今後ますます必要になると感じています。就労支援や生活介護など、地域の福祉に貢献できる取り組みを広げていきたいと考えています。
きらり保育園全体の一番の魅力は?
やはり“人”ですね。それぞれの職員が持っている“個性”や“持ち味”が、とても豊かだと思います。その個性を生かした保育ができていることが魅力ですし、お互いの違いを認め合える風土もあります。
もちろん時には意見がぶつかることもありますが(笑)、本音で向き合える関係性があるのは強みだと思います。
一人ひとりが違った色を持っている。その多様性こそが、きらり保育園の最大の魅力だと感じています。
きらり保育園

住所
〒339-0025
埼玉県さいたま市岩槻区釣上新田1428
開園時間
保育標準時間 7:00~18:00
保育短時間 8:30~16:30
土曜日 7:00~18:00
休園日
休日・祝日・年末年始
連絡先
TEL:048-812-4850
FAX:048-812-5120



