2023.01.31
保育園訪問【Web限定版】

不動前えほん保育園──子どもの想いに寄り添い、絵本を通じて一人ひとりの個性を大切に育む保育園

不動前えほん保育園──子どもの想いに寄り添い、絵本を通じて一人ひとりの個性を大切に育む保育園

不動前えほん保育園さんについて教えてください。

不動前えほん保育園 園長:平石幸子さん

2019年4月開園の園になります。定員は73名で、現在、1歳児と2歳児クラス以外は空きがある状況です。
園内には3,000冊の絵本を揃えた「えほん図書館」があります。絵本は全て購入したもので、開園当初は既存の系列園を参考に、乳幼児期に読むと良いとされている絵本を会社主導で揃えましたが、以降は保育士と絵本コンシェルジュとで相談して買い足しています。
さらに、月に一度司書の資格を持つ職員が各園を巡回し、アドバイスなども行なっています。

園内で子ども達へ絵本の貸出も行なっており、幼児クラスの子ども達は自分自身で3冊まで絵本を選び、乳児クラスの子ども達は保護者の方がお迎えにいらした際などに保護者の方と一緒に選んで借りています。
返却された絵本は全てチェックと消毒作業を行なっていますが、その際、破損していて修復が難しいような絵本については新しいものを購入するようにしています。

絵本以外の設備としては、木の感触をしっかりと感じることができるよう木製おもちゃを揃えたり、手作りのおもちゃを準備したりするなど、上質なおもちゃに触れることができるように努めています。
子ども達は遊びの中で色々なことを学んでいきますので、各年齢に合った環境を与えることが大切との想いから、保育室の構造やコーナーの作り方なども工夫しています。

不動前えほん保育園

絵本をメインにされている目的について教えてください。

絵本は子ども達の心を育てる大きな要素になっていると考えています。
字が読めない低月齢のころでも、保護者の膝の上で読み聞かせをしてもらい愛情を感じることで培われていくものも数多くあります。そして成長するにつれ、だんだんとストーリー性のあるものを読むようになります。
自分で想像を膨らませることで、好奇心、想像力、探求心、聴く力、集中力などの様々なものが培われ、アンジェリカが掲げる「自尊の心、協調の心、自立の心、創造の心」の4つのこころを育むことに繋がっていきます。その経験が子ども達の将来像にも関係していきますので、えほん保育園ならではの良さではないかと思います。

また、絵本を題材にお絵描き遊びをしたり、劇遊びをしたりするなど、日々の遊びや行事にも積極的に絵本との触れ合いを取り入れています。
例えば、子ども達が中心となって決めた絵本をテーマに毎月作品作りを行なったり、各クラスで絵本を題材に劇あそびをしたりしています。劇遊びについては、12月のお楽しみ会を発表の場としています。

「えほん図書館」は地域の方も利用できるとのことですが、詳細を教えてください。

残念ながら現在はコロナ禍のため休止している状況ですが、地域支援という形で、週に1、2度、地域の方々にも絵本の貸出を行なっていました。
保育園という場所もあり、特に子育て世代の方々は、お子さんと一緒に安心して絵本を借りに来てくださったり、また、地域開放の際には、絵本の貸出だけではなく手作りおもちゃのワークショップを開催したりするなど、たくさんの交流が生まれていました。参加された方同士で交流できるよう橋渡し的な場にもなっているため、大変好評いただいております。
このような取り組みを行なっていることから「えほん図書館」が地域で受け入れられているのだと思います。

絵本以外で力を入れている取り組みについて、教えてください。

「体育指導」と「英語教育」にも力を入れております。
「体育指導」では、月に2回、専門の講師をお招きし8:30~17:30まで体育指導をしてもらっています。指導とは言っても、遊びを取り入れる形で上手く体を動かし、体幹を鍛えることができるような取り組み内容です。
「英語教育」でも同様に、外国人の先生と一緒に遊びながら、国際交流という形で楽しく英語を学ぶことができるような取り組み内容です。また、言語だけではなく、肌の色、言葉、文化や仕草など自分と違う多様な人を自然と受け入れ、一緒に楽しむことができるようになることも目的としています。

保育の質を上げるための取り組みについて教えてください。

職員には研修を積極的に受講してもらっています。マネジメント研修などの一般的な研修の他に、絵本研修という「えほん保育園」ならではの研修もあり、読み聞かせ時のポイントや絵本だよりの作り方を学んだり、絵本作りを実践したりするという内容です。

職員同士のコミュニケーションを円滑にするため工夫されていることはありますか。

ひとつのテーマを決めみんなで意見を出し合い話し合うことで、それぞれの想いや考えを引き出すことができ、コミュニケーションに繋がっていくと考えています。現在は、「子どもの人権や権利を守るための丁寧な保育をするには?」というテーマで、2つのグループに分かれて話し合う園内研修を行なっています。

また、園側で定期的に職員の個人面談を行なっていますが、本社から派遣された指導係による、普段とは違う角度からの面談も別途行なっているため、メンタル面などもフォローすることができていると思います。
その他には、日々生活する中で挨拶や感謝を大切にしていきたいと思っています。

今後の展望について教えてください。

開園後すぐにコロナ禍になってしまい、これまでまともに行事を行うことができなかったため、保護者と子どもで一緒に行うことができる行事を早く開催したいです。
その第一歩として、7月に納涼会を予定しました。まだ全員で一同に会して行うことはできないため、時間をずらしてクラスごとに実施する形式にはなりましたが、保護者と子ども達で一緒に夏祭りが楽しめたのではないかと思います。
秋には運動会も行いたいと考えていますが、まずは通常どおり保護者の方々と子ども達の成長が共有できるような行事をひとつひとつ進めていくことができたら、と思っています。

園運営で変えていきたいことはありますか。

新任の職員と長くいる職員とで情報を共有し合い、同じ方向に向かって保育にあたることができたら、と思います。これまで培ってきたものを継承しつつ、新たに良い部分を取り入れていくことが保育の質向上に繋がっていくと思いますし、職員それぞれの良さを引き出すことが園長の役割だと思います。

ここで育った子ども達には将来どのようになってほしいですか。

どんなことにでも向かっていくことができる、生きていく力をしっかりと育んでもらいたいと思います。この先、様々な問題に直面することもあると思いますが、自分を支えてくれている人がいることをしっかりと感じ取り、自分自身や相手を大切にできる人になってほしいと思います。自尊の心が基盤にあれば、どんな困難な問題に直面しても強く乗り越えていくことができると考えるからです。

不動前えほん保育園といえば〇〇。この〇〇に入る言葉は?

「素直」です。子ども達はどんな「人」も「状況」もすぐに受け入れることができる柔軟な姿勢を持っており、そこが当園の良さです。それも保育士が日ごろから子ども達をしっかりと受け止めて接しているからこそ育まれているのだと思います。

不動前えほん保育園

不動前えほん保育園

住所

〒141-0031
東京都品川区西五反田3-12-12 グランウフ保坂1・2階

アクセス

東急目黒線 不動前駅より徒歩6分

開園時間

開園時間 月~土 7:30~20:30
延長時間 月~土 18:30~20:30

連絡先

TEL:03-6421-7621

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