2025.01.15
MiRAKUU対談

笑いって最強! 笑いでたくさん子ども達を笑顔にしてほしい!──キンタロー。さん

笑いって最強! 笑いでたくさん子ども達を笑顔にしてほしい!──キンタロー。さん

部活をやり通した経験が思考の転機に

堀川:どんな幼少期を過ごされましたか?

キンタロー。:妹が生まれる5歳までは一人っ子同然だったので、割とちやほやされていました。家がビジネス旅館を営んでいて両親は忙しく働いていたのですが、お客様にかわいがってもらっていましたね。色いろな大人に囲まれて育った幼少期でした。

堀川:いつぐらいから芸能界に入りたいと思ったのですか?

キンタロー。:小学3年生の時にみんなから笑いを取るという体験をしたんです。それがすっごい快感で、びっくりして。そこから自分のマインドが変わって、自分が発信したもので人が笑うということが自分の中で最大の喜びになったんですね。笑いを取るということの素晴らしさとすごさを実感してそれに取りつかれ、お笑い芸人になる! となっちゃった。

堀川:実際にお笑い芸人になるまでの間、苦労などありましたか?

キンタロー。:芸人になりたいと言うと、ノリで「行きなよ~」と面白がって言ってくる人もいましたが、親や先生など「現実を見なさい」と言わなければいけない役目の人達からは反対されました。特殊な仕事だからこそ、私の未来を真剣に考えている人は反対してくるんですよね。だから、馬鹿にされたくない、夢物語を言っていると思われたくなくて、大人になるにつれて「お笑い芸人になりたい」と素直に言えなくなっていきました。
自分の本心を隠すのも辛かったし、どうやったらなれるのかよくわからないし、なかなか現実が見えてこなくて、そういう部分が苦しかったですね。

堀川:高校や大学を出て就職、というものではないですものね。
いつ頃が転換期だったのですか?

キンタロー。:急に転換期が来たのではなくて、短大で競技ダンス部に入ったのがベースにあると思います。短大なので2年間やれば良かったんですが、OGになっても在籍し続けて4年間部活をやり通したんですよ。その、途中で投げ出さずに4年間やり通したということが自分の中での経験値として残ったんです。
それまでは、目標を前にかみ砕いて一歩ずつ進んでいくような作業が不得意だったんですが、実際にそれができた、部活をやり通したという自信ができて「養成所に入ってまず学ぶ」という道が見えてきたんですね。地道にコツコツ積み上げていくのは遠回りに感じるかもしれないけれど、結果近道に繋がるかもしれないという考えができるようになったんです。
4年間部活をやり通さなかったら、養成所に入ってコツコツ積み上げていくという考えは生まれなかったかもしれないです。

喜びと楽しみはギブアンドテイク

キンタロー。さん

堀川:以前キンタロー。さんの舞台を見たことがあって、すごく面白くて楽しかったです。人を喜ばせたり、人を惹きつける秘訣は何でしょう?

キンタロー。:楽しんでいただけて良かったです。
私は単純な目立ちたがり屋なので、注目を浴びて嬉しい、みんな見てくれてありがとう! という感じで、自分自身が純粋に喜んでいるだけなんです。それで、お礼に笑わせるっていう。
見てくれてありがとう、じゃあ私も喜ばせたい、楽しませたいですっていう感じのギブアンドテイクの世界です。

堀川:ネタ作りはどうやっているのですか?

キンタロー。:子育てが始まってからは特に、もう「さあ、作りましょう」という時間が取れないから、ちょっとでも空いたらふと目に入ってきたものでやるというのが多くなっています。

主軸としているネタ番組やR-1グランプリ、THE Wなどの賞レースはじっくり考えて作ります。でも、ちゃんと向き合ってコツコツ作ったのに、なかなかうまくいかなくて予選敗退してしまうということもたくさんあります。
これは自分の精神的ショックが本当に大きくて、あんなに考えたのにとか、これだけ時間費やしたのにとか、あの意見を受け入れたからダメになっちゃったのかなとか色いろ考えちゃいますね。

逆に、なんとなく上げたSNSがバズることもあります。こういう気軽にパッと上げたものってラッキーパンチなんですよね。別にバズらなかったらバズらなかったで何とも思わないし、バズったら「これがバズるんだ~」という驚きとラッキーさがあります。

