「感情」との付き合い方のヒント
長いこと保育関係の仕事をしていると、相談を受けることが多くあります。
とても多い悩みの1つが「感情をぶつける人物」の存在です。「怖いと思う人」「怒ってばかりいる人」がいるというだけで大きな悩みになることは理解できますし、悩みを聞く事が何よりの薬とわかっていますが、難しい問題だと思います。今回は「感情」とうまく付き合うヒント についてお話いたします。
もし「怒られた!」と感じたら
仕事中に「怒られた」と感じたとき、ほとんどの方が心にマイナスの感情を持ったまま、すぐに業務に戻らないといけない状態だと思います。『切り替えが大事!反省はするけれど悩みすぎない! 』と心に言い聞かせて、憂鬱なこころもちのまま仕事の時間を過ごすのではないでしょうか。
その時のショックを持ち帰ってしまいそうな場合、気分転換にカフェでも寄って、ノートに書いて気持ちを整理してみませんか ?
怒った相手は・・・
・私という人物を否定したのか?また、私の行動や言動に対して指導をしたのか?
・自分の受け取り方はどうだったか?
(もっと言い方を工夫してほしい!と思った・できない自分に腹が立った等)
・自分の感情は?(悲しい・怖い・悔しい・怒り)
・次に同じようなことがあったらどうするか?
自分をカウンセリングをするようなイメージです。客観的に見直すことで冷静になれることもあるでしょう。繰り返し行うことで感情の受け取り方の癖が見えてきたり、自分の心をコントロールすることが出来ることに役立つかもしれません。
もし「怒り」を感じたら
自分の思い通りにいかない時は、ストレスを感じます。もし自分に「怒り」の感情が見え隠れしたら?
しかし「怒る」ことで事態が良くなることは、ほぼありません。もし「怒り」の感情があふれてしまう場合は、「6秒以上待つ」と、冷静になれるかもしれません。これは、子どもにおいても同様の事が言えるそうです。(イラスト版子どものアンガーマネジメント 合同出版 参照)
待ち方は色いろるかと思いますが、呼吸を組み合わせることをお勧めします。
・口を閉じ、鼻からゆっくり吸い入れると同時に4秒数える
・心地よい程度呼吸を止める
・鼻から、または口から、たっぷりと息を吐きだす
・自分の身体の状態を感じる(胸周りが心地よかった・頭がすっきりした)
息を止めるのは、力を入れず苦しくないところで行いましょう。ヨガで は「クンバカ」という方法で、心の安定を計るのに役立つと言われています 。
呼吸をした後、落ちついて 必要な行動をとれると良いですね。
余談ですが、私は子どもが感情を抑えられなくなった時に一緒に上記の呼吸をします。毎回万能薬のように効くというわけではありませんが、保護者から「家でもやっています」という声をかけていただく ことがありました。
逆転の発想
「怒られた!」と思ったときのネガティブな感情を逆転の発想で乗り越えることもできると思います。
・期待されているから指導をしてもらっている!大切にされている!
・次はうまくやって、褒めてもらおう
などあると思いますが、ヨガのポーズで頭を下にした「逆転のポーズ」は新しい視点を得るのに役立つと言われて います。子どもが足を開いて頭を下げ、さかさまの世界を楽しむように、大人もポーズを楽しんでみませんか?
OECD (経済協力開発機構)は、子ども達に必要な力の1つとして社会情動的スキル(非認知能力)を掲げています。(OECD 2015)その中に、自己制御という項目もあります。自分の事を制御する力は、粘り強く努力をする力や、コミュニケーション力にも影響します。この力は、大人が「自分の心との付き合い方」を知らなければ、子ども達にも身につけることはできません。感情に振り回されず、出来るならば楽観的に!!あなたらしく生きていくことが大切なのだと思います。私は心の専門家ではありませんが、ささやかなヒントを受け取っていただき、素敵な毎日を過ごしていただきたいと思います。
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保育者養成校教員 Yoga.ed トレーナー
Yoga Laboratory ~ 先生達のセルフケア研究会 ~ 代表
ホームページ: yoga-labo.tokyo/