「ICTシステム」ってどんなもの? 軽減される保育士への負担
保育士不足や待機児童問題が深刻な状況になっている中、注目されているのが「ICTシステム」です。保育士の事務作業が軽減されることからICT化を推し進められています。では、その「ICTシステム」とは、どんなものなのか紹介します。
保育士への負担が軽減される「ICTシステム」とは?
ICTとは、「情報通信技術」と訳され、Wi-Fiなどの通信技術を使ったコミュニケーションのことです。
ICTシステムを保育園でたとえると、登降園管理や請求管理、指導案作成、保護者連絡、物販などを自動化することで保育士の事務作業の負担を軽減するものです。タブレットなどで操作できるものが多く、 手軽に利用するこができます。
では、どのように保育士の負担が軽減されるのでしょうか。
今の業務がどう変わる?
1. 登降園管理業務の効率化
園児の送り迎えでもっとも重要なのが、登降園管理業務ではないでしょうか。誰が園に来ているのか、誰が休みなのかを把握しておく必要があります。
従来であれば、手書きで記入したあとにエクセルへ打ち込むので、時間がかかってしまいます。
ですが、「ICTシステム」を利用するとタブレットで管理し登録することができるので、記入する手間が省け、エクセルに打ち込む作業もなくなります。
2. 請求管理および処理に関する業務の効率化
請求管理は、登降園管理と連携しており、特に延長保育など管理が重要になってきます。しっかり時間が定まっている園であれば、なおさら登降園の時間計算、保育料、給食料金などを把握しなければなりません。これらの請求は園側がしっかり把握していなければ、金銭トラブルにもなりかねません。「ICTシステム」を利用することで、登降園における園児の出欠管理をシステムでおこなうため、延長保育の児童計算はもちろん保育料なども自動で算出されるため、簡単に請求管理をすることができます。
3. 指導案作成業務の効率化
職場ごとフォーマットが異なっていたり、担当する園児の分の指導案を作成する場合、保育所保育指針に従って年間計画から月間指導案を作成しなければなりません。
指導案の作成時間においては、保育士の技量や経験年数によるところもありますが、保育中に作成することは難しいため、保育時間外に製作するということになります。
「ICTシステム」を利用することで、指導案をコピーして他の園児に活用することができます。また、園児の年齢に合わせてある程度の文例集などを備えているシステムもあるので、いちから考えずに済みます。保育園、幼稚園などのICTシステム導入の一番の目的が、指導案作成業務の効率化とされるくらい時間短縮に効果があります。
「ICTシステム」による業務の効率化を紹介しました。今回とりあげた業務以外にも保育士の仕事はたくさんあります。ですが、これらの業務だけでも負担が軽減されれば、保育士の離職を防ぎ、より良い保育ができるのではないでしょうか。