2015.01.15
感染症マメ知識

悪化を防ぐために鼻水のいろはを知ろう!編

保育の現場でスグに役立つ感染症マメ知識~悪化を防ぐために鼻水のいろはを知ろう!編~──一般財団法人 日本病児保育協会

※今回の記事は、横浜市高津区の小児科・北浜こどもクリニックの北浜直院長にご監修いただきました。

前回の記事でご紹介した急性中耳炎。 この急性中耳炎の主な原因となる「鼻水」について、みなさんは正しくケアできていますか? 鼻水を放っておくと、急性中耳炎だけでなく様々な感染症の原因になります。
今、あなたのクラスにも鼻水の出ている子どもはいませんか?鼻水のケアを正しく行い、子どもの健康を守りましょう!

鼻水の原因

ウイルスに感染して、鼻の粘膜が過剰に刺激されると、いわゆる鼻風邪といわれる急性鼻炎の症状を引き起こします。
またスギなどの花粉や、ダニやホコリなどのハウスダストといったアレルギーの原因になるものが、体内に侵入してアレルギー物質を作り、鼻水などを引き起こします。

子ども(特に乳幼児)の鼻の特徴

  • 鼻の中の空間が狭く、少しの気温の変化で鼻水の分泌が増える
  • 鼻と耳をつなぐ管(耳菅)は、大人に比べると水平になっていて、原因菌が鼻から耳に入りやすい
  • 鼻と目をつなぐ管(鼻涙管)は、鼻が詰まると目やまぶたの腫れの原因になる

鼻水悪化で子どもに起こりやすい症状

子どもの副鼻腔炎に見られる主な症状
■副鼻腔炎

鼻の穴の中を「鼻腔」といいますが、この鼻腔のまわりには、骨で囲まれた空洞部分が 左右それぞれ4個ずつ、合計8個あり、鼻腔とつながっています。この空洞部分が「副鼻腔」です。

鼻水の過剰な分泌や粘膜の浮腫によって鼻腔と副鼻腔をつなぐ自然口の詰まりを導き、鼻腔とつながっている8つの副鼻腔のいずれかまで炎症が広がって起こります。

■後鼻漏

本来、鼻水は鼻から入ってきた空気の加温・加湿に用いられたり、再吸収されたりします。
しかし、アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎が原因で鼻汁が過剰に分泌された場合、咽頭へ流下してしまうことがあります。
特に慢性の副鼻腔炎の場合などは、粘性または膿性のものであり、流下した先で炎症を起こしやすくなっています。この炎症により、のどの違和感や咳・痰の症状が現れます。このような症状がある場合、後鼻漏が原因となっている場合があります。

■中耳炎

中耳炎について詳しくは、保育の現場でスグに役立つ感染症マメ知識~普段の生活から急性中耳炎を予防編~をご覧ください。

保育所での対応

鼻水にはウイルスや細菌がたくさん含まれています。
保育所では、他のお子さんや保育者への感染を防ぐためにも鼻をかんだ後の適切な対処が必要です。

保育所での対応

 

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… 病児保育とは …

「病児保育」とは、普段保育所に通うお子さんが体調を崩し、熱を出したりした時の保育のことです。
病児保育室での保育だけでなく、保育園でお子さんが急に体調を崩してから親御さんがお迎えに来るまでの間の保育も、立派な病児保育です。
「病児保育」は保育の知識に加えて、正しい感染症、感染予防、看護などのスキルと知識が必要となります。
全ての保育所への看護師の配置が現実的でない今、保育士には病児保育への対応力も求められています。
この連載が少しでも皆さんの現場のお役に立てたら、幸いです。