保育士の職業病「足の角化症」とは? 乳児クラスに多い原因と対策
保育士は毎日、0歳から6歳まで、元気で変化の多い子どもたちのお世話をする大変な仕事です。夢中で仕事をしていると青あざや噛みつき跡も絶えません。
そんな保育士が抱える悩みのひとつが、膝や足の甲の肌が硬くなる症状。中には担当学年が変わった途端、足のカサカサに悩まされるようになったという人もいます。
今回は保育士の職業病とも言える足・膝のカサカサ症状「角化症」についてご紹介します。
保育士の職業病!? 足がカサカサになる「角化症」の原因とは
多くの保育士が悩まされている、足・膝の肌が硬くなる症状は、「角化症」と呼ばれるもの。
肌が硬くなったり分厚くなったり、乾燥やかゆみ、黒ずみに悩まされることもあります。
角化症の主な原因は「外的刺激」と「乾燥」です。
肌は長時間刺激を受け続けると、肌が身を守るために硬くなります。かかとがカチカチに硬くなってしまうのは、毎日体重を支えているためです。さらに肌に潤いの少ない状態が続くことで、ゾウの脚のように硬くなってしまいます。
肌が乾燥してしまう病気では「乾癬」なども有名ですが、こちらは細胞の異常なども関係する症状です。ほとんどの場合は”保育士の角化症”とは異なるものですが、どちらも皮膚科を受診するべきお肌のトラブルに変わりはありません。
乳幼児クラスの保育士が「角化症」に悩まされる理由は?
足や膝の角化症は、0歳から2歳程度までの乳幼児クラスを担当する保育士に多い症状です。一方で、3歳以上のクラスになると足のカサカサや黒ずみが治まった、という声も。どうやら保育士の角化症と担当クラスには関係があるようです。
乳幼児クラスで”保育士の角化症”が多い理由は、仕事中によくする「正座」。
保育士は仕事柄よく正座をするので、頻繁に体重がかかる足や膝の皮膚が硬く変化します。お尻や太ももなど、他の体重がかかる部位には脂肪がついたりしますが、足の甲や膝はあまり脂肪がつきません。そのためよく正座をする乳幼児クラスに移ると、肌がその環境に負けないよう硬く変化するというわけです。
足の甲・膝の角化症を防ぐ2つの対策
“保育士の角化症”はひどい病気などではありませんが、脚が人前に出せないほどカサカサになるのは、決して嬉しい変化ではありませんよね。
足の甲や膝の角化症をできるだけ少なくする、2つの対策を覚えておきましょう。
・しゃがみ方・座り方を変える
脚の角化症は、正座で同じ部位ばかり刺激を受けるため起こる症状です。
まずは横座りやあぐら、”女の子座り”など仕事中の座り方を変えてみましょう。
膝にクッションを敷いてもいいですが、子どもたちが走り回る保育園ではあまりおすすめできません。忙しい時はついつい正座になってしまうかもしれませんが、余裕のある時間帯だけでも体重を分散させるように心がけてください。
・カサつき・かゆみには保湿クリーム
角化症を直すためには、お肌の乾燥対策も欠かせません。いち早くきれいな脚を取り戻すために、薬用化粧水や保湿クリームを使って、しっかり保湿しましょう。
ただしひび割れがひどい場合や敏感肌の方は、尿素系のクリームは使わないように。一般的な薬用化粧水・乳液で少しずつ保湿していきましょう。
保育士は立ったり座ったりと忙しい仕事ですから、「仕事中は足なんか気にしてられない! 」という方も多いかもしれません。お昼寝の時間や連絡帳の記入中などのちょっとした時間でもいいので、角化症対策を試してみてくださいね。