第3回 採用本番! 秋を制する者が4月を制す! 採用力強化で人手不足解消へ
採用応募が後を絶たない、職員が辞めない保育園があります。経営の秘密と保育の展望を紐解くコラム全4回。
運動の秋、味覚の秋、採用の秋!
行事も本番、とても忙しい時期ですが、採用もピークの時期ですよね。ただ、実は採用を考える上で大事なことは「長期目線」。求人を出してすぐ採用、というよりも、長期的な視点で「どんな仲間と働きたいか?」について熟考した上で採用をスタートすることが重要となります。
保育士の働き方改革は、人員確保が要。
そこで今号から2回に分けて、採用に関する4つのステップをお伝えしていきます。
ステップ1:発信
どんな仲間と働きたいか? を明確にしたら、次に園としての考えや職員に対する想いをまとめておきましょう。そしてそれをどんどん発信しましょう!
ではどんなツールで?
SNS/無料求人媒体/有料求人媒体/人材紹介
この順番で発信を強化していきましょう。
一番手は、SNSです。20~30代女性の使用率の高いInstagram、10代~20代中盤男女の使用率の高いTikTok。まずはこちらをメインで使ってみましょう。
Instagramは、ただ保育の写真と行事の写真を載せるだけではなく、「ここで働いてみたい!」と思うエピソード・ストーリーを写真と一緒に表現しましょう! ココでのポイントは、最初にまとめた「一緒に働きたい仲間」がここで働きたいと思える内容かどうかをよく考えることです。園や職員に対する想いをストーリー仕立てで表現すると良いでしょう。また、Instagramは「世界観」が重要なメディアですので、園のイメージにあったビジュアルにすることも大切です。
TikTokは、ショート動画SNSですが、ぜひ職場の雰囲気がわかる投稿を心掛けてください。動画は文字に比べて情報量が5,000倍あると言われているため、ショート動画は短時間でも多くの情報量を相手に伝えることができます。TikTokの動画はInstagram、YouTubeにも代用ができるため、ぜひ活用してみてください!
さて、そのように発信をより多く行うことで興味を持ってくれた方が次にチェックするのは園のウェブサイト、ホームページ(以下HP)になります。
ステップ2:エントリー
では、興味を持ってくれた方が見学に行ってみたい! と思えるにはどうしたら良いか? そこで重要なのが、採用HPの存在です。HPを整備する保育園さんは近年増えていますが、採用ページはどうなっていますか? 求人情報だけを記載してあとはフォームから申し込みや電話連絡なんてことになっていませんか?
HPはいまや園の顔です。HPにしっかりとした情報が載っていなければそのままスルーされてしまうこともあるでしょう。ぜひ、SNSで発信しきれない想いをHPに載せて、その想いに共感してくれた方に来てもらえるように整えましょう。
採用に関しては、どこかのプロセスでボトルネックがあるとそこで離脱してしまいます。まずはステップ1、2を実行してみてください!
次回は、見学対応・面接編をお伝えしたいと思います。 ではまた!
- 野上 美希(のがみ みき)
社会福祉法人風の森 統括
学校法人野上学園 主事
株式会社野上アカデミー 代表取締役
一般社団法人キッズコンサルタント協会 代表理事大手シンクタンクにて、コンサルティング、採用、営業を経験した後、人材紹介会社にて事業部の立ち上げに従事。営業部長として複数の部下をマネジメントする傍ら、女性のための人材紹介サービスの代表も務める。自身の妊娠を機に久我山幼稚園の運営に携わる。
成長著しい時期である0歳~9歳(シングルエイジ期)においての一貫した教育を提唱し、子育てひろばや学童保育、6つの認可保育園を開設。
また、キャリアカウンセラー資格を活かし、保育士のための仕事紹介サービス『保育ウィルキャリア』も主宰し、自園以外の保育士のキャリアに対しても寄り添う。幼稚園の採用のみならず、認可保育園を毎年1園ずつ増やす中で、独自の採用手法により、国基準の2倍の保育士確保を実現。現在、業界に先駆けて保育者の働き方改革を実践している。