2021.10.15
保育園訪問【雑誌掲載版】

未来のカプセル原宿保育園──世界に一つだけの保育園でワクワクする毎日を

世界に一つだけの保育園でワクワクする毎日を──未来のカプセル原宿保育園

未来のカプセル原宿保育園さんについて教えてください。

園長:坂口千春さん

今年の4月1日に開園した渋谷区の認可保育園です。地域カルチャーをコンセプトに、園名、内装、ユニフォームなど独自のものを用意し、世界に一つだけの保育園創りを行なっています。理由は2つあります。1つは、会社のミッションである「主体性を育む」ために、その源泉となる「この保育園に行きたい」という感情が湧き出てくるような空間にしたいと思ったからです。もう1つは、保育園は地域に愛される存在でなければいけないと思っているからです。保育園を取り巻く問題の1つに、地域からの反対運動があります。それに対し、地域カラーを特長として地域に寄り添った保育園ができればと考え、地域のシンボルとなるよう園のデザインを行いました。
玄関を入ると、オリジナルのかわいいキャラクターがお出迎えをしてくれ、ほっこり癒される空間になっています。また、階段やお部屋の案内板などもキャラクターをモチーフとしたものになっており、「夢が詰まったカプセル」保育園になっています。

子ども主体の保育ではどんな取り組みを行なっていますか?

未来のカプセル原宿保育園

子どもを待つことができているか。子どもがどんなことを考えてどんな気持ちでいるのかを理解し寄り添っているか。子どもがやりたいこと、求めていることを邪魔していないか。子どもを従わせていないか、大人の物差しで測っていないか。そういったことを保育者が常に考え、自問しながら接するようにしています。
外国人の先生が常駐しており、毎日の保育の中に英語の会話がある環境です。特に英語のカリキュラムは設けていませんが、朝の会、帰りの会、リトミックを英語で行い、無理なく自然に子ども達が英語に触れ、親しめるようにしています。
また、皮がついたままのトウモロコシを用意し、子ども達が皮をむいてその皮をオブジェにするといった遊びや、ナスの皮で色水を作り、レモンや重曹を入れて色の変化を楽しむといった科学的な遊びを取り入れています。
食育として、園庭の一角に菜園を作っており、カゴメさんに提供してもらって、ミニトマトとパプリカの体験型栽培を行なっています。ほかにも、日よけ代わりにゴーヤを育てています。こういったものを使い、食べるだけの知識ではなく、どのように食べ物がなっているのだろうとか、どういう風に食べ物と接していくのだろうといったことを実際に子ども達が体験し、興味関心が広がるようにしています。

主体性の保育をするあたって、保育士の教育はどのように行なっていますか?

食育の一環で野菜を育てています★

弊社は、子ども達に主体性を育む機会を提供したいという想いで代表菊地が創業しました。この保育園を作った経緯や菊地のニュージーランドでの経験など、会社の創業理由や、主体性と自主性の違いなど、弊社の理念とする保育の説明等を全社員に対し研修しています。さらに今年から、月齢に応じた主体性の保育が全社に浸透するように社員が閲覧できる保育の動画作成を行なっています。主体性を育む保育とはどんなものかを言葉で説明されても、実際にやるとなるとすぐにできるものではありません。そこで、解説動画を作り繰り返し見ることによって、具体的な保育の状況や方法を学ぶことができます。
園としては、新しい園なので若い先生も多く、まだ手探りの部分もあるので、密なコミュニケーションを念頭においています。毎日定期的にミーティングを行い、保育の振り返りや情報共有ができる時間を確保しています。
また、経験の浅い先生が、自分だけでいっぱいいっぱいになって保育に行き詰まってしまう場面が見受けられたので、デスクワーク時間を設けました。他の人に聞ける環境で、月案作成や自分の学びのために1日1時間ほど個別に時間を作ったのです。これにより、少しずつ先生達の意識が変わり、心も軽くなってきたようです。

この園に通っている子ども達に将来どうなってほしいですか?

自己肯定感が低い子どもが増えてきたと感じていることもあり、まずは自分自身を愛してほしいと思っています。自分のことが大好きで、自分を大切にする。そういう気持ちが自信や意欲、チャレンジ精神に繋がり、さらにそれが土台となり、ほかの人に対する思いやりが育ち、人の気持ちがわかる、人の気持ちに寄り添って行動ができる人になるのではないかと思います。

今後の展望を教えてください。

未来のカプセル原宿保育園

新型コロナが猛威を振るっているのですぐにできる状況ではないのですが、3つほど考えています。1つ目は、探検みたいな感じで国立競技場を見に行ったり、大規模保育園にお邪魔して大勢の中で遊んだりする機会を作ることです。まだ定員に達しておらず少人数だということもあり、自己主張したり、積極的に自ら行動したりする機会が少ないのですね。そこで、いつもと違う環境を用意し、積極性を育めたら良いなと考えています。
2つ目は、運動会や遠足になかなか行けない状況なので、親子ふれあい会として保護者の方に来ていただき、一緒にリトミックや遊びをしたいと思っています。今は保護者の交流ができていないので、保育の悩みや色いろな情報交換ができる機会も一緒に作れたらと思います。
3つ目は保護者の方の1日保育士体験です。連絡帳で毎日お子様の様子はお伝えし、写真も見られるようにはしているのですが、細部までは伝わらないと思うんですね。また、保育士がどういう活動をしているのかも見えにくく不安な方もいらっしゃると思います。保護者の方に1日保育士体験をしていただき、保育者と一緒に動くことによってそれらが解消できるのではないかと考え、計画している最中です。

未来のカプセル原宿保育園といったら?

常に楽しい、素敵と思える環境を心がけて保育をしている場所です。私達は、今日も行きたい、ここへ行きたいと思える場所を目指して日々保育をしており、安心感あふれる空間を創ることに努めています。子ども達の目に映るすべての物がお気に入りになればいいなと思っています。

※今回は新型コロナウイルスの影響を鑑みてオンラインにて取材させていただきました。

未来のカプセル原宿保育園

未来のカプセル原宿保育園

住所

〒150-0001
東京都渋谷区神宮前6丁目34番25号

アクセス

JR山手線 原宿駅より徒歩7分

開園時間

月~土 7:30~20:30

連絡先

TEL:03-6452-6365

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