スターチャイルド 川和ナーサリー──一緒に考え、一緒に喜ぶ小さな交流の積み重ねで繋がりを深める
保育園の内装へのこだわりを教えてください。
高い天井を活かすつくりになっています。色いろなところに段差やアクセントをつけることで、生活の中で子ども達が自然に環境に適応する力がつくようになっています。
また、今までの概念を取り払い、子どもがいるところには壁を作らず、大人がいるところに仕切りを付け、子ども達が過ごす空間をなるべく広くしました。最初は、入所してくる子ども達が広い部屋に大喜びで、走りまわって大変でしたね。(笑)
入所して半年ほど経つと、自分の過ごす場所が自分でわかるようになります。部屋に仕切りがないことで、子ども達が違うクラスの様子がわかり、お互いの存在をいつも感じることができる点がいいですね。
齢、クラスに関係なく、保育園全体が繋がる設計になっています。
子ども達への配慮を教えてください。
1、2歳児のお部屋は段差が多くあるため、子ども達は最初、恐る恐る昇り降りをしますが、次第に自分の発達段階に合った方法、たとえば手をついたり、一度座ってから降りたりと、様ざまな方法を使います。それを繰り返していく中で、自然と生活対応力を身に付けていくことができます。0歳児は、1、2歳児とは違うスペースで過ごすため、穏やかに落ち着いて過ごすことができます。
壁がないことで、自分とは違う年齢の子ども達を間近で見ることになり、子ども達同士がいい意味で刺激を与え合っています。例えば、給食。苦手なメニューで苦戦していても、自分と違う年齢の子が一生懸命食べて褒められている場面を見ると、いつのまにかパクパクと食べてしまうんですよね。そのような環境がとても魅力的だと思います。
保育士同士も様ざまな気づきをすることができ、お互いを支え合っています。子ども達にとって、保育所は初めてでてきた自分たちの社会です。家庭のような居心地の良さも大切にしつつ、集団生活のなかで自分がどう行動するのか、自然と分かっていく環境を大切にしています。
保育士同士の繋がりを深める工夫はありますか?
全部で7園の系列保育園がありますが、全体で施設長クラスを集めた研修や、リーダー、主任を集めた研修、スタッフ・保 育士を集めた研修というように、クラスを分けた研修を年3~4回ほど、全体の研修を年に2回ほど行っています。
各園がそれぞれ、自治体の研修にも参加しています。特に横浜市は無料で保育士のための研修や話を聞く機会を設けてくださるので、参加しています。
スターチャイルド川和ナーサリーでは、20代から40代の幅広い年齢層の保育士がまんべんなくいるため、様ざまな視点をもつことができますね。ベテランにも、若手にもそれぞれいいところがあり、お互いの刺激になっています。保育士同士の繋がりも大切にしています。
保護者との繋がりを深める工夫を教えてください。
乳児の保育所であるため、私達の園の保護者は第1子を産んで1年たっているかいないかくらいの時期で、子育ての形をどんな風にしたいかという希
望はあるものの、そのためにはどうすればよいか、悩みや不安を抱えている方が多いです。子育てに関する意見や考えはしっかりと持たれているので、私達がお話を伺い、共感しつつ、集団での生活、また保育園であることを理解していただくようなお話もします。
子ども達がまだ小さいので、子ども達にも、保護者にも寄り添っていくことを大切にしています。どんな小さいことでも、話を聞く時間を作り、一緒に考えていく。解決したときや、成長がみられたときは、一緒に喜ぶ。そういった小さな交流の積み重ねによって繋がりを深めています。
食育についてお聞かせください。
栄養士、調理師が給食を作るだけではなく、子ども達が食べている様子をくまなく見て回っています。子ども達の人数が30~40名ほどですので、子ども達一人ひとりに、どんな食育をしていくか細かく考えることができますね。家庭でもどのようにしていけばいいか保護者と話しあう機会を設けることで、家庭と連携して、乳児期の子ども達に食べることを教えていくことを心がけています。
食育としては、野菜を洗うことから始め、卵の白身を泡立てることや、すいとん作りなどを体験し、実際に給食で食べる機会があるため、それが家庭でもお手伝いをするきっかけとなればいいと思っています。保護者にもそのような意図を伝えています。
さつまいもを園の隣の畑で育てていて、自然の恵みや実際の収穫を体験することもできます。
また、そのさつまいものツルを使ってクリスマスのリースを作り、飾り付けをしました。
子ども達の記憶にどれだけ残っているかは分かりませんが、経験をしていくことが大切だと思うので、とにかく子ども達にとって新しいことに触れる機会を多く作るようにしています。
どのような保育を心がけていますか?
乳児に関しては、ゆったりと家庭にいるような環境での保育を心がけています。それはダメ、違うなどの否定の言葉を使わず、肯定形による前向きな言葉かけを大切にしています。
また、どのような場面でも、子どもが自分で行ったことを尊重するよう心がけています。
簡単に手を貸すことはせず、子ども達のことをじっくり待つことで、食事が自分で食べられるようになった、自分で着替えができるようになった、というような場面を増やしたいです。
子ども達に将来どのような子になってほしいですか?
スターチャイルド川和ナーサリーでは、2、3歳児までしか見てあげることができないため、子ども達が卒園してから受ける影響の方が大きいかもしれませんが、自分に自信を持って、前へ進める人になって欲しいです。小さくてもよいので、成功体験をすることで、自信を持つことができます。失敗も経験することにより、成功体験が活き自信を持ち、どんな場面でも前向きに一歩を踏み出すことができると思います。なので、自信が持てるものをなんでもよいので、見つけて欲しいです。それができた子は、そこからぐっと伸びますからね。自信がもてることを見つけられるよう、新しいチャレンジや可能性を、保護者とともに、保育園でも与えていく。そんな役割も、保育園は担っていくべきですね。
スターチャイルド川和ナーサリーといったら?
笑顔ですね。保育園に見学に来た方や保護者の方に、子ども達、そして保育士の笑顔が素敵ですねとよく言われます。特に意識しているわけではないので自分たちではわからないのですが(笑)保育士たちはとても明るいです。
子ども達ももちろん笑ったり、泣いたりと忙しいですが、天井が高いためでしょうか、よく笑い声が響いていますね。
スターチャイルド 川和ナーサリー
住所
〒224-0057
神奈川県横浜市都筑区川和町1250-3
ガーデンプラザ川和EAST 2F
最寄駅
横浜市営地下鉄グリーンライン川和町駅より徒歩1分
開園時間
8:00~19:00
連絡先
TEL:045-929-2223