第1回【マネジメントの理解について】感情マネジメントの重要性
保育園運営のヒント

前回のおさらい(第0回より抜粋)
- 感情のコントロール=成果のコントロール
- 感情のコントロール=人生のコントロール
成果決定には、感情、出来事、意味付け、意思決定、行動、成果というプロセスがあります。毎日を生きていればたくさんの出来事が起きますが、その出来事自体に意味はなく、意味付けをするのは自分の感情がもとになっているのです。自分の感情をどうマネジメントしていくかということは、良い成果を出すため、人生を良くしていくためにすごく重要です。
感情のコントロール?
編集部: 自分自身の感情をマネジメントする、言葉で聞くと分かったような分からないような……。
そもそも“感情”というのは喜怒哀楽という言葉があるように「喜び」「怒り」「悲しみ」「楽しみ」などになるのでしょうか。感情なのでコントロールすることが難しいような気もしますが、どんな方法があるのでしょうか? 今回はその部分について学んでいきたいと思います。
保育園で園長をやっているのですが、ある保育士が自分の思い通りに動いてくれず、ついイライラしてしまいます。言葉には出さず、優しい口調で注意しますが、わかっているのかいないのか「はーい」とへらへらした調子で返事が返ってきます……。
そして先日、1度注意したミスをまた繰り返してしまった保育士に注意しましたが、「はーい」と間延びした返事を聞いた瞬間にイライラが限界に達し、ついきつい口調で怒鳴ってしまいました。その後、その保育士は辞めてしまいました……。
嶋津: 人はなぜ感情が乱されるのか? 「こうあるべき!」というあなたの期待、価値観、思い込み、つまりマイルールが原因で感情が乱れるということをまず理解しましょう。
この場合、あなたの中にこんなルールはありませんでしたか?
- 言われたことは改善すべき
- ミスは厳しく叱責すべき
要はあなたの期待や価値観、思い込みで作られた、あなたの「ルール」が、あなたを怒らせた原因なのです。人は、この自分の「べき」が守られないと、感情が乱れ、不必要な「べき」が「多い」と、感情を乱される数が増え、不必要な「べき」が「強い」と感情を乱される強度が大きくなっていきます。あたかも対象者が自分に与えているものだと思いがちですが、もとをたどれば、相手の行為や言葉に対して、自分自身が「怒る」や「悩む」「落ち込む」という意味付けをして、自らが発生させている感情です。なので、不必要な「べき」を自分自身の考えから取り払い、欲しい行動を明確にし、こうしてほしかったという自分の気持ちを言葉にして伝えることから実践してみてください。

編集部: なるほど。自分の思い込みやマイルールが自分自身の感情を乱しているのですね。
真面目に仕事に取り組む保育士さんだからこそこういった悩みを持つ方も多そうです。「べき」を減らして、自分自身の感情をまず理解することから始めてみることが大事ですね。
次は主任の先生からこんなお悩みが届きました。
保育園で主任をしています。先日園児の靴下を入れ間違えてしまい保護者から怒鳴られてしまいました。それが原因で1週間経った今も気持ちが落ち込み、その保護者が迎えにくるたびにビクビクしてしまいます。
どうしたら良いでしょうか?
嶋津: この場合、保護者を見てビクビクするという事に焦点を当てるのではなく、起こしてしまった出来事(靴下を入れ間違えた)にフォーカスしましょう。靴下を入れ間違えた事は事実であり、次回は靴下を入れ間違えないようにするという行動に焦点を当て、感情(気持ち)をコントロールすることが大切です。相手が怒ったことは「出来事」「事実」でコントロールが不可能なものであり、どうすることもできません。以下のワークで自分にとってコントロール「できること」と「できないこと」を自分の中で仕分けしてみましょう。
また「心のあり方」が「身体の使い方」にも比例し、「身体の使い方」が「心のあり方」に比例しますので、スキップなどをして、次から気を付けようとプラスの動きをして、落ち込んだ気持ち(感情)をコントロールしてみてください。

感情マネジメントのためにすべき3つのこと
01フォーカス(焦点)を変える
- 「人」と「事」を分ける
- 「人」にフォーカスしない
- 「事」にフォーカスする
「人」を変えることは非常に困難ですが、「事(出来事)」を変えることは可能ということです。
つまり、自分でコントロールできない「人」には意識を向けず、コントロールできる「事」に焦点を当てるようにしましょう。
02言葉の使い方を変える
言葉とは、必要な行動を相手から引き出すための道具です。
仕事の完遂に向けて「どう伝えるか」ではなく、「どのようにすれば指示に基づいて相手が行動するか」を考えます。引き出したい成果に必要な言葉を使っていく(してほしいことに焦点を当てる)ことが大切です。
03身体の使い方を変える
「心のあり方」が「身体の使い方」に比例し、「身体の使い方」が「心のあり方」に比例する
例えば、気分が落ち込んでいる時、頭を垂らしたり、肩を落としたりしていませんか? そんな時は、顔を上げ、背筋をまっすぐ伸ばすことで、プラスの感情を持つことができます。
感情はなるものではなく、作るもの。どのように使うかは、自分で決めていくことができるのです。
総まとめ
今回は「感情マネジメント」についてまとめてみました。いかがでしたでしょうか?
自分の身近なシチュエーションに当てはめて考えてみると理解しやすいですよね。感情をコントロールして日々のモヤモヤを減らしていきましょう! 職員間の研修でワークをやってみるのもおすすめです。
次回は「リーダーシップ」について学びたいと思います!
(MiRAKUU vol.38掲載)
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経歴
教育コンサルタント。上司学のプロフェッショナルとして、国内、海外で講演・企業研修・コンサルティングを行い、メディアにも多数出演。
シリーズ100万部のベストセラー『怒らない技術』(フォレスト出版)をはじめ『子どもが変わる 怒らない子育て』(フォレスト出版)、『7日間イラオコダイエット』(EVO出版)など、著書累計は29冊で150万部を超える。
主な役職として、一般社団法人日本リーダーズ学会代表理事、リーダーズアカデミー学長、早稲田大学エクステンションセンター講師を務める