今は本当に、何が受けるかわからないなと思います。自分が「これは絶対いいだろう」と思うものが意外にダメで、自分が意図したものじゃないものが受けたり。
テレビ関係の人でも、同じようなことを言っている人を度々見ますね。

堀川:一筋縄ではいかないというか、時代の難しさを感じますね。

子どもはよく見て聞いているからシンプルに接する

堀川:子育てされていると思いますが、子育てに対する想いやこだわりを教えてください。

キンタロー。:子どもって聞いていないようで大人の発する言葉をよく聞いているので、言葉のチョイスは気をつけています。
私は年齢に合わせた言葉を使うように心がけているのですが、旦那は大人と同等の言葉を使いたいという意識で、意見が合わないんですけど。でもやっぱり子どもにあんまり変な言葉は聞かせたくないから、夫婦喧嘩も面と向かってはやりたくなくて、旦那に腹が立った時は思いを細かに綴った長文のLINEを送り付けています。

堀川:確かに子どもってよく見て聞いていますよね。

キンタロー。:夫婦喧嘩のようないざこざも見せたくないと思っちゃって。
あとは、表情豊かな子になってほしいと思うので、惜しみなく変顔を織り交ぜながらあやしています。そうやってあやしていたら、子どもも変顔をやるようになりました。昨日も「ママの顔」って真似してくれて、けっこう似ていたので録画しました。

堀川:嬉しいですね。お子さんは保育園に通われているのですか?

キンタロー。:はい。園には家族以外の社会を学ぶという面がありますよね。一番はお友達というところで、子どもの口からほかのお友達の名前が出てきて、成長を感じて嬉しく思います。

堀川:先ほど変顔であやすというお話がありましたけれども、子どもを喜ばせるコツってありますか?

キンタロー。:子どもって思っている以上に大人の顔を見ている、雰囲気を読み取っていると思うんです。だから、どこかで「私じゃ上手くやれないかも」「こうなったらどうしよう」というような恐れを持って接すると、それが伝わっちゃう。ちょっとしたことですけど、眉間にちょっとしわが寄っちゃっているとか、繊細に感じ取っているんですよね。
そういう恐れが、一番自分の解放の邪魔をしている気がします。リラックスして、「この子と遊ぶ」「子どもを楽しませたい」というシンプルな状態で接すると、自分も子どももきっと楽。
恐れを持たずに「喜ばせてあげたい」という想いで接すれば、絶対通じるので、その想いに集中した方がいいと思います。

堀川:そもそもの想いに素直に……ということですね。最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

キンタロー。:未来を担う宝の人材達を育てるというところに責任も緊張感もあると思います。
私は笑いの力を信じています。だから、たくさん子ども達を笑顔にしてほしいなと思います。いっぱい笑って脳細胞を活性化させてほしいなって。
笑いって最強だと思っているから、ぜひ笑いをいっぱい取ってください!

(MiRAKUU vol.49掲載)

キンタロー。 経歴
  • キンタロー。
  • キンタロー。(きんたろー)

    社会人経験を経て、お笑いの夢が諦めきれずギャガーを目指して松竹芸能養成所スクールの全国オーディションを受け2011年 4月特待生として選ばれ入学。1年間お笑いを学んだのち2012年4月松竹芸能所属。その年の12月に有吉反省会出演。
    とんねるずの細かすぎて伝わらないモノマネ選手権において初出場、初優勝。2等身の前田敦子として皆様の前に鮮烈にフライングゲット。年をまたいでネットが大炎上した。
    その後、ものまねレパートリーやギャグを増やしながら、金スマ社交ダンスにおいて2017年に日本人最高位の世界7位をゲット。
    結婚そして2児の母になり日々子育てと仕事に奮闘精進しつつ2024年4月に12年間在籍してきた松竹芸能を卒業し独立。心機一転、多方面におけるエンターティナー業と人材育成を目指して再出発!
    世間のみんなが楽しく幸せになるワクワクする面白い魔法を全国にかけるべく、只今、フジテレビ千鳥の鬼レンチャンで披露したドッスンやデヴィ夫人の余韻ものまねで今話題沸騰中。

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