ちゃいれっく新作保育園──日々の積み重ねを大事にして子どもの大きな成長を支える

ちゃいれっく新作保育園さんについて教えてください。

2018年に開園し、7年目を迎えた認可保育園です。定員は60名で、0~5歳児さんをお預かりしています。保育ではリズム遊び、食育、絵本の読み聞かせに力を入れています。
リズム遊びは会社全体として取り入れているピアノの音に合わせて体を動かす遊びです。指先や足先など体の色いろなところを意識することで脳に刺激がいき、成長発達を促します。
過去に、系列園で発達が気になるお子さんがおり、その園の園長が既存のリズム遊びを参考にして手押し車運動を取り入れたところ、その子が少しずつ身体を上手に使えるようになったことがきっかけで、今では全園全年齢で実施しています。
実際には、朝のちょっとした隙間時間に遊びの中でやっています。ピアノの音を聞いて、最初は保育士が見本を見せながらやっているのですが、少しずつピアノの音を聞くだけで子ども達が自然に体を動かすようになってきます。
年長さんにもなると、ブリッジや側転などもすごく上手になります。それまでの育ちの中でできるようになったお兄さんお姉さん達を小さい子達が見て、真似して、できるようになっていくのです。この育ちの連鎖、日々の積み重ねは本当に感心します。


食育について教えてください。
食育は、0~5歳でそれぞれどんなことができるかを考え年間で計画を立てています。たとえばお月見団子を作ろう、包丁で食材を切ってみよう、野菜スタンプで遊ぼうなどです。来月はパーティ形式で、自分で食材を取ってトッピングしようという食育をする予定です。
4~5歳では、その日の食事の食材マグネットを、三大栄養素を色分けしたシートにお当番さんが仕分けして貼っています。「この食材を食べると体にこういうことがあるよね」というのを毎日の習慣にしているんですね。
毎日積み重ねていくので、5歳の頃には自然と瞬時に判断できるようになっていて、成長が見られるポイントです。


絵本に力を入れている理由は何ですか?
絵本は五感を刺激できる素材だと思っています。絵本それぞれ大きさも絵のタッチも、言葉の表現も文字の量も違いますし、味や匂いも感じられるものさえあります。
ただ見て聞くだけではなく、触ったり、指さしたりして色いろな発見ができますし、内容から外遊びに繋げたり、絵のタッチに着目して製作に繋げたりもでき、絵本から得られるものは大きいと思っています。
また、このあたりは図書館が少ないこともあり、ご家庭に向けて園の絵本の貸し出しを行なっています。
一対一の読み聞かせによって、言葉だけでなく心も豊かに育つと言われています。園の貸し出し絵本の取り組みを通して、お子さんを膝にのせて、5分でも親子の密接時間を過ごしてほしいと思っています。お子さんの「これよんで」が、親子の大切なふれあいの時間になれたらと思っています。


カリキュラム以外のユニークな取り組みはありますか?
会社として「未来を担う子どもたちの為に今伝えられることを」というSDGs宣言が掲げられ、この園でもSDGsに取組みました。
まずは職員が考えて、それから子どもと一緒に考え、保護者の方も巻き込んで、去年は夏祭りで不用品譲渡ブースを作りました。実際に見て触れることで、リユースの意識に繋がる機会になったと思います。
また、この企画を社内で報告したところ賞を頂き、職員のモチベーションアップにも繋がりました。
今年の夏祭りでは、「海の豊かさを守ろう」をテーマにしたSDGsブースを作りました。ペットボトルキャップを回収したのですが、キャップ約800個で1本のワクチンにかえられることを掲示し、キャップを転がして回収場所に入れるという遊び感覚で回収できるコーナーを作りました。この遊びは好評で、今も廊下に設置してあります。
職員や子どもだけでなく、保護者の方の意識も変わったと感じます。


保育士さん達が働きやすい環境を作るためにしていることはありますか?
毎日昼礼をしてお互いにコミュニケーションを取る時間を作っています。
またそれとは別に、定例でリーダー会議をしています。不定期でリーダーが集まると、顔色を伺ったりいらない憶測が飛び交ったりしてしまうこともあるのですが、定例にすることでそういった雰囲気がなくなるんですね。また、リーダー同士だからこそ話せることもあると思います。
ちょっとしたところでは、園長自らが積極的に挨拶したりして明るい雰囲気を作り出そうとしています。
休憩室を過ごしやすくしたり、休みを取りやすくしたりも。個人的な話ですが私は海外旅行が好きで毎年海外旅行に行っていて、先日も1週間ほどハワイに行ってきました。
これらが結果的に働きやすい職場に繋がっているかどうかはわかりませんが、みんながいい雰囲気でいられる基盤を作る工夫をしています。
ここで育った子ども達に将来どうなってほしいですか?
「元気な子、思いやりのある子、最後まで頑張る子」が園目標となっています。これは主体性ややり抜く力という目に見えない部分が非常に多く、また社会の流れとしてもこういった非認知能力がすごく重要になってきているので、これを育てていけるように日々の保育に落とし込んでいます。
長い目ですが、ここでの生活をベースに、大人になっても最後まで頑張ってやり抜くような人に育ってくれたらいいなと思います。
今後の展望を教えてください。
コロナで色いろ見直した部分もありますし、子どもの主体性を重視した保育に変えていっている途中なので、その点を確立していきたいと思っています。
主体性の保育の取り組みとして、現在2か月に1度遊び祭りを行なっています。0~5歳児全クラス行き来自由にして、興味ある遊びにそれぞれが遊び込めるようにする日で、子ども達にとても好評です。
毎日このようにできたらいいとは思っているのですが、今は過渡期なので色いろなことを試して子ども達の様子を見ながら進めていくつもりです。また、保護者の方に向け、ドキュメンテーションを作って発信を続けています。
あとは、地域との交流ですね。コロナで交流が希薄になっていたのですがそろそろ再開できるようになってきたので、色いろな人との触れ合いから得られる経験値を積ませたいと思っています。
今度お米屋さんに行って色いろな工程を見せていただけることになりました。隣の老人ホームともようやく交流を取れるようになり、先日運動会で発表したものをお見せしてきました。10月もハロウィンのイベントをやる予定で、その先も計画を立てているところです。
地域との交流を深めていくことで、子ども達の経験値だけでなく地域の見守る力もアップしていくと思います。こうして地域と一緒に安心して預けられる場所としてあり続けていきたいと思っています。

(MiRAKUU vol.49掲載)
ちゃいれっく新作保育園

住所
〒213-0014
神奈川県川崎市高津区新作4-8-11
アクセス
JR南武線 武蔵新城駅より徒歩10分
開園時間
月~土 7:00~20:00
連絡先
TEL:044-789-5665
FAX:044-789-5666