ぽとふ綾瀬園──どんな子でも受け入れ、子どもも職員も成長を目指す病児対応の小規模保育園
ぽとふ綾瀬園さんについて教えてください。
ぽとふ綾瀬園は、定員が19名の小規模保育園になります。系列園の中でも綾瀬市でも共に病児保育室が併設されている唯一の園となります。病児保育室には看護師と保育士が専属で配置されており、綾瀬市内に居住している1歳から小学6年生までのお子さんが発熱などで保育園や幼稚園、小学校を休まなければならない場合に、1日3名までお預かりすることができます。
病児保育室は医者の承諾書が無いとお子さんをお預かりすることができないのですが、コロナ禍で医者も風邪なのかコロナなのか判断が難しく、なかなか承諾書を出すことができず、昨年は1年間で5人程度しか利用がありませんでした。最近はコロナの特徴も分かってきたため承諾書も出せるようになり、今年に入ってからは毎日2人ずつぐらい利用されていますが、変異ウィルスの出現で感染者が増加すると利用者がパタリと減ったり、少し収まってくるとまた利用者が増えたり振り回されています。
これまで綾瀬市には病児保育室が無く、大和市や海老名市の病児保育室まで通う必要がありましたが、コロナが収束すれば近隣住民の利用者が増えると思っています。
園舎などのこだわりについて教えてください。
木の温もりを大切にしており、自宅に居るように過ごしてほしいとの思いがあります。保育園というと、お知らせとか飾りや貼物がたくさんあるイメージかと思いますが、みなさんもご自宅には貼っていないように、なるべくご自宅と同じような環境を作りたく、当園では基本的に飾りや貼物をしていません。
また、園内は事務所を真ん中に、病児室と保育室と分け、入口も分けています。
小規模園ならではの取り組みについて教えてください。
大規模園ですと保育は保育、事務は事務、調理は調理、といったように分業がしっかりとなされ活動場所も分かれていて、それぞれのチームで1つの園を作り上げている部分がありますが、当園は病児保育室の定員を含めても19名ですので、職員全員で子ども達を見るということを意識しています。調理室も事務室も保育室に面し、全職員が分け隔てなく子どもを見ることができるように保育室を中心とした配置をしています。打合わせも全職員で行い、全てを共有できるようにしていて必ず声掛けも行い、密に連携が取れるよう心掛けています。
保護者が職員として働いていると伺ったのですがどのような経緯からでしょうか?
私も過去に2~3人スカウトした経験があります(笑)。大規模園となると園長は保護者と直接話す機会が少ないかと思うのですが、ぽとふ系列は小規模園であるため、保護者とお話しをする機会は多いです。その中で、かつて保育士として活躍されていた保護者の方から再就職について悩みを伺うこともありましたので系列園をご紹介させていただくこともありました。お子さんと同じ園で働くご希望に100%お応えすることはできませんが、当社では系列園があるため近くの園で働くことができることがメリットかと思います。内部事情など保護者に見られたくないということも全くありませんので、当園で働いていただくことは大歓迎です。
採用についても働ける時間だけ働くということを尊重しており、子育て中の保育士も多いです。19名の定員に対して20名近く保育士がおりますので、細かく時間を区切って働いてもらうことができているのもメリットではないかと思います。私自身の経験からも言えることですが、子育て中の保育士ならではの助け合いや連携を取ることができ、協力し合える体制が整っているため働きやすいのかなとも思います。系列園では園長の世代や実績も幅広いので、月に1度の園長会議ではそれぞれの悩みにアドバイスをし合ったり、意見交換したりしていて園長同士もとても良い関係が築けています。
どういった人と一緒に働きたいですか。
仕事を心から楽しむことができる人を望みます。なぜなら、自分自身が楽しく仕事ができなければ子ども達も楽しむことはできないと考えているからです。子どもが大好きで楽しく仕事をしたいと思っている人と一緒に働けたらなと思っています。
保育の質を上げるための取組みについて教えてください。
