橋場そらとみどりの保育園大きなおうち――都心にある、子ども、保護者、職員にとっての“第二のおうち”


少子化が進む中でも、保護者や保育士から高い支持を得ている「橋場そらとみどりの保育園大きなおうち」。
今回は大竹園長先生に、園の設立背景や名前の由来、子ども達への想い、そして今後の展望について、じっくりとお話を伺いました。
橋場そらとみどりの保育園大きなおうちさんについて教えてください。
10年前に公立の「橋場保育園」を民営化することが決まり、同時に建て替えも行うことになりました。まず仮設園舎に移動し、現在の園舎を建設。4月から新園舎での運営が始まる予定でしたが、工事の関係で間に合わず、1階部分のみで0〜2歳児の新入園児が過ごし、幼児クラスは引き続き仮設園舎で生活しました。6月に新園舎が完成し、すべてのクラスが1つの園舎に集まりました。現在の定員は177名です。
園名「橋場そらとみどりの保育園大きなおうち」の由来は何ですか?
少子化が進む中で、園の名前も“記憶に残る”“行ってみたいと思ってもらえる”ことを意識して考えられています。「橋場」は土地の名前から取り、「そらとみどり」は園庭から見える空と緑の景色に由来します。園舎の形が丸みを帯びており、園庭から空を見上げると、まるで丸く切り取られた空が広がるように見えるんです。そこから視線を少し下げると、豊かな緑が広がっている。そんな情景を名前に込めました。「大きなおうち」は、法人理念である“第2のおうち”“もう1つのおうち”として、子ども達がくつろげる温かい場所であるようにとの思いを込めています。


園の最大の特長はどんなところですか?
中野区最大級の広さを誇る園庭です。都心にありながら、緑があり、裸足で遊べたり、どろんこ遊びができる環境が整っています。子ども達は、与えられた素材を活かして自由に遊びを広げます。たとえばバスマットやカラフルチェア、ベンチなどを自分達で組み合わせて遊ぶ姿も見られます。遊具として固定されたものだけでなく、工夫次第で変化する素材があることで、創造性も育まれています。
食育にもこだわりがあるそうですね。
ランチルームは2〜5歳児が集まって食事ができるようになっています。調理室はガラス張りで見えるようになっていて、子ども達が「こんなところでご飯を作っているんだ!」とワクワクできるよう、調理の様子を身近に感じられる環境を整えています。
また、「触れる食育」を大切にしていて、乳児クラスではさやとりや種とりなど、食材に実際に触れる経験を行なっています。3歳以上になると、簡単なクッキングを取り入れ、自分で食材に触れ、作ることで「食べてみたい」という意欲を引き出すようにしています。
栄養士さんも保育に積極的に関わっていて、子ども達と日常的に触れ合っています。


保育の特長はどんなところですか?
保育では、異文化交流や専門講師による活動も取り入れています。たとえば海外の先生と英語で触れ合ったり、造形講師と制作活動を行なったり、キッズダンスの先生と体を動かしたりと、さまざまな体験ができるようにしています。
特に大切にしているのは、子ども達が“主”になる時間。石集めでも、水遊びでも、子ども達が夢中になって遊びこめるよう、環境や声かけを工夫しています。室内ではコーナー保育を取り入れ、子ども達が自分で遊びを選べるようにし、集中・夢中・没頭できる時間を保障しています。
おもちゃや環境に関するこだわりもあるそうですね。
おもちゃは、デザイン性・安全性・遊びやすさを備えたものを、グッド・トイやエルフ(良質なおもちゃのセレクトショップ)から厳選しています。木のおもちゃも多く取り入れていて、これは人肌と同じ湿度を持ち、乳幼児期にふさわしい感覚体験ができるからです。
また、各保育室や玄関など共有スペースにはモビールを飾っています。キラキラと光る美しいモビールは、空間認知力、美的感覚を育てます。赤ちゃんから大人まで、共に心地よく過ごせるよう工夫しています。


絵本専門士の資格を持つ大竹園長、絵本へのこだわりもありそうですね。
園長である私が「絵本専門士」の資格を持っていることもあり、園全体で絵本を大切にしています。先生達が毎月「この本を読み聞かせたい」という絵本を主体的に選び、保育に取り入れています。先生が本気で「読みたい」と思っている絵本は、子ども達にもその気持ちが自然と伝わると感じています。
また、地域の子育て広場では、絵本専門士による講座を開くなど、地域に保育の専門性を発信する活動も行なっています。
立地や地域性にどんなメリットがありますか?
新宿まで10分というアクセスの良さがありながら、広大な園庭とゆとりある保育室を確保できている点は大きな強みです。緑豊かな園庭には風が吹き、葉が擦れる音や風の揺らぎ──いわゆる「1/fゆらぎ」と呼ばれるリラックス効果が感じられます。都会の真ん中で、自然に癒される環境があるというのは、保育園として大きな魅力だと感じています。

地域とはどんな関わりがありますか?
ハロウィンには衣装を着て地域を練り歩いたり、小学生との交流、近隣の姉妹園「なかのまるのなか保育園大きなおうち」との連携など、地域との交流も大切にしています。子育て広場に来た親子と触れ合う機会も多く、地域とともにある保育園であることを意識しています。
職員が働きやすい環境づくりの為に工夫していることがあるそうですね。
書類作成や連絡帳などの事務作業を効率よく行えるよう、参考資料を用意しています。また、休憩室にはウォーターサーバーやオフィスグリコを設置し、気軽にリフレッシュできる環境を整えています。
職員研修にも力を入れているそうですね。
Instagramでも紹介しているのですが、「おもちゃの遊びを10倍広げる方法」や「積み木遊びの仕方」など、実践的な研修を実施しています。Instagramを情報共有の手段として活用し、職員間でいつでも学びを共有できる仕組みを整えています。


卒園児にどのような未来を描いていますか?
不景気や少子化、物価高騰など、社会が大きく変化する時代だからこそ、子ども達には「遊びと同じように楽しく挑戦する気持ち」を持って、様々なことに興味を持って生きていってほしいと願っています。
今後の展望を教えてください。
職員の安定的な採用と育成を進めながら、質の高い保育を維持し、大規模園だからこそできる支援や発信を行なっていきたいです。選ばれる園であるために、専門性や独自のカラーをさらに磨き上げていきたいと思います。
橋場そらとみどりの保育園大きなおうち

住所
〒164-0011
東京都中野区中央4-18-19
アクセス
JR中央・総武線「中野」駅より徒歩10分
東京メトロ丸ノ内線「新中野」駅より徒歩5分
開園時間
開園時間 月~土 7:15~20:15
連絡先
TEL:03-6382-4774