2025.04.15
MiRAKUU対談

何かを始めるよりも終わらせる勇気が前へ進む力になる──越堂聡子さん

何かを始めるよりも終わらせる勇気が前へ進む力になる──美容医療ジャーナリスト 越堂聡子さん

悩みを解消して明るく笑顔で毎日暮らせるようにしたい

堀川:越堂さんは現在どんな活動をされているのですか?

越堂:美容医療の分野で発信や支援をしています。美容医療というと美容整形を思い浮かべるかと思いますが、それだけではなくピアスの穴開けから美肌治療まで多岐にわたっていて、そういった治療のトレンドをメーカー商社さんや各媒体さんと情報共有しながら作っていっています。
また、医療の先生方の学会活動やアカデミーで、医師のスキルアップといった部分を担当させていただいており、勉強会の運営事務局として支援、発信をしています。

堀川:そのお仕事はいつごろから始めたのですか?

越堂:20年ほど前からです。もともと人に喜んでいただくことが好きで、最初は美容師になりました。美容師として仕事をする中で、多くの方が肌の悩みをお持ちだということがわかって、それについて何かできないかなと考えました。悩んでコンプレックスになっているところを、少しの医療で自信を取り戻していただいて、明るく笑顔で毎日暮らせるようにしたい。それがスタートになっています。
最初は1対1での相談という形だったのですが、その中で会えるお客様はMaxでも1日15人程度なんですね。そこでITだと日本全国発信をしていけるので、一度IT関連の仕事をしつつメディアの立ち上げをして発信を行い、今日に至るといった流れです。

堀川:人生の転機になったこと、分岐点はどこでしたか?

越堂:私は、何かを始めるよりも何かを終わらせる時にすごく勇気が要ると思っています。何事も始める時は急にですが、終わらせる時は継続しているものを決意の中で終わらせないといけないので。
私が美容師として働いていた時、今の仕事を続けていくのもいいけれど、もっと多くの人に何か影響を与えたい、持っている感性や得たことを情報発信したいとも思っていて、でもその環境を変えるのにとても勇気が要りました。ですから分岐点は美容師としての勤務を辞めたことですね。

誰かが目標を持って頑張っている時は一丸となる

堀川:小さい頃、どのような教育で育ちましたか?

越堂:非常に平凡な家庭だったのですが、表情で色いろなことを伝えてくる親だったんですね。今こういうことを言ってはいけないとか、こういう話をすべきだとか、その場の空気を読んでほしいというのを表情で伝えてきていたので、場の空気を読むというのは割と身に付いたと思っています。

堀川:越堂さんはお二人のお子さんがいらっしゃいますが、子育てでこだわっている部分はありますか?

越堂:一丸になってみんなで頑張るというところを意識して生活しています。たとえば今、上の娘が中学受験を控えているんですね。今までは姉弟で一緒に寝ていたんですが、下の子が寝ている間にお姉ちゃんを蹴ってしまうようで。すると弟が、一緒に寝ているとお姉ちゃんが熟睡できないからと言って、別の部屋で寝るようになったんです。もちろん親は受験の環境づくりはしているんですが、弟も自ら考えて協力するんですよ。誰かが目標を持って頑張っている時は、それに協力し合うという態勢を常々心がけています。

堀川:越堂さんのお子さんが幼稚園に通われていた時のエピソードはありますか?

越堂:親としては色いろなことを学ばせたい、体験させたいと思っているのですが、とにかく時間がないんですよね。だから、先生方が今日はこうでしたよと帰りに教えてくれる一言は勇気も得ましたし、反省する点もありました。子ども自身も自分で色いろなことができるように大きく成長する時期なので、本当にその支援というのはありがたかったですし、共に成長したという想いがありますね。

笑顔や言葉がけ一つひとつが子ども達の未来に繋がっている

堀川:保育士さんにできる美容、美肌のコツを教えてください!

越堂:保育士さんは外に出ることも多いと思うので、本当に頑張って日焼け止めをつけていただきたいの一言ですね。シミになりますよ!
美肌を保つコツは、きちんとお化粧を落として、保湿をするというのが絶対です。皆さんよく顔をこすってしまうんですが、色素沈着して肝斑などが出やすくなるので、顔は触らない。摩擦はお肌の大敵です。摩擦が炎症に変わり、色いろな肌トラブルを引き起こすんです。あとは、洗顔の時やシャワーの温度。熱いお湯を使うと皮脂が飛んでより乾燥しやすくなり、老化しやすくなってしまうので注意すると良いかと思います。

堀川:ありがとうございます。今後こんなことをやっていきたいという展望はありますか?

越堂:美容とはかけ離れているのですが、今、酪農業界が輸入に押しつぶされそうになっているんですね。私は祖母が乳業をやっていて、子どもの頃はお手伝いをしていたというのもあって、とある北海道の牧場を復活させようと動いています。その牧場の牛乳をバターと日本初のパルメザンチーズに加工して販売する予定で、これによって日本の、北海道の酪農家の人達を少しでも多く支えたいと思っています。
化粧品、乳製品に限らず、日本には良いものがたくさんあります。日本のモノづくりの大切さを継続するために、継承させていくためのことを1つでも多くやりたいと思っています。

堀川:美容に限らないのですね。最後に、読者へのメッセージをお願いします。

越堂:子どもは毎日小さな発見や成長を見せてくれますよね。その中で、泣いたり笑ったり怒ったり、思いがけない言葉で驚かしてくれたりということもたくさんあります。
特に保育園や幼稚園の先生は子どもにとって安心できる大人であり、家族以外の大好きな存在の大人です。だからこそ先生方の笑顔や言葉がけが子ども達の心を育てていると思っています。その一つひとつが子ども達の未来に繋がっていくので、自分の心も体も大切にしながら、温かいまなざしで子ども達を見守り、子ども達と共に成長できる素晴らしい道を歩んでいっていただきたいと思います。
 子どもを育てること自体もそれを支えることも、社会全体で取り組むべき大切な役割です。それぞれの立場でできることを考えながら、みんなで子ども達の未来を育んでいければと思っております。

(MiRAKUU vol.50掲載)

越堂 聡子(こえどう さとこ)
  • 越堂 聡子
  • 株式会社Kwin 代表取締役/美容医療ジャーナリスト

    「美容クリニックに対するイメージをよりよいものにしたい」との思いから、患者様のための総合相談窓口を開設。日本初、美容医療の第三者メディアとして成功を収めた。ドクターやクリニックを利用する患者様の悩みや問題に寄り添うサービスを展開。
    美容医療が現在ほど認知されていない時代から今日に至るまで北海道から沖縄まで、全国延べ4,500のクリニックと提携し、自ら現地に足を運び調査し、美容医療の最前線の情報を届けている。

    •   株式会社Kwin   マネジメント会社ZENA STYLE