社内に研修制度があり積極的に受講できるようにしています。また、週に1度園長との面談を設けていて、保育士各自の課題や目標について話し合い、進捗や成長について確認をしています。園長とマネージャー陣も週に1度ミーティングを行い、自身が立てた目標の達成状況を点数化し、半年に1度昇給できる仕組みが設けられています。学ぶ姿勢を忘れず自ら目標を立て、努力することが大切で、頑張った分は確実に形になるようになっていますのでモチベーション向上にも繋がっているのではないかと思います。
食育について教えてください。
味覚をきちんと刺激するため素材の味を大切にし、出汁をしっかり取り旨味を感じてもらうことを大切にしています。昨年は生きているものをありがたくいただくという食育を目的として実際に生きている“どじょう”を市場で買い、桶に入れてつかみ取りをさせ調理室で調理してもらったものを子ども達に食べてもらうという企画を実施しました。当園では小さな子どもだからできないという考え方はせず、色いろなチャンスを与え学ぶことで、その時には分からなくても後の様ざまなことに繋げていけたらと考えています。
また、食材をただ食べるだけではなく、その食材をどのように調理して食べることができるかということを学んでもらうために、育てたトマトを使いピザソースを作ったりもしました。子どもは実体験が伴わないと学びに繋がっていきませんので、「知る・見る・触る」をできるだけ経験できるような取り組みをなるべく企画しています。
保育方針について教えてください。
大きなテーマとして「子どもたちの自然な笑顔のために」を掲げており、一人ひとりの活動をしっかりと見守り、満足感や自己肯定感を高めてもらうようにできることをたくさん増やし、笑顔になってもらえるような保育を心がけています。
また、子ども達にとって、本物に触れることが一番だと考えていますので、季節感を感じることができるようにエントランスに季節の花を飾っています。遊びの中から色いろなことを学べるように職員全員で“ワクワク”をたくさん作りあげることを職員全員で取り組んでいます。
YouTubeで配信している動画について始めるきっかけなどお聞かせください。
コロナ禍での登園自粛期間に自宅でも保育園にいる時と同じように楽しんでもらいたいとの思いから、ぽとふ保育園公式チャンネル「おうちえん」を立ち上げ配信するようになりました。各園持ち回りで職員が話し合いをして動画撮影を行なっており、当園では親子の触れ合いや遊びをコンセプトとしてご家庭でも取り入れることができるようなものを紹介したところ、想像以上の再生回数でしたので、みなさんから必要とされているのだなと実感しております。
今後は、在園児だけでなく幅広くたくさんの方に楽しんでいただいたり、他の園の制作物の参考教材としたり活用していけたらと考えています。
園長による「今週のぽとふ」も入園希望の保護者向けに、園の中の様子や行事、どんな職員がいるのか参考になるような配信内容にしています。
ここで育った子ども達には将来どのようになってほしいですか?
関わった職員のことは忘れてしまっても、思い出は心の中に無意識に残ると思っています。私達がたくさんの愛情を注ぎ、全てのことを受け止めてあげることで、大人になった時にどんな状況でも受け止めてもらえるということが根底に根付くのではないかと考えています。そのため、全ての人に優しくどんな人でも受け入れることができる人になってほしいと思います。
ぽとふ綾瀬園は、土地柄、外国籍の園児も多く、肌の色も違い日本語がほとんど話せない子もいますが、そんなことを気にせず仲良くなっていますので、どんなことも受け入れることができる大人になれるのではと思っています。
ぽとふ綾瀬園といえば〇〇。この〇〇に入る言葉は?
「国際色豊か」です。当園は障がいを持つ子、外国籍の子、日本語が話せない子、どんなお子さんも大歓迎です。色いろな具材を入れて美味しいお鍋ができる「ぽとふ」と命名しているように、職員も同じく特技を活かし、刺激し合い園を一緒に盛り上げていけたらと思っています。
今後の展望についてお聞かせください。
できる限りのことを子ども達に経験させてあげたいと考えています。保護者が当園を選んで良かったと安心して預けることのできる園を目指し、国籍や障がいを問わずどんな子でも受け入れていきたいです!
ぽとふ綾瀬園
住所
〒252-1136
神奈川県綾瀬市寺尾西3-11-1
アクセス
JR 海老名駅よりバスで10分
相鉄線 かしわ台駅よりバスで10分
開園時間
月~金 7:30~19:30、土 7:30~18:30
延長時間 月~金 18:30~19:30