何でも無理にやらせないで、楽しくできるようにしてやりたい──鈴木亜美さん
TV に出たくてTV の裏側を覗いていた
編集長:今までの活動経歴を教えてください。
鈴木:16歳でアーティストデビュー。2005年にエイベックスに移籍して、また音楽活動を再開させています。今は音楽活動以外にも、バラエティー番組に出たり、激辛企画を中心にYouTube 配信したりしています。
編集長:最近は「激辛女王」としても活躍されていますが、激辛にはまったきっかけは何ですか?
鈴木:最初は味変です。いつも食べていたインスタント食品の味を変えてみたくて、たまたまあった豆板醤をちょっと入れてみたっていうのが10歳の時。それが美味しくて、それから量がだんだん増えていって……という。中学生になると一人で外食できるようになったので、お店の激辛にチャレンジするようになりました。
編集長:小さい頃からお好きだったのですね。歌手も小さい頃からなりたかったのですか?
鈴木:そうですね。親がカラオケ好きなんです。テープを変えるタイプだったと思いますが、カラオケの古い機械がうちにあって、演歌ばかりでしたけど、よく歌っていましたね。だから、普段から歌に親しんでいたと思います。それもあって、キラキラした衣装を着てTV に出たいなとはずっと思っていました。
叱る時は子どもの言い分を聞いて話し合い
編集長:お子さんが2人いらっしゃいますが、子育てで大切にしていることを教えてください。
鈴木:私は、親に逆らうなんて絶対許されないような、昔ながらの厳しい家庭で育てられました。両親が若くして結婚、出産したので、周りに舐められないようにしっかりした子どもに育てたかったみたいで。食事の時は絶対正座で、こぼしたりするとすごく怒られました。
そういう家だったので、始めは私も躾とか英才教育とかにすごく興味を持っていたんです。でも、大きくなるにつれて、子どもの方向性が見えてきたんですね。長男は、とにかく体を動かして遊ぶのが大好き。勉強よりもスポーツ向きなのかなと思って、体操や水泳をやらせていて、本人が自由に楽しくのびのびと友達と過ごせる時間を持たせてあげたいと思っています。
編集長:躾についてはどうしていますか?
鈴木:TV や動画に関しては全然厳しくしていません。意外とそういうところから歌や振り付けを覚えているんですよね。本人達の勉強になることもたくさんあって、それはそれでいいなと思って。
注意しているのはコミュニケーション、叱り方ですね。兄弟でよくケンカをするんです。ついお兄ちゃんを叱りがちになりますが、「お兄ちゃんだから」という叱り方はしないで、原因をしっかり聞くようにしています。下の子はまだそんなにしゃべれないんですけど、指さしたりして頑張って主張するんですよ。そういうのをしっかり見て、お兄ちゃんにも聞いて、双方に納得してもらった上で仲直り。するとすぐ元通り遊びますね。やっぱり叱り方って難しいです。でも、絶対どちらかのせいにしないようには注意しています。誰が悪いのではなく、何が原因かっていうのを本人達にちゃんと話し合いさせるようにしていますね。
編集長:きちんと子どもの言い分を聞いているのですね。食育はどうですか?
鈴木:最近ね、長男が野菜を食べない! 炭水化物ばっかり食べるんですよ。だから、野菜を細かく刻んでハンバーグに入れています。それで、「実はね、これいっぱい野菜入ってたんだよ! でも食べられたね!」って褒めるんです。そうすると「食べられた! また作って!」なんて言うんですよ。実は、パパが「食べなさい」って言う人なんです。私はそれがすごく嫌で、たまにケンカになるんですけど(笑)。「食べなさい」って言われると、食べることが嫌いになって、ご飯の時間が楽しくなくなっちゃうと思うんですね。だから、どうにか楽しくなるように、嫌いなものは無理に食べさせず、「今日は残そう、また今度チャレンジしようね」みたいな感じに私は持っていきたい。何でも無理にやらせるのは、自分が子どもだったら嫌だなと思うので。ダメなことも多少は良いよ、っていうふうにしちゃいますね。
編集長:素敵な食育だと思います。お子さんは保育園に通われているんですか?
鈴木:はい。長男は体を動かすのが好きだから、園庭が広い保育園を選びました。園庭が広いので庭で野菜も育てていて、食育にとってもすごくいい環境です。それから、行事が多いです。運動会や発表会だけでなく、季節のイベントもたくさんあるんですね。そういう行事をすごく大切にしているので、長男は季節を覚えて楽しんで迎えることができるようになっていて、すごく驚きました。
保育士さんは本当に必要な力
編集長:今後の展望を教えてください。
鈴木:直近だと、来年2月のバースデーライブですね。40 歳という節目なので、大事にしたいなと思ってライブをすることにしました。単独ライブは11年ぶり。久々なので、みんなが心から楽しんでくれるようなライブにしたいですね。
それから、辛い調味料を開発してみたいです。食べるラー油ってありますよね。そういった、みんなが日常的に使うことになるような商品を開発したいなと思っています。辛い物はすごく好きなので、せっかくだったらそれをきちんと美味しいものにして、世の中の皆さんに届けたいというのが今の野望です(笑)。
編集長:私も辛い物好きなので、出たら買いますね! では最後に、読者へのメッセージをお願いします。
鈴木:実の子でも、短時間でも、子どもを見るというのはすごく大変なことなのに、保育士さん、幼稚園の先生方は毎日何人も見ていて、本当に尊敬しかありません。子どもは毎日色んなことを教えてもらって、それを楽しんでいるのが伝わってくるので、私もすごく嬉しいし、助かっています。
もっともっと保育園が増えてくれると、女性もたくさん働けると思うんですよね。保育士さんは本当に必要な力です。子ども達も、親も平和になるような、保育園や幼稚園が増えることを願っています。
-
-
鈴木亜美(すずき あみ)
1982年生まれ 神奈川県出身。「ASAYAN」(テレビ東京) を経て小室哲哉プロデュースで歌手デビュー。2009年からは本格的にDJ 活動をはじめ、国内のみならず海外でも多数プレイ。近年は「芸能界の激辛女王」としても知られ、バラエティ番組でも人気を博す。来年40歳を迎えるにあたり11年ぶりの単独ライブ「Ami Suzuki Birthday Live “超激辛40倍”」を2月11日に東京・harevutaiで開催する。チケット好評販売中。