第20回 従業員の定着について(4) ES 向上の要素
社会保険労務士事務所リーフレイバーコンサルティング代表の川﨑潤一です。
今回はES 向上の要素についてお話しいたします。
前回の連載において、報酬は金銭ではない、求めるものはかなり多様な事柄があることをお伝えしました。
ではES 向上に繋がる要素として、どのような要素があるのか考えていきたいと思います。
ES 向上の要素
私が所属しているES コンサルタント会社(株式会社ヒューマンブレークスルー)においては、前回の連載で記載しました代表的な理論を参考にしつつ、日本の今のビジネス環境も調査・分析した結果、ES をこのような形で定義しました。
下記5分類10要素に分類しています。
ES ファクターを大きく5つに分類し、これをさらに細かく2つずつに分解して、最終的には10の要素でもってES を診断していくためのスキームを作っています。
ES を正しく理解し把握していくためには、この要素に対して検証していく必要があると考えています。
ES ロジックツリー 5分類とは
- ビジョンへの共感
先が見えない時代だからこそ、自社がこれから何を目的に、どこに向かって進んでいこうとしているのか明快な道標を示し、社員をしっかり動機づけるために、この要素がES 構成要素として必要。
- マネジメントの適切さ
社員が日々会社の中で受けるマネジメントも、ES に刺激を与える構成要素の一つとなる。
- 参画への充実度
自社で働くことで、どれだけやりがいや充実感を持って仕事ができているか、または自己成長感を実感し、今後のキャリアデザインをイメージできるか、若手社員を中心に近年この要素を重要視する傾向が高まっている。
- 企業風土の最適さ
IT の発達のおかげで仕事の生産性は上がったものの、アナログなコミュニケーションは低減してしまっている。また社員を育む土壌でもあり、社員の考え方・感じ方・行動に影響を与える組織風土がES 上問題ないのかを同時に見ていく必要がある。
- 就業環境の快適さ
人生の大半を過ごす職場環境というものも、仕事の生産性やモチベーションに影響を与えることから、「職場環境」と「労働条件」に分類し、ハード面とソフト面から働く環境や条件等をES 要素として捉える。
以上です。
ES 向上の10要素については、次回から一つずつ見ていくこととします。
- 川﨑 潤一
社会保険労務士事務所リーフレイバーコンサルティング 代表
株式会社ヒューマンブレークスルー認定ESコンサルタント、全国社会保険調査対策協議会会員財閥系子会社、医療事務・介護事業会社の人事として、採用・給与計算・労働保険手続きを担当し、2011年4月1日に社会保険労務士事務所リーフレイバーコンサルティングを開業。
ハローワークにて「助成金支給申請アドバイザー」として、窓口で支給申請の受理手続き(約700件)、相談・アドバイス、不正受給防止のため事業所への実地調査を行った経験がある。
その勤務経験から、企業に対して現状と今後の展望をヒアリングした上で、最適な助成金の提案・手続きを行っている。社会保険労務士として、労働社会保険手続き、助成金手続き、就業規則の作成・改定、給与計算、セミナー講師を行う。
その一方で、人事マンの経験を活かし人事コンサルタントとして、採用コンサルティング、従業員満足度(ES)調査・向上コンサルティング、マネジメント能力向上研修(マネージャーMQ)、社会保険調査対策、人事制度構築といった人事コンサルティングにも力を入れている。ホームページ:http://www.leaf-sr.jp/