運動あそびを「YOGA」っぽく!? ~組み立て体操であそぼう~
Withコロナ生活が始まり、幼稚園や保育園の行事は大きく見直されてきました。当たり前のように行われていた運動会、皆様の周りでは変化がありましたか?
色いろ選択肢がありますが過ごしやすくなるこの季節、子ども達は体を思い切り動かし遊びたいことでしょう。今回は、運動会でおなじみの「組み立て体操」を「YOGA」っぽく楽しむヒントをお伝えします。
組み立て体操について
『組体操』は多くの小学校で行われる種目ですが、幼稚園や保育園でも年長児が『組み立て体操』が運動会の種目で見られることがあります。教育的ねらいは
1. 達成感を感じられる
2. 協調性を養うのに最適である
3. 忍耐力が身につく
の3点です。
私はグラウンドで裸足になるのも、四つ這いになり膝が痛いのも、そして何より『技』ができないことが苦痛でこの時間が嫌いでした。比べられることで惨めな気持ちになることもありました。
安全性を考えると、熟練された指導者でないと難しいのが現状です。今回『YOGA』っぽく…とお伝えしている理由ですが、『YOGA』では自分の体の動きに着目をする、誰かと比べないといった視点を重視しています。
できるものから少しずつ生活の中の体あそびとして入れていくと、皆が楽しめるものになりそうです。
基本の四つ這いは、テーブルのように
四つ這いは、簡単に取れるポーズのようで押さえておきたいポイントがいくつかあります。組み立て体操の技の中のベースになるポーズなので、3歳頃から会話を楽しみながらポーズをとっていきましょう。
・膝立ちまたは正座になり、両手でゲンコツをつくり、膝と膝の間に入れてみましょう。適度な膝の隙間ができます。そのまま体の前に手をつきましょう。膝に隙間があることでポーズが安定します。
・「どうやったら、肩の真下に手が来るのかな? お尻の下に膝が来るのかな?」と声をかけながら『テーブル』のような形を作りましょう。
・「肘の内側が向かい合うようにするにはどうしたらいいかな?」と声をかけてみましょう。手の中指が正面になると肘の向きも定まり怪我の予防になります。(サル腕の癖がつかないようにしてほしいです)
背中の上にぬいぐるみのような軽いものを置いて、まっすぐになっている背中に意識が行くようにガイドをするのも効果的です。
V字バランスは船のように
V字バランスは、1人でも2人でもできる技です。腹筋も使いますし柔軟性も必要す。4歳頃から遊びに入れてみてはいかがでしょうか? 今回は2人で楽しむときのポイントをお伝えします。
・2人で向かい合って、体操座りをします。
・つま先同士が付けられるところでお互いの座る位置を固定します。
・上体を前に乗り出して、お互いの手首をつかみましょう。(手をつなぐと、手首に負荷がかかります。)
・少しずつ足を浮かせながらお互いの足裏がつくようにします。
・そのままゆっくり足を上に上げていきポーズ完成!「どのようにしたら足が上に行くのかな?」など、子どもが自分達で考えられるような声掛けを!
・足を下ろすときは、どちらの足から下ろすかをきめてゆっくり降ろします。勢いよく踵が床に落ちないよう配慮してください。
複数人で行う時、きっとお互いを気遣う姿が見られることと思います。相手の呼吸を感じ『帆を貼った船』のような形ができたら素敵ですね。
片足バランスは、木のように
一般に「ケンケン」ができるようになるのは3歳の後半と言われますから、幼児が片足でバランスをとるのはとても大変なことです。4歳頃から遊びの中に入れてみるのはいかがでしょうか。
・立って『きをつけ』の姿勢をとります。「両足で地面をぎゅーっと押すどうなる?」と聞くと、力強く立つことができるかもしれません。
・両手を腰におきます。下半身が安定し強い土台ができます。
・片足をつま先立ちにしてかかとを足首に添えてバランスをとってみましょう。
→ここでどうするとユラユラしないかを聞くと、子ども達が答えを出してくれるでしょう。
・ゆっくり片足を上にあげましょう。
・チャレンジできる人は、両手を上に上げて『大きな木』になってみましょう。
バランスのポーズは、集中力を高める効果があるということが言われています。バランスが取れるコツを自分の体で学び取ることができたらよいですね。
運動遊びが好きな子も嫌いな子がいると思います。力加減がコントロールできなかったり、低緊張のお子様もいるかもしれません。比べることなく強制せずに、自分の体がどのように動くのか、探求することを楽しんでいただけたら嬉しいです。
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保育者養成校教員 Yoga.ed トレーナー
Yoga Laboratory ~ 先生達のセルフケア研究会 ~ 代表
ホームページ: yoga-labo.tokyo/